“色の話いろいろ”

色には意味があり、使い方次第で印象が良くなります。
「イマイチ」が「素敵」に変わります。

藤色(ふじいろ)

2012-04-22 | 日本の伝統色(日本の色)

2012/4/21撮影日
福岡市中央区の九大跡地、大通りからちょっと入ったところの和菓子処・“吉蔵”の藤の花が満開でした。

美しい・・・藤色(ふじいろ)は、薄紫色で控えめなんですけど、目を引く色ですよね。
藤の花を見ると、源氏物語の登場人物である源氏の義理の母・藤壷が思い浮かびます。
プレイボーイ・光源氏との禁断の恋・・・
良く似ていたといわれる紫の上や、女三の宮は藤壷の姪なんですって。
摂関政治を長きに渡り執り行なってきた貴族・藤原家もあり、“藤の花の色”は“高貴な色”
紫に染めるために使われる“紫根”は、草木染めのなかでも特に高価な染料です。

複雑な人間関係・・・あなたは好きですか。
この歳になると、恋をしてドキドキすることもありませんが、源氏物語に出て来る女性たちの心の思いをのぞいて、ちょっぴり女性ホルモンを活性化できたかも。

“ふじ”と呼ばれるようになったのは、花が風に散る自然の風景「風散(ふぢ)」に由来すると伝えられています。
残念ながら、藤の花が風に散る様子を見たことがありません。
桜の花吹雪は、美しくて、思わず立ち止まって見惚れてしまいます。
風に散る藤の花もさぞや美しいことでしょう。平安貴族になった気分でいつか鑑賞したいです。