ヒジュラ暦1427年ラビーウ・ル・アウワル(3月)4日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日) |
この度、めでたく大学を卒業されたヒカリさんの卒論を読ませていただいた。大学で比較文化を学んだ彼女の卒論のテーマは「日本におけるイスラームとの共生―日本人ムスリムの子育てから―」。
全体を通して、次の二点を中心に進んでいく。
A.日本社会の中では少数派であるイスラーム文化をどのように継承していくか? B.ムスリムとしてのアイデンティティ及びライフスタイルを、日本社会にどのように折り合わせて生きていくか? |
参考文献をまとめただけではなく、ネット上で21人のムスリム/ムスリマにアンケートをとり、考察を加えていく構成。
第1章では、外国人ムスリムが日本に急増した理由について。第2章では、日本人ムスリムが増加した理由について。日本のイスラームの現状を語る上で押さえておくべき事項のまとめとなる。
そして、第3章では先述のAとBの二点を、日本の教育事情とアンケートの回答から考察していく。ここで論文の独自性を発揮している。
日本人ムスリム/ムスリマの本音が語られており、少数派の中の多様性が表れていて興味深かった。
おそらく、ネット上で私と知遇のある方もアンケートに協力していると思われるが、もちろん本名は出ていないので、「えーと、これは○○○さんじゃないかな?」などと推測するしかない。
うーむ、それにしても私の回答はいまひとつ浮いているんじゃないか?
回答者の21人中18人が女性のようで、日本人ムスリムの男女比をある程度反映した結果になっていると思われる。
欲を言えば、回答を項目別にまとめるだけでなく、個人別に要約してまとめると、ひとりひとりの個性が浮き上がって、決して画一で没個性な宗教ではないということをより強調してもらえたのではないだろうか(その場合、私の浮き具合はいっそう強くなることが予想される)?
きっかけは、国際情勢やイスラーム文化への関心にせよ、イスラームに興味を持ち、レポートや論文でテーマとして取り上げてくれる人が増えるのはとてもうれしいことだ。
より多角的な視点や意見を形成するためにも、より多くの学生さんにイスラームについて学んでほしい。
もちろん、学生さんじゃない方も大歓迎です。