ヒジュラ暦1427年シャアバーン(8月)13日 ヤウム・ル・アルビアーィ(水曜日) |
「サグラダファミリアは2020年の完成を目指しています」とガイドは言った。
つい十数年前までは「サグラダファミリアは完成までにまだ200年はかかる」という話だった。
バルセロナオリンピックを機に世界の注目が集まり、それに伴って寄付もスタッフも集まった。さらに主な建材を石からコンクリートに変更し、最新の建設機器を導入した結果、建設のスピードが急激に高まったらしい。
それにしてもなあ…。
現在、いちおう完成しているのは生誕の門と受難の門だけであり、大聖堂や栄光の門(これがメインの入り口)は作り始めたばかりである。
上の完成予想図と、下の生誕の門の写真を比べてみるとわかるが、完成している部分はほんの一部である。ここまで作り上げるのにかかった年数が124年。
それなのに、あと14年で生誕の門の何倍もの建物を完成させてしまうとは!
サグラダファミリアを取り巻く状況は刻々と変化しているので実際に2020年に完成できるかどうかはわからない(個人的には無理だと思っている)。だが、このままいけば自分が生きているうちには完成するだろう。
「自分が生まれるはるか前から建設している」とか「自分が生きているうちには完成した姿が見られない」という、永遠を感じさせる時の流れの中に価値を見出すのがヨーロッパのカトリックだと思っていた。ちょっと意外な感じのする現状だ。
もっともバルセロナの人々は「サグラダファミリアがいつ完成するかなんて考えたこともない」らしい。
彼らにとっては、そこにあるのが当たり前という存在がサグラダファミリアなのだ。
唐突だが、マッカのハラーム・モスクを思い出した。1000年以上前から拡大しながらそこに存在し続けている。世界中のムスリムが目指す聖地だが、そこの住民にとっては、あるのが当たり前の存在なのだろう。
宗教を違っても、「大いなる存在」が日常の中に、空気と同じくらいの当たり前さで存在する地に住む人々はうらやましいと思った。
懐かしいです、サグラダファミリア。
階段をひたすらのぼって上に行き、外壁に埋め込まれているガラス瓶やその破片を眺めてぼーっとしてました。あまり肝心なところを見なかったかも(汗)
>最新の建設機器を導入した結果、建設のスピードが急激に高まったらしい。
びっくりしすぎて笑ってしまいました。なかなかできないのがサグラダファミリアだと思っていたものだから。
作るものの材質を変えたりしたら、質感がかわってしまったりしないのかな、と勝手な心配?をしてしまいますが、その完成形にも興味アリです。
すめいえさんも、行かれたことがあるのですね。
時間が限られていたので、私もあまり肝心なところが見られなかったです。帰国後に本を見て「あ”あ”っ! ここ見損なった!」などと後悔しまくりです。
>作るものの材質を変えたりしたら、質感がかわってしまったりしないのかな
そうなのです。門は茶色っぽい重厚な石造りなのに、聖堂の柱(先日の日記で言及したところです)は白くて粉っぽい質感のコンクリート(だと思う)…。
2020年が楽しみです。バランスの取れた建物になることを期待しましょう。
そうですね。それにあと何百年すれば、新しい部分もそれなりに古びてよい味が出るかもしれませんしね。
旅行記、まだ続くんですね。楽しみにしています。