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ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

煎茶体験会にご参加しませんか。

2017-04-16 21:38:51 | 一茶庵「易社」
今年も「e-よこ逍遥」に参加させていただくことに。
私が煎茶稽古している一茶庵が、東横堀川周辺の隅っこということでイベントに加えていただいている。
今年は5月14日からちょうど1ヶ月間、この地域の活性化のため、イベント、ショップ、珍しいことやモノを楽しんでいただくための逍遥企画。

一茶庵では、この期間に2回、煎茶に興味をお持ちの方たちに煎茶体験をしていただくイベントを開催します。

日程は、5月16日と6月6日(共に火曜)
時間は、19時~21時
場所は、一茶庵(大阪市中央区大手通1-1-1)
お問い合わせは、私の方までご連絡ください。
ipc@wa2.so-net.ne.jp まで。渡邉
費用は、3,500円

どなたでも気軽に楽しめる煎茶体験です。





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煎茶の稽古で、本草学を学ぶ。

2017-04-15 21:58:16 | 一茶庵「易社」
先日の煎茶の稽古に登場したのが「本草学」なるもの。耳にしたことのない学問に躊躇しながらも興味を覚えた。

ひと言でいうなら「中国古来の植物を中心とする薬物学」となる。中国500年ころ陶弘景のまとめた「神農本草」が初期文献ということである。それを明の李時珍が「本草綱目」という題目で集大成し確立された学問と資料にあった。
日本には平安時代に伝わり、江戸時代に全盛となり、中国の薬物を日本産のものに当てる研究から動物、鉱物におよび博物学・物産学に発展していった。

稽古に鹿のお軸が掛けてあった。茶席では鹿といえば秋によく見かけ、この時期になぜだろうというという疑問がわいていた。
鹿の画の上にこのよう賛(写真)が書かれてあった。説明を聞くと、鹿の種類や角の解説文だった。鹿の角は、不老長寿の薬としては周知の事実である。この解説が、明の時代の「本草綱目」に記されてあるという。

こんな話を聞きながら、一茶庵に伝わる「沃茶法(よくちゃほう)」で春の夜を堪能した。
ちなみに沃茶法とは、急須に茶葉を入れ、急須の外に湯をかけて急須を温め茶葉を蒸らす。そして急須の蓋を開け茶葉に湯を注ぐ。





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桜一輪の色気。

2017-03-26 21:44:37 | 一茶庵「易社」
今日の茶会では、水屋で茶を淹れる作業に追われた。
お客様をお迎えする亭主の趣旨を理解しているのと、してないのとでは淹れる想いが違うはず。残念ながら筋道をわかってなかったのが悔やまれる。

寄付きのお軸の「桜一輪」の画に魅せられた。幽かな春の色気をこの一輪から感じた。











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春の宵は、千金に値する。

2017-03-09 21:25:11 | 一茶庵「易社」
清少納言の「枕の草子」は、四季の、それぞれの特徴を一言で表している。
それは、春なら「あけぼの」、夏は「夜」、秋は「夕暮れ」、そして冬は「早朝」というように。
中国では、北宋時代の著名な詩人である蘇軾(そしょく)は、春は「夜」としている。春の夜は、ひとときでも千金の値があると思えるほどすばらしい、という「春夜」という詩を残している。
春の夜は、楽しくもあり、寂しくもある。詩ではもの悲しい季節として、秋もさることながら春の宵は「寂寂」とした情感を醸し出す。
その代表詩がご存知の「春夜」である。

春宵一刻値千金
花有清香月有陰
歌管樓臺聲細細
鞦韆院落夜沈沈

現代訳では、
春の夜は、ひとときでも千金の値があると思えるほどすばらしい
花は清らかに香り、月はおぼろにかすんでいる
歌声や楽器の音が鳴り響いていた楼閣も、今はかすかに聞こえるばかり
ぶらんこのある中庭では、夜が静かにふけてゆく

春の夜は、管弦を聴いたり、花や月を愛でていると寂寂なる感情が湧き出てくる。それが春の宵の千金なのかもしれない。
そんな想像を巡らしながら、玉露の味を楽しんだ。





※おぼろ月夜の写真はYahoo画像より転載
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妄想って、実に楽しい。

2017-02-23 14:04:53 | 一茶庵「易社」
今回の稽古は「玉露」。久しぶりの玉露だった。出席者全員がそれぞれ3煎づつ淹れた。それぞれに味が明確に異なる。1煎目はまろやかで甘さを感じる。2煎目はまろやかさの中に渋みが感じられ美味しくなっていく。これが玉露の醍醐味である。

今回の稽古は、実に盛り上がりをみせた。理由は、写真のお軸の画から想像が膨らみすぎ、妄想へと広がり独自の解釈が生まれた。それにたどりつくまで笑いが止まらない。そのきっかけをつくったのが、稽古仲間の"うなぎ博士"といわれているおじさん。

いつものとおり、この画を観て、季節はいつごろ? 画に登場している人物はなにをしている? などと想像を膨らませていくわけだが、画を描く約束事を知らない者には想像すらできない。だから妄想へと走る。

宗匠が、我々の妄想を軌道修正しながら画の解釈を進める。解釈を進める中、おじさんたちは、まず "艶っぽいストリー?" という切り口から始まる。
それはさておき、季節を感じ取るものがなんであるかを見定める必要がある。この画からは、中央に描かれている「柳」が、そうである。柳の伸び具合と青々した柳に感じられるかがポイント。そして中国の古典からいうと柳は惜別を意味している。そのことを知って押さえていれば、登場人物がなにをしているのかが見えてくるはずなんだが、我々にはほど遠い。川があり橋がかかっているから老人が釣り楽しもうとしているイメージの画に見えるのである。

むかし若かりしころ、この橋を渡った向こう岸で、好きだった女性と別たときのことを思い起こし、その人はいまどうしているのだろう、というのがこの画の正当な解釈になる。
我々おじさんたちは、むかし話ではなく、いま老らくの恋を楽しんでいる姿だと切り返してみた。なら、そこで宗匠は、そうであるならば、「好詩向過橋」ではなく、いまの老らくの恋に変えていく賛を考えてみなさい、と。

そこで、"うなぎ博士" のおじさんが、見事な賛を生み出した。
「雨過青天到春風」とした。お見事!!
やはり艶っぽい話にしてしまった。


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