JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

西村賢太 「形影相弔・歪んだ忌日」

2016-02-17 | BOOK
「形影相弔・歪んだ忌日」西村賢太 新潮文庫

形影相弔

青痣

膣の復讐

感傷凌轢

跼蹐の門

歪んだ忌日


久しぶりに西村賢太の文庫本。相変わらず薄い、解説入れて161頁読了。
今までは、芥川賞を取る前に書かれた単行本の文庫化だったけれど、いよいよ芥川賞受賞後の私小説が入ってくる。
この短編集には例の秋恵もの「青痣」や、中卒で無軌道な一人暮しを始めた頃など「跼蹐の門」に混じって有名になった北町貫太が題材のものが含まれる。
西村賢太自体は根がどこまでも○○な奴ですから、何も変わっちゃいないのだろうけれど、どうしたって周囲の環境は変わってくる。その戸惑いの様子って事なんだけどね。これがどうにも。こっから難しい、正念場を向かえているのかもしれません。
やっぱり時代的には秋恵ものなど、売れてない頃の話の方に、より魅力を感じますな。
そんな中にあって、有名になった事により絶縁の母親からの手紙が来た話「感傷凌轢」はなかなか興味深いですな。
「青痣」が秋恵ものとしてのパワーがやや低い(幸福な晩餐を伴わないせいもあるのか)のが気になるが、その分「跼蹐の門」が最高に良かった。
中卒だから進学した奴らより先んじて童貞喪失をしなければならぬという意地の思い。しかし、なかなかままならないダメさ。




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