キャッチフレーズは「#俺のおむつ交換台」――。親子連れが多く利用する商業施設などの男性用トイレにおむつ交換台の設置を求める署名活動が、ネット上で広がっている。育児中の男性から「子どもとお出かけする時におむつ交換台がなくて困ったことがある」などの声が上がっており、活動開始から約1カ月半で1万筆を超える署名が集まった。

 署名活動を企画したのは、性別による夫婦間の役割分担をなくそうと活動する市民グループ「babystep(ベビーステップ)」。アメリカで近年、同様の「おむつ台設置」キャンペーンが盛り上がっていることを受け、9月1日にオンライン署名サイト「change.org」で呼びかけを始めた。キャッチフレーズの「#」はツイッターのハッシュタグ(同じ話題の投稿を探すため、キーワードの前に付ける記号)で、多くの体験談を集めることで共感の輪を広げている。

 集まった署名には、「男性トイレにおむつ交換台がないので、個室のトイレのふたに子供を立たせて交換している」「双子の子がいて、1人でおむつを替えるのは大変」「父親も平等に子育てする権利がある」「シングルファーザーのためにも設置した方がいい」などのコメントがみられる。

 同グループのメンバーで大阪市の会社員、早川菜津美さん(31)は夫と育児を分担しているが、外出先では男性トイレにおむつ交換台がないケースが多く、常に早川さんがおむつを交換している。「せっかく育児をシェアしているのに残念。男性トイレにおむつ交換台がないことは『女性が子育てするものだ』という偏見を助長する」と言う。おむつ交換台は女性トイレか多目的トイレにあることが多く、ある男性のメンバーは「自分1人で2人の息子を連れて出かけた時、おむつ交換台のある多目的トイレを探さなくてはならず、とても苦労した」と話す。

 署名の目標は1万筆だったが、反響が大きいため、今後も継続する。同グループは「店舗の中でも、家電量販店はショッピングセンターや百貨店に比べ、男性トイレのおむつ交換台が少ない印象がある」として、集まった署名を家電量販大手のヨドバシカメラに提出する予定。ヨドバシカメラは一部の男性トイレを除いて、女性トイレと多目的トイレにおむつ交換台を設置しているという。

 早川さんは「東京五輪や大阪・関西万博を控えた今、人が多く集まる店舗が変われば、社会も動いていくのではないか」と期待している。【竹内麻子】

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実際、赤ちゃんをひとりで世話するお父さんを見る機会が増えました。そんな時代ですから、男性トイレにおむつ交換台は必要です。

改修・改築の際には、男性トイレにおむつ交換台をつけるように関係各位にお願いしたいものです。