ヒジュラ暦1426年ズー・ル・カアダ(11月)22日 ヤウム・ル・アハドゥ(日曜日) |
モロッコの立場は微妙である。
アフリカの国なのに、西サハラ領有権を巡ってアフリカ連盟(AU)からはじき出されて、アフリカで唯一の非加盟国となった。
そのため、ムチャなことに「ヨーロッパ連合(EU)に入りたいなあ (・。・)ボソッ」などと言い出している。トルコ加盟でさえあんなにもめているのに…。
その上、イスラーム国なのに、小学校からフランス語が正規の授業に入っていたりする。ヨーロッパとの貿易も盛んだし、ヨーロッパからの観光客も多い。
このようにヨーロッパとの関係が深いためか、大都市のホテルなどは、クリスマスの時期にはクリスマス用の装飾をする。
問題はそのセンスである。
まずはこの絵から。
数年前、マラケシュの某ホテルの窓に書かれたサンタクロース。
ご覧の通り、顔が貧相である。ふつうサンタクロースというとハッピーなイメージがあふれるものだが、これではまるで貧乏神ではないか。
袋の中には不幸がいっぱい詰まっていそうだ。
あるいは、「夜逃げするサンタクロース」という雰囲気もある。
誰かに見つからないように、こそこそとしていそうだし、常に人目を気にしていそうだ。
右足だけ靴を履き忘れて、靴下のままという風にも見える。
クリスマス・イブに、不幸を振りまきながら、空を天がける貧乏神サンタ…。恐ろしや、恐ろしや。(←久々に登場の妄想癖)
次もマラケシュの某ホテルの窓の絵だが、こちらは「死神サンタクロース」である。
何が「死神」なのかについては、写真の中の手が指さしている部分をご覧頂きたい。
座っているイスに、苦しむ亡霊の顔が現れていないか? あるいは生首かもしれない。(右に拡大写真)
これではまるで、漫画「デビルマン」に出てくるデーモンの「ジンメン」の甲羅みたいではないか。(←何を言っているのかわからない人はデビルマン読んでください。わからなくてもまったく問題ないですけど)
しかも、その上に乗っかっている動物は、死神サンタの乗り物「白骨トナカイ(私の想像上の動物)」だと思われる。
クリスマス・イブに、白骨トナカイの引くソリに乗って、幸せな人々の魂を吸い取ってゆく、死神サンタ…。恐ろしや、恐ろしや。
楽しいはずのクリスマスに「貧乏神サンタ」と「死神サンタ」。二人ともベルトのバックルに「S」と書いてあるので、ショッカー(初代仮面ライダーの敵の組織)の幹部なのかもしれない。
あんまり書くと、このホテルの関係者に訴えられそうなので、この辺でやめておくけど、イスラーム圏にサンタクロースを登場させようとすると、なぜか歪みが出てくるものかもしれないなあ…なんて気がした。