“色の話いろいろ”

色には意味があり、使い方次第で印象が良くなります。
「イマイチ」が「素敵」に変わります。

日本の美しい伝統色名

2007-11-09 | カラーで戦略
日本の伝統色の魅力の一つに色名の美しさが挙げられます。
例えば、秋の落葉を表わす色名として平安時代の“朽葉色”があります。現在は枯葉色と呼ぶことがが多いですが、朽葉色の方が日本人の感性に合っていると思います。朽葉四十八色と言われるほど好んで使っていたようです。
平安貴族は、
①染色。
②織色。
③表裏の色を合わせた重色目
④幾重にも重ね着て表される五衣(イツツギヌ)と呼ばれる襲色目
の四種を使いこなしていました。
(①と②)赤く色づいた朽葉の色を“赤朽葉”、黄系の“黄朽葉”、緑系の“青朽葉”の系統に分化する懲りようです。
季節の色目を楽しんだ(③と④)十二単の重さは16kgもあったということですから、立つことも、座ることも大変であったはずです。まさに深窓の令嬢。
源氏物語絵巻には、男性が覗き見をしいる場面がよく描かれています。恋愛は、まず恋文のやりとりから始まり、二枚の色違いの料紙を重ねた(③)恋文は、季節の花を添えて届けられます。差し出した人の知性と人柄を判断する情報ですから、心がこもったものになります。 
朽葉色は、このような平安貴族の中から生まれた色名です。
歴史的背景のもと付けられた日本人独自の伝統色名には美しい色彩表現が数多くみられます。私たちはその伝統色を知り、日常の生活に取り入れ、口に出すことで、心豊かな心情にひたることができます。

伝統色をカラー戦略に取り入れてみませんか?

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