“色の話いろいろ”

色には意味があり、使い方次第で印象が良くなります。
「イマイチ」が「素敵」に変わります。

伝統色・緋色(ひいろ)、緋(あけ)

2007-11-18 | 日本の伝統色(日本の色)
写真は、緋色の地色に白の小桜文様の風呂敷。
「緋色(ヒイロ)」は、茜染めによる強い黄みの赤。「火色」とも言います。
さらに染め重ねると「茜色」になり、緋色よりも薄く染めると「素緋・(ソヒ)」になります。
歴史は非常に古く、吉野ヶ里遺跡で、日本アカネで染められた絹布が発見されていおり、古代から愛されている色です。 
緋色という色名は、聖徳太子の時代(603年)が、身分を色で管理するようになってから後のことで、平安時代には染料を変えて梔子(クチナシ)と紅花を染め重ねた緋色を使い、「思ひの色」とも呼ばれていました。平安貴族の感性って素晴らしい!!

“国宝・源氏物語絵巻の竹河二”に坪庭に植えた桜を楽しむ姫君たちが描かれています。色、文様とは関係ないですが、右手前では、男性が女性を盗み見をしていて・・・恋の予感。 季節の色を重ねた色紙に美しいかな文字を書いた恋文には、きちんと折り枝を添えて届けられるのでしょうね。平安貴族の雅は、とても美しくて、あこがれますが、庶民の生活を犠牲にしてのものなので、そこがちょっと・・・

「緋(アケ)」は、色彩の身分制の五色(赤、青、黄、白、黒)の「赤」に使われた染め色で、「アケ(緋)」→「アカ(赤)」と呼ばれるようになったのはこの時代からです。
「アカ(赤)」ではない「アケ(緋)」という色名に、日本人のルーツを感じ、美しい色名だなあと感じるのは、私だけ?

桜は、皆さんよくご存知のとおり日本を代表する花です。
山桜、一重桜、八重桜、枝垂桜、他にもあるのでしょうね。春になると桜前線、秋になると紅葉便りでニュースが楽しみになります。
秋に桜文様は季節はずれ? でも、この配色なら大丈夫。
桜を愛する日本人として、年中持ち歩きたいと思うのは私だけ!?

 先日、私が主催する第1回目の“日本の色めぐり会”で「国宝三十六人家集」などを鑑賞してきました。美しいかな文字と、美しい料紙、日本の心である和歌の3つが揃った、平安貴族の雅な技術を結集したもので、900年ほども前に作られたものとは信じられない美しさでした。模写本よりも、ずっと昔に作られた本物の方が美しかったんですよ。

詳しくはアメニティカラープロジェクトのHPをご覧ください。
日本の色めぐり会の第2回目~第5回目までの予定も掲載しています。
まずは、一日体験に参加してみてください。⇒ こちらから
江戸紫(濃色)
素鼠(鼠色)
柿色(団十郎茶)


日本の美しい伝統色名

2007-11-09 | カラーで戦略
日本の伝統色の魅力の一つに色名の美しさが挙げられます。
例えば、秋の落葉を表わす色名として平安時代の“朽葉色”があります。現在は枯葉色と呼ぶことがが多いですが、朽葉色の方が日本人の感性に合っていると思います。朽葉四十八色と言われるほど好んで使っていたようです。
平安貴族は、
①染色。
②織色。
③表裏の色を合わせた重色目
④幾重にも重ね着て表される五衣(イツツギヌ)と呼ばれる襲色目
の四種を使いこなしていました。
(①と②)赤く色づいた朽葉の色を“赤朽葉”、黄系の“黄朽葉”、緑系の“青朽葉”の系統に分化する懲りようです。
季節の色目を楽しんだ(③と④)十二単の重さは16kgもあったということですから、立つことも、座ることも大変であったはずです。まさに深窓の令嬢。
源氏物語絵巻には、男性が覗き見をしいる場面がよく描かれています。恋愛は、まず恋文のやりとりから始まり、二枚の色違いの料紙を重ねた(③)恋文は、季節の花を添えて届けられます。差し出した人の知性と人柄を判断する情報ですから、心がこもったものになります。 
朽葉色は、このような平安貴族の中から生まれた色名です。
歴史的背景のもと付けられた日本人独自の伝統色名には美しい色彩表現が数多くみられます。私たちはその伝統色を知り、日常の生活に取り入れ、口に出すことで、心豊かな心情にひたることができます。

伝統色をカラー戦略に取り入れてみませんか?

【アメニティカラー・プロジェクトのHP内“色の話”に掲載していたものをこちらへ移動しました】

第1回目 日本の色めぐり会・鑑賞体験会の報告

2007-11-07 | 日本の美術品めぐり・鑑賞会
2007/11/2の出来事
福岡県北部地区の美術館・博物館に期間限定で展示される日本の色に特定しての美術館・博物館めぐりの会です。
九州国立博物館で開催された本願寺展へ行ってきました。
“伝統色”という視点から美術品を鑑賞しました。記念すべき第1回目・日本の色めぐり会・鑑賞体験会は、参加者のみなさんに喜んでいただけたようです。
「彩りを楽しむランチ」も大変好評で、味良し、彩り良しのお料理に舌鼓を打つと、会話も弾みますね。メニューの一部を掲載したかったのですが、主催者も楽しんでしまい、撮影を忘れてしまいました・・・
 
 ~参加して下さった方からのメールを紹介します~

今日は楽しく、とても充実した一日でした。ありがとうございました。ため息が出るような美しい作品でしたね。襖絵もすばらしかったです。参加された方もみなさんいい方ですね。
一月の色めぐり会も楽しみにしていますので、またよろしくお願いします!
 ■K・Fさんより■

昨日はありがとうございました。雅な時代とわび・さびの時代のコラボはもちろん期待してましたが、台紙の作成方など新たな知識を得て見る本願寺展、面白かったです。もう少し日本史が思い出せたらよかったかな・・・と私自身、反省。また参加させて頂きます。
 ■morさんより■

詳しくはアメニティカラープロジェクトのHPをご覧ください。
⇒ http://www.ac-pro.com