生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

「貧困ビジネス」と医療業界

2010-06-30 17:55:57 | 日記

 あの湯浅氏が作った「貧困ビジネス」なる言葉が浸透してきています。中でも、生活保護受給者の医療扶助費が急増しています。大阪市では、2008年度の医療扶助費が1,129億円に上ったということです。
 危機感を感じた大阪市はその要因を追求すべく調査しました。調査結果は、患者の95%以上を生活保護者が占める医療機関は72箇所、内100%が生活保護者の医療機関は34箇所 ということでした。つまり、生活保護受給者に特化した医療機関が多数存在するという現実です。

 これは何を意味するのでしょうか。ここから何を読み取るべきなのでしょうか。

 ・ホームレスを敬遠する医療機関が多いなかでの駆け込み寺としての善意の医療機関なのか。
 ・そこには、生活保護者と医療機関を結ぶ悪徳仲介業者が存在しているのではないか。
 ・大阪市に限った話なのか。
 ・行政のチェックが甘いのではないか。

 私の結論は、生活保護制度を悪用した最悪の貧困ビジネスだということです。大和郡山市の山本病院の例が典型かと思います。

 「闇の勢力」と言ったほうが明確です。これと共謀した医療機関が存在するという現実は、恐ろしいとしか言いようがありません。
 
 今日に限っては医師会は無関係です。ただ言えることは、医師に限らず誰でも、腋が甘かったり、魔が差したり、付け入る隙を与えたりするものだということです。呉呉も気を引き締めておいて下さい。

 上に指摘した点ですが、本当に大阪市限定の話ではないと思います。山本病院も遠く離れた大和郡山市でした。ここ生駒市でも同じ構図が既に進展している可能性もあることを認識しておく必要があるでしょう。  

 


被害者論では国民は救われない

2010-06-26 21:53:41 | 日記

医療崩壊についての議論が盛んです。それはそれで結構なことですが、私が杞憂するのは、その大概が被害者意識の議論です。責任ある立場の人間が被害者発言です。場合によっては、しらっとした第三者的発言をします。

開業医も勤務医も院長も医師会も、更には厚労省までもが責任を他に押し付けるような主張を繰り返しています。

勤務医 なかでも小児、産、救急の悲惨な状況が何故起きたのか。根源的な原因追求もしないまま、また責任追及をしないまま小手先の対策に汲々としています。

厚労省の無策なのか、文科省の医師養成システムの不備なのか、医師会横暴なのか、、医療機関経営のお粗末さなのか、個々の医師の問題なのか国民側の手前勝手なのか。全く不明です。

30数兆円の医療費は行き着くところ全てが国民負担です。消費税の増税で、増加する医療や介護の費用を賄う方向になっているようですが、とんでもないことです。原因究明も抜本的対策も将来のグランドデザインも示さないまま、負担だけして欲しいなんていう話は通りません。

閉塞感と手詰まりの医療業界ですが、被害者意識に捉われない新規参入者が今こそ期待されますし、またそういう業界だからこそ、旧弊打ち破るパイオニアが出現するのです。なんせ30数兆円のマーケットです。

関東の中央医科グループや徳洲会などは、その先駆け的な存在かもしれません。
次は、資金力のある総合商社あたりが本気で参入してくるかもしれません。従来は周辺分野に甘んじていましたが、医療本体分野への参入の可能性は大です。既に実質的に支配している病院も多数存在しています。
その場合は、医療法の改正もありでしょう。株式会社立病院の解禁です。混合診療も解禁でしょう。ただし、医療費がどこまで抑えることができるか 又勤務医をはじめとしたスタッフの満足度がどれだけ上がるかは新規参入者の腕次第です。それがで可能となるビジネスモデルなら、行政の意向とマッチし爆発的な全国展開となるでしょう。

ここまで崩壊した医療業界の建て直しには、既存の医療関係者だけに任しておくわけにはゆかないという筋論が通るでしょう。国民の理解も得られることでしょう。

”ご破算で願いましては” という時代に突入しました。
少なくとも、責任をとるべき立場の人間が被害者発言をする という見苦しさからは国民も脱却できます。

 


独占禁止法に抵触か

2010-06-23 21:20:47 | 日記

 今日は、医師会活動と独占禁止法に触れてみたいと思います。私自身は、独禁法の”ど”の字にも触れようがない業界に居た関係上些か音痴ではある点、先ずもってお断りしておきます。

 さて、公正取引委員会は医師会活動と独禁法との関係について次のように述べています。
 「医師会特に地区医師会の活動については、いわゆる医療機関の適正配置に関する活動等に関し、独占禁止法違反とされた事例もあり、当委員会は、……参考例を挙げつつ、具体的に明らかにすることにより…未然に防止しようとするものである。」
 そのうえで、新規開業等の制限に関する行為として原則として違反となるものを列挙しています。

1-1 新規開業をしようとする者に対して、規約、内規等により特定地域における医療機関の数の制限その他の基準を設け、その開業を不当に制限すること

1-3 新規開業をしようとする者に対して、その近隣の既設の医療機関の開設者との間の調整を行い、調整に従わない場合には、新規開業をしようとする者の入会を認めないこと

 こうした介入や調整・制限については、さすがに医師会としても自粛した形はとっているものの、それは表面上だけのもので、未だに実質的に行われているのが実情です。
 対して、歯科医師会は20年以上も前から自ら独禁法違反を認めています。

 そこで、生駒市立病院開設案件です。
地元医師会には、ここで言う生駒市民病院開設への「不当な制限」は無いのでしょうか。「開設者との間の調整」はやっていないのでしょうか。
 問題なきにしもあらず というか大問題です。大問題でもある独禁法違反にオーソライズを与えたのが 生駒市議会 です。議会自らが法律違反の共犯者ということになります。市長は行政の長として、大所高所の判断で独禁法違反での提訴を行う意向はないようです。そもそも独禁法違反の疑いのある事前調整は疑義あり と明言しています。賢明な判断だと考えます。

