ヒジュラ暦1426年ラジャブ(7月)26日 ヤウム・アルビアーィ(水曜日) |

多くの日本人にとってヨルダンはあまり馴染みがない。
「ヨルダンに旅行に行く」と言うと、「危なくないのか?」とか「何か見るものあるのか?」などという反応が返ってくることがほとんどだ。
ペトラでさえ、それほど知名度が高いとは思えない。
そんな中で、ほとんどの日本人が知っているのが死海である。とは言っても、死海はイスラエルにだけあると思っている人も多いけど。
世界で一番海抜が低い場所にある湖であり、塩分が濃いため、どんな人でも浮くということは、日本国民のうち8900万人くらいは知っていると思われる(根拠は無い)。
デッド・シー・スパ・リゾート・ホテルで海パンに履き替え、死海に向かってダッシュ!
浅いのだが、海底の泥に足がズブズブとめり込み歩きにくい。
とりあえず座るような体勢を取ると体が浮いた。「おお!」というよりは「なるほど」という感じだ。
「死海は浮く」ということがあまりにも常識になりすぎていて、実際やってみても、思ったほどの感動が無い。面白いんだけどね。
横向きで浮いたり、腹ばいで浮いたり、いろいろやってみる。「浮きながら本を読む姿勢」をやっている人はいなかった。あのポーズはいまや流行遅れなのだろう。
泳ごうとするが、浮力が強すぎて泳げない。その場で空回りするような感じだ。
6月27日の記事で書いたような「苦難」は無かった(良かったら後で確認してね)。
しかし、油断して鼻の穴に海水が入ったときは死ぬかと思った。並大抵の苦しさではない。鼻の奥から脳ミソまで硫酸で溶かされているような苦痛だ。
それにしても驚いたのは、こんなところでも、アバヤ(女性の体をスッポリ包む黒い民族衣装ね)を着たまま浮いている女性がいることだ。なにもそこまで無理して浮かなくても…。
敬虔なムスリマであることは間違いないが、死海に浮くだけでなく、雰囲気的にも浮いている。ヨルダン人ムスリマでも、ここでは水着の人がほとんどだしね。
ひとしきり浮いた後、ビーチでは、従業員がサービスで、体中に死海の泥を塗ってくれる。健康に良いということだが、ドブのにおいがするのがキビシイ。
体中に泥を塗った私の姿を見て、「あら、変質者みたい!」「まあホント、裸の上にスーツの絵を描いた変な人みたい!」という暖かい言葉をかけてくださったオバサマ方、ありがとうございます。
心の中で密かにムッとしながら、思い切り笑顔で応えさせていただきました。

