(書評)
赤塚不二夫(杉田淳子・選)『赤塚不二夫のだめマンガ』(筑摩書房)
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――いまの世のもろもろのことが、虚実ない交ぜになっている。固定したものはなく、すべてが動いている中で、何をしたっていい、決めてしまうことはないじゃないかと語るチミの原風景は、まだ幼いフジオが満州で見た真っ赤な空と真っ黒いカラスの大群だった。そして、しみじみ、自分の行き着く先は、その風景の中だと言う。そう思うと、何でも出来るような気持ちになると。もともとそこから始まったんじゃないかと。
(赤塚りえ子「解説 だめがき」)
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失敗は成功の元ではないのだ。
オッパイは性交の元なのだ
失敗は成功なのだ。
だめでいいのだ。
成功は失敗の元なのだ。
(終)