SONG
寝台(ねだい)の唄(1)
詩 L
秋色の大気が
ゆらゆら身体にまとわれば
あたいのお腹は 寝台(ねだい)の上だ
遠く聞こえる童唄
金木犀の花の下
腐乱の死体と遊んでる あの子は誰れ誰れでしょね
何にも考えてくれていてはいや
あたいのことなら なおさらにいや
少しまぶしい
カーテンをひいて下さらない
ついでに 口一杯に広がる レモンを一切れ
(終)
SONG
寝台(ねだい)の唄(1)
詩 L
秋色の大気が
ゆらゆら身体にまとわれば
あたいのお腹は 寝台(ねだい)の上だ
遠く聞こえる童唄
金木犀の花の下
腐乱の死体と遊んでる あの子は誰れ誰れでしょね
何にも考えてくれていてはいや
あたいのことなら なおさらにいや
少しまぶしい
カーテンをひいて下さらない
ついでに 口一杯に広がる レモンを一切れ
(終)
SONG
駝鳥その他
駝鳥を どうしても
鳥だと認めるわけには参りません
鯨を どうしても
獣と認めるわけには参りません
海星を どうしても
人だと認めるわけには参りません
この世を どうしても
我が世と認めるわけには参りません
自分を どうしても
自分と認めるわけには参りません
(終)
SONG
春宵
春の宵は
遠吠えの負け犬が
で
舌打ちしたら ジステンパーに
そら また ジステンパーごっこ
犬殺しが来る
針金で首絞める
だから 首吊りがある
四畳半では
電気釜のスイッチが上がって
コードを抜けば
そら また 負け犬が
で
殺されかけて
死にかけて
恐いぞ
犬殺しは犬殺すぞ
ゾゾゾゾゾ 憎悪!
首輪があればな
首締めないような
全然 痛くなくて
ちょっと死んだふりできる
(終)
SONG
どうだっていいじゃねえか
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
初めて会ったとき
素敵だと思ったけど
本当は敵だと気づいていたのさ
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
二度目に会ったとき
かわいいと思ったけど
本当は骨まで憎んでいたのさ
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
三度目に見かけたとき
襲おうと思ったけど
本当は怒りも消えていたのさ
だから どうだっていいじゃねえか
あいつのことなんか
(終)
SONG
海が泣いている
君の好きな人に会って
海の思い 打ち明けよう
夏の夕べ
赤く燃えた君と彼の心よりも
海の心 深いのさ
海が泣いて 君に縋り付く
海が泣いて 君を飲み下す
(終)