 昨日の「モンスター記事」ではありませんが、これだけの特権を握るモンスター医師会であるがゆえに、本来ならば自らの言動を慎むべきであることを医師会に教え諭すべきところを、むしろそれに輪をかけてその特権を極大化してしまったのが市議会守旧派議員なのです。「スーパー・モンスター」とでも言ったらよいのでしょうか。
 生駒市病院事業推進委員会における医師会代表への拒否権付与を条例に盛り込んだことがその最たるものです。 

 市民も患者も置いてけぼりです。次回の推進委員会もどうなりますやら…。

 でも、皆でウオッチしましょう。そして理不尽には声をあげましょう。

 


モンスター

2010-06-22 20:39:26 | 日記

 教育関連では「モンスターペアレント」とか、医療関連では「モンスターペイシェント」とかいった言葉が日常茶飯事になってきています。様々な業界でモンスターなる者が跋扈していることを憂慮するとともに、そもそもモンスターとはどの程度の異常さを指しているのかが曖昧なまま、言葉だけが独り歩きしている点も憂慮するものです。
 私が勝手に思うに、モンスターは弱者だからこそモンスターなのではないか ということです。強者がモンスターならば、あらゆる関係者から非難の集中砲火を浴び袋叩きに合うことでしょう。
 もちろん、弱者でもないのに弱者の振りをした本物の強者(場合によっては法律枠外の)モンスターが存在します。これこそが糾弾されるべきモンスターなのだと思います。

 私の個人経験の中でも、”今から思えばあれがモンスターだったのかな”と思える顧客が結構いました。当時はそういう特別な認識もなく、クレーマーへの当然の対応として処理したものです。始末に終えない本物モンスターは精々1%くらいだったでしょうか。

 という前段を踏まえて、いつものご批判の多い医師会批判を独断と偏見で展開します。
 医師会日本医師会、都道府県医師会、郡市医師会は、モンスター・ステークホルダーだと考えます。医師会は、国・都道府県・市区町村のステークホルダー(利害関係者)です。国民・市民以上の最強のステークホルダーです。
 しかも上述した強者の立場のモンスターでもあります。弱者側のモンスターなら可愛げもあるのですが、行政の生殺与奪権さえも持ったモンスターなのですから、可愛げも何もあったものではありません。
 医師会サイドはモンスターペイシェント批判を繰り広げていますが、自分自身が本物のモンスターだという認識は一切持ち合わせていないようです。いや違いますね。
モンスターと自覚したうえで、被害者の振りをしているだけなのでしょう。始末に終えません。でも、ペイシェントかもしれません。それも精神科もしくは心療内科でしょうか。お医者さんでもなかなか自己診断がつきにくい病気だと思います。

 話が散漫になりました。以下私見を纏めておきます。
 1.医師会は、地方行政における最強のモンスター・ステークホルダー(だから行政側も強気に出られない。ただし生駒市は違いますよ)
 2.それも、強者としてのモンスター(無恥な弱者モンスターなら可愛げもあるし対応も可能)
 3.しかし、自らは弱者・被害者の立場を訴える(厚顔無恥か、病気か)
 4.こうした異常なモンスターに対抗する術は、残念ながら今の日本には存在しない(中医協外し等 民主党政権ではある程度進むも、焼け石に水。日本相撲協会と共に、公益法人剥奪も視野に)
 


第6回生駒市病院事業推進委員会

2010-06-18 16:18:12 | 日記

 第6回生駒市病院事業推進委員会が、昨日夜9時から開催されました。
 その場での医師会代表委員の発言は、常軌を逸した余りにもひどいものでした。その一部を紹介しておきます。

1.”素人の市民公募委員が…”(これは前回の発言です)
2.”市民公募委員の選び方も不審”
3.”前回委員会開催前に市民公募委員が立ち話をしているのを聞いた。「敵が」とか言っていた。こんな委員と前向きの議論はできない”
4.傍聴人に対し、うるさいと医師会委員が叱責

 市民公募委員の方々は、余りにもお粗末な医師会委員の発言に対して一部謝罪を求めましたが、無視されました。市民委員側は、ゴロのような余りの酷さにただただ唖然していたように感じられました。またそもそも反論に値するものではない、と冷静に判断された上で反論も慎まれたのでしょう。
 一方傍聴人はといえば、医師会委員の先祖帰り・蒸し返しの議論や間違いやこうした酷い発言に対して、失笑を禁じえなかっただけの話で、医師会委員から叱責されるような性格のヤジでもなんでもありませんでした。各傍聴人の名誉のためにも一言言っておきます。

 いずれにしても、諮問委員会である以上、相応の見識と品性を持って議論をして頂きたいものです。全国の笑いものになりかねません。

 本筋の話に戻します。
医師会の主張する市民病院は、民間がやりたくない赤字医療・政策医療だけをやるもの。結果経営が赤字になるのは仕方のないこと。それは市民が負担せよ。簡単に言えばこんなことです。

 これこそ 99%が行き詰まっている全国公立病院と同じ轍を踏まそうとするものです。時代錯誤、勉強不足、経営感覚皆無、納税者無視、自己中 の低レベルで最初から検討に値しない話だと思います。

 所詮医師会は自らの「利益擁護団体」であり、今進行中の公益法人制度改革では、このままでは公益を外される可能性の高い実態的には「一般法人」のようですから、仕方のないことと諦めていますが…。

 今更ながら、こうした医師会の代表3名に拒否権を与えた生駒市議会には、猛省してもらう必要があると考えます。