生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

医師臨床研修制度の影響はどんなものか

2010-01-31 16:49:12 | 日記
 平成16年に「医師臨床研修制度」がスタートしました。
医学部卒業後、さらに2年間臨床研修をやってもらうことにしました。従来はこうした研修制度は無く、臨床研修は専ら医科系大学の付属病院で行われてきましたが、この新制度では、大学病院以外の病院でも研修が受けられるようになりました。
 昨年実績で見ると、大学病院の研修医数は50%以下になっています。医学部を卒業した半数以上が、大学病院以外のところで研修を受けていることになります。何故こんなことになっているのかはここでは説明しませんが、大学側と学生の両方に要因があるのでしょう。
 で、結果として困るのは大学です。今まで傘下の公的もしくは民間の病院に医師を派遣してきたわけですが、派遣できる手駒が半分に減ってしまいました。
 私の住む奈良県には、奈良県立医科大学があります。入学定員は105名です。落第が無いとすれば105名が臨床研修に入るわけですが、県立医大で臨床研修を希望する学生は、昨年のマッチング結果では51名に過ぎませんでした。
これで、奈良県内の病院に充分な医師派遣ができるのでしょうか。とても心配です。
 東大のように大学定員以上の研修医を受け入れるところもあれば、本当にこれでいいの?といった大学もあります。また、民間病院でも相当数の研修医を受け入れているところもあります。ただし、単に多ければ良い ということでもありませんので、誤解のないようにお願いします。
 興味のある方は、厚労省の臨床研修制度の資料をご覧になったら良いと思います。
 いずれにしても、この新制度がこれからの医療業界にどんな影響を与えてゆくのか、目を離せません。
 以上、独断と偏見のお話でした。
 よって、読み方にはくれぐれもご注意ください。
 

医療の自由競争時代が来るのか?

2010-01-30 20:11:53 | 日記
 資本主義社会においては、どんな業界であれ自由競争が基本です。どこの誰でも業界への参入に制限はありません。良い悪いはあっても実力の世界です。
 しかし医療の世界は別なのです。専門知識が乏しくても腕が悪くても、医者は医者です。いくら知識や腕があっても、医師免許を持たない人間は参入できないのです。
医療法や医師法によって、業務独占や名称独占が謳われているからです。
 それはそれとして、医療もサービス業の一つであることは事実です。であるならば、病院や開業医が生き残りを掛けてより良いサービスを提供することが当然だと考えます。良い意味での”競争”で、それこそが患者にとって有難いことです。
 しかしながら、医療業界では競争があるようで無いのです。それは、広告の制限も影響しているでしょう。また、医師のプライドもあり「私の診療所は近くのA診療所より良い治療をしますよ」とか、「私は旧帝大医学部卒業だが、近隣のC院長は新設市立医大出にすぎません」といったネガティブキャンペーンもしません。さらには診療報酬も関係しているでしょう。診療報酬は公定価格のため、勝手に値引きもできません。「この診療所は安いですよ」といった宣伝ができないのです。一方医師数の不足の問題もあります。
 医者の知識や腕が患者には一切不明で値段も同一 ということになれば、患者はどこの医者に行けばよいのか迷ってしまいます。素人同士の口コミも余りあてにできません。「情報の非対称性」という言葉が医療業界ではよく使われます。ここまでの話にもそのまま使ってよい言葉です。患者側の情報が医者に比して余りにも少なすぎるのです。
 さて話は全く飛躍しますが、医師資格さえあれば病院(20床以上のベッド)が自由に開設できる時代も、いつかは来るのかなと思っています。
  *なお、診療所(19床までの有床診療所も含む)は現在でも自由開業制ですが、地元   医師会のコントロール化にあり、結構不自由な自由開業制です。
開設者の責任で好きなように開設でき、混合診療も自由、広告も自由 といった病院や診療所が出来れば面白いなと思っています。実現性としては目先は無理としても、近い将来は結構現実性をもって議論されているかもしれません。変な業界団体や厚労省行政を考えると、この方がすっきりするなと思います。
 しかし一方で大事なことは、患者側の賢さです。今までと同じような医者任せの姿勢では、良い医療の選択は決してできません。自由競争時代が来るかどうかは置いといて、先ず現在の私達患者自身が医者を見分ける目を養う努力や勉強をしましょう。これだけでも、医者の言動は相当変わってゆくと思います。
 ということで、本日の独断と偏見はこの辺で。
 最後に、このブログの読み方にはくれぐれもご注意ください。

生駒市長に山下真さんが再選

2010-01-29 20:25:15 | 日記
 去る1月24日に生駒市長選挙があり、現職の山下真さんが圧勝し再選されました。
今回の市長選の最大の争点は生駒市立病院でした。山下さんが進めてきた「公設民営」「指定管理者を徳洲会」の主張が生駒市民の賛同を得たことになりました。とんでもない市民病院にならなくて本当によかったな と胸を撫で下ろしています。
しかしながら与党は市議会では少数派です。今後の議会の動向が注目されます。
 以下は私見です。適当に聞き流してください。
民間病院で本当に実力のあるのは、日赤、済生会(共に敢えて民間と言います)、中央医科グループ(関東中心)、徳洲会の4つと考えています。日赤は法に基づく特殊法人、済生会は恩賜財団で公的法人と位置づけられていますが、そこいらの民間医療法人以上の経営感覚を持って病院経営を行っています。もし日赤や済生会が生駒市民病院の指定管理者になっても、徳洲会並みの経営感覚で黒字経営を徹底すると思います。黒字経営は医療業界でも当然のことなのです。むしろ、世襲制で旧態依然とした純民間病院こそが、経営努力を怠っているのです。市民病院だから赤字は当然だ・赤字部門こそ市民病院が担うべきだという意見が市民の一部(実は、医師会が言っているのですが…)にありますが、とんでもない話です。
そこいらの民間病院や開業医の「楽して儲ける」実態はまたの機会にお話しします。今日はここまでにしておきます。
 
 これは独断と偏見のブログです。今後とも気をつけてお読み下さい。