京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

上を下への東奔西走

2009-04-24 | インポート

     京都市中京区河原町通竹屋町東入末丸町284番地

 これは当館の所在地です。

 ”京都らしい”住所というのでしょうか。

 京都の住所には独特の表示が使用されることがあります。

 それが、「東入ル」「西入ル」「上ル」「下ル」、というやつです。

 どこかで見かけたこともあるでしょう。

 「入ル」は、「ハイル」ではなく「イル」と読み、「上ル」「下ル」は、「ノボル」「クダル」ではなく「アガル」「サガル」と読みます。

 これらの表記の前に書かれているのが、2つの通りの名前で、それぞれが南北の通りと東西の通りとなっていて、要するに、その二つの通りの交差点を、ここで明示しているわけです。

 その上で登場するのが、「ニシイル」だの「サガル」だのというわけです。

 これらはそれぞれ、その交差点からどちらへ向うかを示す表記なんですね。

 西、東、は改めて説明するまでもないでしょう。

 「上ル」「下ル」については、それぞれ北と南へ向う、という意味です(例外もありますが)。

 指示通りに向えば、そこにその町名がある、というわけです。

 どうしてこのような表示になったのか。

 まあ、実は正確なことはしらないんですが。

 推測ですが、とにかく京都には町名が多いので、それがこの表記の定着した理由ではないでしょうか。

 京都の街中では、角を曲がるたびに町名が変わります。

 これは大袈裟ではなく、実際にそうなんです。

 街中の区域は細々と分割され、それぞれに町名がついているのです。

 一度機会があったら都市地図を見てください。

 あまりの細かさに目が痛くなるかもしれません。

 これを覚えるのは、ちょっとしんどい。

 町名だけ言われても、それがどこなのか、ひょいとは思い浮かばない。

 そこで、通りの名前を利用しよう、ということになったのではないでしょうか。

 町名の数に比べれば、通りの数のほうが、はるかに少ないわけです。

 これを覚えておけば、後はそこの交差点の位置を思い浮かべるだけ。

 ああ、あの辺りね、となるわけです。

 まあ、実際にはそうならない場合も多々あるのですが。

 いずれにしても、なかなか便利なものです。

 これを活用できるようになればあなたも、京都マイスター、かも?

”あいらんど”