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土田ヒロミの写真展「ヒロシマ・コレクション 1945年、夏」が今を生きる人々のリアリティとして―

2025-06-19 15:21:15 | 雑感

先日、写真家の土田ヒロミさんから「土田ヒロミ写真展 ヒロシマ・コレクション 1945年、夏。」のチラシが送られてきた。それによると6月28日(土)~9月7日(日)、大阪の「中之島香雪美術館」で開催される、とのことだ。

 

土田さんは1939年生まれ。人の活動や行動を年齢で括りたくはないが、年々、活動内容やその範囲がさらに広がっていく様子に刺激を受けよきお手本とさせていただいている。昨年の後期からすでに4カ所で展覧会を開催され、そしてこの度の中之島香雪美術館へと続く。

 

写真家としてのデビュー以来、数々の活動の中で土田さんの大きな功績はやはり「ヒロシマ三部作」ではないだろうか。1985年に発表したのが『ヒロシマ』(佼成出版社)そして10年後の1995年に『ヒロシマ・モニュメントⅡ』(冬青社)、『ヒロシマ・コレクション』(日本放送出版協会)を立て続けに世に出した。

 

1945年の広島に原爆が投下され、その戦跡の被爆資料(広島平和公園資料館所蔵)を撮影した『ヒロシマ・コレクション』が世界で注目された。そして今年、被爆80年にあたる2025年だからこそ、土田さんの写真は、日本はもとより世界の現状を深く再考する機会になる展覧会として注目を集めている。

 

被爆資料の撮影にあたり、土田さんは、徹底して私的な解釈や情緒的な自己表現を避けようと努めたようである。悲劇的な形象や象徴性を強調するのではなく、身近な衣類や日用品など、資料そのものを記録することに徹し、誰もが認識できる記号的性質を重視している。一方で、それらの記号の下には資料にまつわる具体的なエピソードが写真と同等のものとして添えられる。80年前に広島で起きた大惨事が、現在の日常につながっていくことを示唆しようとしている。それらをわたしたち自身の問題として認知するために――、それが「ヒロシマ・コレクション」のために選択した土田さんの方法論である、と美術館のHPに紹介されていた。

同展は、2022年開催の国際美術展カーネギー・インターナショナルにおける「ヒロシマ・コレクション」の展示を超える、過去最大の点数になるとのことである。

 

過去の悲惨な出来事ではなく、現在を生きる世界中のあらゆる人々にとってリアリティとして共有されることを願っている、とチラシの文章の最後に記されてあった。

一枚一枚の物語が人々の心に届くことを願ってやまない。


なお、7月27日(日)、14時からは、土田さんと豆谷利宏氏(広島平和記念資料館副館長)の記念講演が予定されている。そして、アーティストトークは、6月28日(土)、7月26日(土)、8月30日(土)、いずれも15時30分から行われる。詳細は美術館に問い合わせください

 

 

 

 

 

 

 

文/ 渡邉雄二

参照文献/ 中之島香雪美術館HP・同展覧会のチラシ

 

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