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ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

お茶と酒を混ぜたお屠蘇。

2018-01-18 17:28:46 | 一茶庵「易社」
煎茶の初稽古では、清酒が席にでることがある。言うならば「お屠蘇」である。
お屠蘇はご存知の通り、日本酒で生薬を浸けこんだ薬草酒の一種である。邪気を払い無病長寿を祈り、心身ともに健康を願い飲む、お正月ならではの酒である。

昔からお茶は薬草の一種とされている。そのお茶と清酒の組み合わせは何度か体験させていただいているが、昨夜は、また珍しい煎茶ののみ方を学んだ。

お酒の中に菊花弁が並々と浸っている(写真)。そのお酒を急須にとり炉にかけ温める。いわゆる温燗である。
それをいただく。一煎目である。お酒に菊花弁のまろやかさが加わり舌に残る。美味しい。

二煎目は、同じように菊花弁が浸かるお酒を急須にとり炉にかけ、そこに煎茶葉を入れ少し温める。
この組み合わせは、今までに賞味したことのないまろやかさが喉を覆う。

さらに三煎目が"妙味"。それは、湯のみに茶葉を直に入れ、それに菊花弁に浸かるお酒を少し沸かし注ぐ。これを口に含む、お酒の苦味、酸味に茶葉の甘味が絶妙な味を醸し出す。


見事な清酒とお茶の組み合わせである。
本来の「お屠蘇」を堪能させていただいた。














お菓子は干柿
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間違いが故事に。「漱石枕流」

2017-12-06 14:49:41 | 一茶庵「易社」
写真は、昨夜の稽古でかけられていたお軸である。
幾日霜風木葉乾,湖山深處水雲寬
閒情每向無人得,落日孤亭枕石寒
といった漢詩が書かれている。

風や霜がおり木の葉は乾いてる。
深い山、湖に雲が広がる。
この広いところに人の気配はない。
日が暮れひっそりとした小屋で石の枕が寒々しい。

旅人が一泊の野宿に立ち寄ったのか、また一人寂しく隠棲しているのだろうか。どちらにしてもその風景が想像できる。
詩中の「枕石(ちんせき)」という言葉が状況を推察するヒントになる。

中国の故事に、「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」という熟語がある。この意味は、自分の失敗を認めず、屁理屈を並べて言い逃れをすること。負け惜しみの強いこと。
この言葉は、三国志に登場する西晋の政治家である孫 楚が間違って、「枕石漱流」というべきことを「漱石枕流」と言い、間違えを認めず屁理屈を並べて言い逃れたことから、この「漱石枕流」がそのまま故事として伝えられることになったようである。

ご存知、夏目漱石は、この故事を引用し、雅号とした。漱石自身も、名前につけるくらいこの故事が気にいっていたことになる。つまり、自身も頑固で屁理屈が好きだ、ということになる。

昨夜は煎茶の淹れ方としては基本中の基本である、水から茶葉を煮る「煮茶法 」、湯から茶葉をにる「烹茶法」そしてその中間の「中煮法」の三種を楽しんだ。









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一茶庵の四天王寺煎茶会。

2017-11-20 14:37:11 | 一茶庵「易社」
文人茶一茶庵の第二回四天王寺煎茶会が昨日開催された。
会場は、四天王寺の本坊内にある茶室、和松庵と臨池亭の二箇所。和松庵では、"小西亭席"と称し玉露を愉しみ、臨池亭では、而懶社席として雁が音を淹れお客様をもてなした。

そして、午前と午後の間に、本坊では一茶庵佃一輝宗匠と、明尾圭造氏(大阪商業大学)並びに橋爪節也氏(大阪大学)が"上方を愛した文人"等についてトークショーが行われた。



















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費晴湖と李白の共演!

2017-11-17 10:00:24 | 一茶庵「易社」
19日の茶会の易社席に掛けられるお軸(写真)をみると、小舟二槽がゆるりと山河に浮かんでいる。

この画は、南宗画の大家といわれる「費晴湖」が描いたものである。清代中期に活躍した画家で、江戸時代中期に日本に渡来し南宗画様式の技を伝えた、という記録が残っている。
文人画らしい自由な表現で描かれているのが見てとれる。南宗画独特の大らかさがある。

その画の賛に李白の、あの有名な「早発白帝城」の詩の一節が書かれている。その原文が下記のものである。

朝辞白帝彩雲間
千里江陵一日還
両岸猿声啼不住
軽舟已過万重山

朝早くに、美しくあざやかな雲のたなびく中、白帝城をあとにした。
千里の彼方にある江陵まで(激流の川下りで)一日で帰ってきた。
両岸で鳴く猿の声が、まだ鳴きやまないうちに軽快な小舟は、いつくもの連なった山々を、すでに通過してしまった。

という解釈になる。
李白の心情をこの詩から読み取るなら、「千里江陵一日還」である。千里を小舟で一日で下れるわけがないのに、この一節では一日で下った、と書いている。リアル感よりスピード感を表現したかったのだろう。

左遷され赴任先に行く時の心境なのか、また赴任先から帰路につく時の心境なのか。つまりいままでの雑踏の俗界を猿の甲高い泣き声に例え、それからやっと逃れ、大河に辿りついた様を表現した内容のようである。

費晴湖が描いた画と、李白の詩が見事につり合っている。それをお客様に見ていただくことになっている。

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ドタバタ劇が楽しい。

2017-11-16 11:33:48 | 一茶庵「易社」
19日の日曜日は、私が通う煎茶流派「一茶庵」の内輪の茶会が大阪 四天王寺さんで行われる。
煎茶席の二席と、宗匠とその仲間の方々との煎茶談義席、つごう三席をお客様が巡回される。

その一つの席が、われら易社社中が担当する。易社のメンバーの中でも今回はオッサン3名が亭主とお点前するわけである。いつもながら宗匠の無謀な人選に苦笑する。

その稽古が昨夜あった。この易社は、おっさんのドタバタ悲喜劇で笑いをとる大阪らしさが売りである。
ご亭主が、大阪北浜 小西邸(コニシボンド)の大旦那。お点前のお道具一式は、大旦那が好きで収集したコレクションで、千年以上前の涼炉から中国南方地域の交趾焼の湯呑など様々なお道具が並んだ。
一見するとバラバラ感があるが、それがまたユニークで面白い。ご亭主はお軸からお道具までをお客様に解説する。その間に、私ともう一人が午前と午後に分かれお点前をする。

失敗あり、おとぼけあり、苦笑あり、大笑いありの茶会となるのは間違いないだろう。
それを良しとする一茶庵 佃宗匠のユニークさが伺える。



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