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「『八紘一宇』は、侵略思想ではない」と東京裁判は判決を下した

2015年04月05日 03時44分34秒 | 時事放談: 国内編

勉強になります。記録しておきましょう。

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【正論】三原じゅん子の「八紘一宇」発言 その本義とは… 大原康男国学院大名誉教授
産経新聞 2015.4.3 14:30

 少々旧聞に属するが、3月16日の参院予算委員会において、多国籍企業に対する課税問題を取り上げた三原じゅん子参院議員(自民)が「現在の国際秩序は弱肉強食だ」と指摘した際に、「八紘一宇」という語に言及したことが論議を呼んでいる。

『日本書紀』神武伝承がルーツ

 漢和辞典によれば、「八紘」は「天地の八方の隅」の意で、転じて「全世界」を意味し、「宇」は「軒」または「家」を指す語で、「八紘一宇」は「世界を一つの家にする」というのが原義である。

 三原議員はこれを「日本が建国以来、大切にしてきた価値観である」と述べ、この理念の下に「世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用していくことを確認する政治的合意文書のようなものを、安倍晋三首相がイニシアチブを取り、世界中に提案していくべきだ」と主張したのだが、この発言が一部の報道やネットで問題視されたことが発端となった。

 周知のように、もともと「八紘一宇」は『日本書紀』に記載されている第1代神武天皇の即位建都の詔の一節「八紘(あめのした)を掩(おほ)ひて宇(いへ)と為(せ)むこと、亦(また)可(よ)からずや」(原漢文)に由来する。したがって、本来は「八紘為宇」という四字熟語だったのだが、近代における在家仏教運動の先駆的唱導者として知られ、日蓮主義に立つ宗教団体・国柱会の創設者である田中智学が、これを基にしてより語感のよい「八紘一宇」という標語を工夫したことから広く世間に知られるようになった。

 以上、この語の来歴を概略説明したように、「八紘一宇」は『日本書紀』の神武伝承がルーツだから、総じて国内の統合を強調する思想的文脈で語られてきたのだが、昭和前期にわが国の対外政策に関わる基本理念として用いられ、公文書にもしばしば登場するようになる。

 たとえば、昭和15年に第2次近衛内閣が策定した「基本国策要綱」には「皇国ノ国是ハ八紘ヲ一宇トスル肇国(ちょうこく)ノ大精神ニ基キ…」との一節があり、同年の日独伊三国同盟成立に際して発せられた詔書は「大義ヲ八紘ニ宣揚シ坤輿(こんよ)ヲ一宇タラシムルハ…」という文書で始まっている(「坤輿」は「大地」の意)。さらに、翌16年4月から開始された日米交渉で日本側が提示した日米諒解(りょうかい)案でも「両国政府ハ各国並ニ各人種ハ相拠リテ八紘一宇ヲナシ等シク権利ヲ享有シ…」とある。

論議が行われた「東京裁判」

 こうした履歴があったためであろう、敗戦の年の12月15日に連合国軍総司令部(GHQ)が日本政府に交付した「神道指令」(国家神道を廃止し、国公立学校における神道の教育・研究を禁止することを主たる目的とする)において、「八紘一宇」は「大東亜戦争」とともに「軍国主義、過激ナル国家主義ト切リ離シ得ザル」語として公文書で使用することが禁止された。この見解を今もそのまま諾(うべな)って「アジア侵略を正当化する理念だった」(「東京新聞」平成27年3月19日付)などと断定する手合いがあちこちに見られる。

 これは第二次大戦終結直後から連合国によって峻厳(しゅんげん)かつ徹底的に進められた“非ナチ化政策”の一つであるナチス・イデオロギーに関わるキーワード-たとえば「指導者民族(ヘレンフォルク)」「生存圏(レーベンスラウム)」など-の排除を範とした施策であろうが、この「八紘一宇」に関しては、これまでほとんど知られてこなかった実に興味深い事実がある。

 先記した「神道指令」の作成に際して、GHQの草案起草者がこの語の意義について詳しく調査した形跡はない。ところが、いわゆる“A級戦犯”を裁いた「東京裁判」ではかなり突っ込んだ論議が交わされたことが、裁判の「速記録」から窺(うかが)われる。

 それは「八紘一宇」に充てられた訳語が多様なことからも分かるが、eight corners of the world under one roof のような直訳は僅かで、概ね making the world one homeといった翻訳がなされている(参考 横溝光暉『東京裁判における八紘一宇』)。

「侵略思想ではない」

 最も注目すべきは判決文である。判決は「八紘一宇」は「帝国建国の理想と称せられたものであった。その伝統的な文意は、究極的には全世界に普及する運命をもった人道の普遍的な原理以上の何ものでもなかった」と明言しているからだ。

 東京裁判で日本人弁護団の副団長を務めた清瀬一郎は、事実問題で立証に成功したのは「八紘一宇は侵略思想でないということ」のほかには一件あるだけだと回顧している。一方、裁判官においては日米交渉の出発点で提示された日米諒解案での「八紘一宇」の訳語である universal brotherhood が印象深かったかもしれない。

 こうした経緯を鑑(かんが)みれば、「八紘一宇」が国策に利用された過去があったにしろ、その本義を踏まえた上で今日的な文脈で捉え直した三原議員の発言を頭から否定するのは、言論の封殺に繋(つな)がると言わざるを得まい。(おおはら やすお)

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まず驚いたのが、普通のMicrosoft IMEを使っているのに、「はっこういちう」と入力したら、「八紘一宇」ときちんと変換してくれたことです。どうやらマイクロソフトはこの言葉が好きなようです(?!)。

冗談はともあれ、英語の教員として勉強になったのは、「八紘一宇」の英訳語が、3つもあったことです。

 (1) eight corners of the world under one roof
 (2) making the world one home
 (3) universal brotherhood

中国人と韓国人を除いた外国人には、 (1)「ひとつの屋根の下にある世界の8つの隅々」を直訳として頭に入れておき、その意味は(2)「世界をひとつの家にすること」であり、真意は(3)「普遍的兄弟関係」にあると説明すれば、「八紘一宇」の意味をわかってもらえそうです。

この英訳語をみれば、戦後、笹川良一氏が「世界は一家、人類みな兄弟」と説いたのが「八紘一宇」の精神であったことがよくわかりますす。

ともあれ、東京裁判の判決で「八紘一宇」が侵略とは関係なかったとされていることを大原康男教授が思い出させてくれたのは、ありがたい限りです。

にもかかわらず、東京裁判が大好きな東京新聞や朝日新聞が平気で東京裁判の判決を無視するのですから、あきれはてます。大原教授のこの指摘をそうした左翼新聞の記者たちは反省しながら読むべきでしょう。まあ、赤っ恥をかいているのに、知らん顔をして、また捏造記事を書き続けるのですから、われわれは用心しないといけません。嘆かわしいことではありますが。


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