JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

ロアルド・ダール 柳瀬尚紀・訳 「チョコレート工場の秘密」

2006-01-13 | BOOK
昨年の映画で見たかったのは、やはり「チャーリーとチョコレート工場」
何度もHero-Nに「行かないか、面白いゾ」と誘ったが、
「映画は長いからイヤ」と振られてしまった。
親だけで、または1人でも見に行こうかとも思ったが、レンタルになったら家族で見ようとあきらめました。


原作はロアルド・ダール。
ロアルド・ダールを読むのは久しぶりだ。
中学生のころ短編集「あなたに似た人」が大層、気に入り、方々に推薦した覚えがあります。「南から来た男」いいですよね。

今回は訳者、柳瀬尚紀の自信作(訳)
登場人物の名前を変える等、苦労して原作のユーモアに近づけようとしています。賛否両論でしょうが、名付けのセンスは兎も角、やろうとしている事は大賛成。
ウンパッパ・ルンパッパ人の歌の2音脚韻も自信作(訳)だが、メロディーが想像できないので、全部、今流行りのラップミュージックに感じてしまったゾ。Yo!Yo!

翻訳には所詮、限界があります。ブラック・ユーモアは尚更。原文で読む方が良いのでしょうが、日本人が原文で読んでも、やはり限界があるでしょう。言葉の壁と文化の壁が立ち塞がる。

しかし、そんな事はあまり気にしなくてもいい。何故って、日本語で書かれた物だって、作者と読み手の知識、感性の壁があるのですから。どこまで理解しているか、楽しめているか、わかったものじゃない。

「モンティ・パイソン」だって本当の面白さの70%しか理解できなくっても、今野雄二の解説を頼りに、腹かかえて笑ったもんです。

少しでも忠実に伝えたいとう訳者の心意気を買いたい。

しかし、このラスト、ハッピー・エンドと考えていいの?
まだ続きが書けそう。

以下ネタバレあり。

4人の卑しくも下品な子供たち。それに対して貧しくても優しい心のチャーリー・バケツくん。前半の貧困の表現や黄金のチケットが当たるんじゃないかという微かな期待感のシーンがとても好き。


工場見学になったら、奇想天外、荒唐無稽、痛快痛快!

腑に落ちないのは貧しくとも心優しいチャーリー・バケツくんは拾ったお金をネコババして買ったチョコレートで黄金のチケットを当ててしまう。
日本では、こういった場合おまわりさんに届けなくてはいけない。
芝浜のおかみさんだって、心配して大家さんと結託して拾った皮財布は夢だったことにして、亭主の間違った行動を食い止めた。

卑しい子供たちが工場内で次から次と姿を消し、心優しいチャーリーくんも最後には姿を消してしまう。「なぜ、うちの孫までこんな目に!」と詰め寄るジョウじいちゃんに
ワンカ氏「チャーリーも他の子同様、卑しいネコババ野郎だろが!」なんてラストを想像しながら読了・・・・

この物語をティム・バートンが料理してジョニー・ディップが演じる。
これは絶対見逃せない。レンタルする前にいきなりDVDソフト買っちゃおうかな。




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