タイランド ファンタジア

タイランド　ファンタジア

陽水の海外旅行好きは、ファンの間では有名。出世作「氷の世界」のレコーディングでイギリスへ行ったのが初めて。その後、莫大な金を手に入れ、自由業として特に仕事熱心でない陽水は、海外旅行が趣味。どこへ行こうか決めないで空港へ行き、その場の思いつきで海外へ出掛ける。予定はない。
アジアをはじめとした海外を歌詞の題材にした「アジアの純真」が有名。他にも「なぜか上海」など、以前からアジアに興味はあった。この「タイランド　ファンタジア」はメロディーが美しく、歌い方もきれい。
日本は狭く、平均的庶民から外れる異端者には住みにくい。陽水は若いときから、それを「社会は満員電車だ。時刻表通りに進み、みんな同じ方向を目指す」と指摘している。世界中の観光客を集めるリゾートで安らぎを感じる陽水の姿が見える。タイをテーマにそれ以外のことまで、聞き終えると伝わる。隠れたテーマは、たそがれ、だ。歌手として若さを失いつつある自分に、「まだ歌える」と励ます妻の姿が見える。

アルバム「永遠のシュール」に収録。「ゴールデンベスト」にも、ライブビデオ「ユナイテッドツアーズ」にも収録。