ヒジュラ暦1427年シャアバーン(8月)26日 ヤウム・スラーサーィ(火曜日) |
沈静化したと思ったら、そうでもなかったか、ローマ法王発言問題。
イランの新聞ジョムフリは「アメリカとイスラエルの陰謀説」かあ。アメリカとイスラエルが、あの講演の文章を作って、法王に読ませたって主張している。ヒズボラの対イスラエル勝利を傷つけるのが目的だって。
イランらしいけれど、いくらアメリカ(政府)やイスラエル(政府)でもそこまで稚拙なことやるかな? というか、主張に飛躍があるような気がする。
最高指導者ハメネイ師は、「大宗教のイスラームとキリスト教の対立をあおるための、少数派ユダヤ教の陰謀」説。対立してもキリスト教にはプラスはないし、いったいどのようにユダヤ教側が仕組んだというのだろう?
アルカイダやアンサール・スンナ軍などの武装派はやはりジハード継続宣言か。罪のない人を殺すのはもうやめて欲しい。
イラクでは、「法王を国際法廷で裁け」という主張もあるようだが、宗教的発言について裁くことは、どう考えても無理でしょ。言っている人たちもわかっていて言っているんだとは思うけど。
中国イスラム教協会は「法王は公開の場で直接謝罪しろ」。テレビかなんかで謝れってことかな? 中国当局・中国国内のイスラム勢力(ウイグル族など)・バチカンの三つ巴の対立にならなければいいけれど。あるいは、バチカンとイスラム勢力の対立を中国当局に利用されなければいいけれど。
正直あの講演には不快な気持ちはあるけれど、私は、ローマ法王は謝意を示したと思っている。
これからは、イスラーム世界内部でこの事件に対する穏健派と急進派の間で深刻な対立が起こらないかが不安。そうやってイスラーム内部に対立を起こさせることこそが陰謀の本当の狙い…なんて言い出す人はいないのかな?
適度なところで終わらせた方がいいんじゃないかと思う。
ご無沙汰しております。
法王のあの発言自体にも問題はありますが、
それを取り上げて、
「文明の対立」への「危機」を強調するような一部報道の在り方も批判されてしかるべきだと思います。
国外においても、日本においても。
まあ、センセーショナルにあおらないとマスコミは商売にならないのかもしれませんが。