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◆井上陽水と私◆2005年1月1日から2011年12月まで

マルチクリエイター。井上陽水と私。 独身氷河期世代。当時、ペンネームは夏風アザミルク。

画期的HDD技術

2007-05-12 17:23:07 | 化学
昨日の朝の日経に富士通が磁気ヘッドの改良の記事がありました。結晶酸化マグネシウムをヘッドに使って1平方インチあたり800ギガビットまで記憶容量が上がるそうです。

その記憶容量が予想外に大きいのでびっくりしました。
媒体(ディスク)もちろん垂直磁気記録方式です。
ヘッドは結晶酸化マグネシウムでトンネル効果を高めてあるそうです。

非常に薄い絶縁膜で区切られた読み取り素子(ヘッド)が媒体からわずかに外に漏れる磁場を感知する。
高速回転するディスクによって変化する磁場を電流として読むのだろう。
このときのトンネル効果とは絶縁膜によって電流が流れないように仕切られた一対の電極のあいだにわずかに流れる電流の増減を読み取りに利用するときの効果だと思われる。

つまり高密度記録向けヘッドは一対の電極の間を仕切る絶縁膜の薄さが決め手になる。

仕切る膜を薄く薄くしていくと絶縁が崩れて普通の電流が流れてしまう。

それを極限まで薄くしても絶縁されトンネル電流しか流れないような絶縁膜を開発したということだと思われる。


ちょっと自信ないかも。

結晶酸化マグネシウムとは初耳。

非常に薄い絶縁膜なら他の分野にも応用できそう。

結晶ってことは、電極の結晶の配列とマッチングがよほどいいんだろう。

ああ、これが私の限界。

はあ~びばのんのん。


松下電器プラズマに用いられたビスマス系誘電体

2007-03-06 21:19:14 | 化学
松下電器のプラズマテレビの広告をみた。
ガラスに挟まれた薄膜の鉛フリー化に成功しました。世界初です。

いろんな薄膜があるが、そのなかで
「誘電体薄膜」
を解説するぞぉ~。

鉛系誘電体は鉛とジルコニウムとチタンを中心にしたの酸化物だ。

鉛は融点が低いので鉛系酸化物は合成しやすい。
が、鉛は人体に有害で、最近は規制が強くなっている。

そこでビスマス系酸化物に変えたと広告で言っている。
ビスマス系は調整が難しい。
ビスマスの難しさは融点が高く、合成の温度を鉛系より150度以上高くしなくてはいけない。
この高温の熱処理は周りの薄膜を壊しやすい。
また合成中に他の成分と混ざり合わないビスマスのせいで性能が下がったりする。
ビスマスは熱処理してるときのガスによっても性能が大きく変わる。

合成にちついて、もっと詳しくいうとビスマスを含むいろいろな成分を混ぜたままでは誘電体になっていない。
熱処理をしていくと成分の配列が変わって誘電体になる。だから熱処理が誘電体には非常に大事なのだ。


この厄介なビスマスを【安定剤】を加えて調整したのが今回の松下電器のプラズマテレビの要素技術なのだ。


この【安定剤】はなにか?

調べてないのでわからないがレアメタルまたは有機化合物だと思う。

熱処理合成をスムーズに進ませる金属を加えたのかもしれない。



製造方法は
誘電体はビスマスなどの有機金属化合物を溶媒に溶かしてガラス上に焼き付ける方法と思われる。この化合物や溶媒にも工夫がある。この化学溶液のなかの安定剤かもしれない。溶液が不安定なのもビスマスの欠点だからだ。有機安定剤は非常に種類が多く、化学の専門家でも一番難しい技術だ?松下電器のような電機メーカーの技術者が思いつくようなレベルではないと思う。


ほかにも特許を調べてみると、いろいろな会社から様々な技術が出されている。
前述の熱処理中のガスの成分や熱処理温度と時間を最適にした技術もある。

薄膜を重ねるときの洗浄方法など興味深い。


別のメーカーでは、同じような誘電体技術をつかうFeRAMも最近出荷量が増えている。

長かったがようやく実用化されたんだねえ。


ではまた。
はああああ、びば、のんのん(^-^)ノ~~


軟質金めっきの指針

2006-12-17 09:48:13 | 化学
軟らかい金めっき作製の指針
熱処理と結晶粒子の視点から


軟らかい金属と固い金属がある。
金は軟らかいものの代表だ。
その中でも、固い金、軟らかい金がある。
電子材料で使われる金めっきは、しばしば固さが議論される。

固さとは
針先を押し当てて、できた凹みの大きさを測ることで固さを評価する。
同じ力で大きな凹みが出来れば軟らかいということ。

金の軟らかさとは
同じような金でも固さが違う。それは、
結晶粒子の大きさ
不純物の量と種類
結晶内部の歪み
が関係する。

軟らかくするには
大きな結晶粒子
ピュアな金
歪みのない結晶
をめざす。

軟らかい金めっき
ゆっくりとめっきを成膜する
不純物の入りにくいめっき液にする(添加剤)
高温でめっきする

ところが、
熱処理と固さ
金めっきはめっきしたままでは固くても、熱処理をすると軟らかくなる。
結晶の粒子が大きくなったり、内部の歪みが開放されるのだ。

熱処理をすると
熱処理で金が変わる原動力は
金粒子が小さいこと
結晶に歪みが大きいこと
である。つまり固い金めっきのことだ。

添加剤
 やわらかくするため、熱処理のために向けて、
ピュアにする方向と適切な添加剤を探す方向が考えられるが、
添加剤は難しすぎるのでここでは紹介できない。

結論
熱処理と金めっき
つまり、軟らかいめっきを作る指針には、二通りあって、
1、ゆっくりと丁寧に最初から軟らかいめっきを作る
2、最初はわざと固いめっきを作り、それを熱処理して急激に軟らかくさせる。

以上は、学生時代の聞きかじり知識で、間違いや足りない点もあるかもしれませんが、ご容赦を。
理系の大学とは、こんなことを考えているんだという紹介です。