“色の話いろいろ”

色には意味があり、使い方次第で印象が良くなります。
「イマイチ」が「素敵」に変わります。

伝統色・素鼠(すねず) 鼠色(ねずみいろ)

2007-09-23 | 日本の伝統色(日本の色)
 灰色(はいいろ)、薄墨色(うすずみいろ)、鈍色(にびいろ)とも呼びます。
 江戸時代後期、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)」と言われるほど、茶系と鼠系の色名が数多く登場します。火事が多かった江戸の町では、“灰”という言葉の代わりに、“鼠”を使うようになったと聞きます。
 日本の伝統色~鼠(ねずみ)と付く色名は、利休鼠(りきゅうねず)、銀鼠(ぎんねず)、藍鼠(あいねず)、紺鼠(こんねず)、納戸鼠(なんどねず)など、沢山の色名となり、微妙な色合いを楽しむようになります。鼠色(ねずみいろ)という色名は平安時代には使われていましたが、江戸っ子が粋(いき)に使いこなします。単に鼠色と呼んでも、全くお洒落ではないけれど、“~ネズ”と呼ぶといい感じ!!
 ここでも、歌舞伎役者が大活躍!!弁慶格子、子持格子、市松文、などの文様が流行します。遠目には無地に見えるような小紋も、趣向を凝らして遊び小紋、新型小紋が登場します。
 封権社会の厳しい掟の中にありながら、粋な江戸っ子は生活を楽しみ、色を楽しみ、素晴らしい染め文化を生み出してくれました。

詳しくはアメニティカラープロジェクトのHPをご覧ください。
⇒ http://ac-pro.com
緋色(思ひの色)
柿色(団十郎茶)
江戸紫(濃色)

柿色(かきいろ)・団十郎茶(だんじゅうろうちゃ)

2007-09-09 | 日本の伝統色(日本の色)
久しぶりに更新します。
前回、江戸紫(えどむらさき)についてお話をしましたので、今回も、江戸時代の大衆娯楽であった歌舞伎で大流行した、団十郎茶(だんじゅうろちゃ)をご紹介します。

弁柄と柿渋で染めた染め色です。

現在、歌舞伎界では柿色と呼ばれています。歌舞伎を生まれて初めて見に言ったとき、市川家の柿色であると紹介していました。
初代団十郎以来、代々使われていて、市川団十郎、海老蔵の襲名披露などでは、柿色(かきいろ)の裃(かみしも)姿の出演者が居並びます。
「ひと~つ、睨んでごらんにいれましょう」でしたっけ?
大衆娯楽であった歌舞伎が、現在では伝統芸能です。

お茶が庶民の家でも飲まれるようになったのは、江戸時代からです。文化の主役が庶民になり、流行色も庶民が作り出すようになります。

日本の伝統色講座開講しています。
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