生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

(財)生駒メディカルセンター の存在意義は?

2010-10-17 20:50:22 | 日記
生駒市には、「財団法人生駒メディカルセンター」という外郭団体があります。
昭和56年設立で、生駒市と生駒市医師会が各1百万円を出資した法人です。現在は夜間・休日診療を行っています。
設立当初の経緯は、医師会会員数が少ないなかで輪番制の休日・夜間診療は余りにも過酷だということで、医師会が当時の市長に泣きついた形でやむを得ず当センターを開設したようです。

開設当初は、医師会会員の開業医が診療に当っていたようですが、現在はどこかの医科大学の医局から不定期に医師派遣がされており地元開業医は殆ど診療には関係していないようです。
小児科医師も常駐ではありません。また便利使いをする患者側の意識も問題が指摘されているようです。

経営状況は、一次・二次委託料や広域二次委託料(約61百万円)は仕方ないとしても(*本当は議論のあるところですが)、約1億円の赤字になっています。これは一般会計からの拠出であり市民負担です。

当方人設立後既に30年を経過しました。医療を取り巻く環境も当初と随分変わってきています。そろそろ見直す時期にきているのではないでしょうか。

私の意見は、当メディカルセンターは”廃止”です。

因みに、生駒市行政改革推進委員会の判断は、「夜間・休日に特化し縮小すべき」のようです。これは重みのある判断であり私は評価します。

以前にも述べていますが、当メディカルセンターを頼みではなく、地元開業医自身(もしくは医師会)で一次急救急を確固たるものにして下さい。当メディカルセンターは元から無いものとして、地元開業医で輪番制を早急に立ち上げて下さい。その上で二次救急病院に患者を回して下さい。
メディカルセンターに丸投げし、開業医の休日・夜間は診療は”我関知せず”の意識では医療再生は絶対にありえません。

3年半後には生駒市立病院が開院します。その暁には、当メディカルセンターは存在価値は無くなっています。その時こそ、(医師会とは言いませんが)開業医の存在価値が問われるのだと思います。
今からでも決して遅くはありません。
地元開業医のみなさん、3年半後を想定して今日からでも意識改革をしようではありませんか。そして市民のためにも、少しでも早く行動を開始しようではありませんか。
市民病院は開業医の皆さんと「共存共栄」のはずです。
また、開業医を束ねる医師会さん。是非この方向で医師会内部のコンセンサスを得て下さい。

生駒市議会「議員報酬意見交換会」

2010-10-13 17:47:53 | 日記
今日、生駒市議会議員全員参加の「議員報酬意見交換会」なるものが開催されました。
市民の署名活動や要請に押された形で、仕方なく急遽開催されたもののようです。

私は市立病院開設計画のからみで、市議会や各議員の動静をここ数年ウオッチしてきました。そのなかで判明したのは、いかに勉強不足の議員の多いことか、特に守旧派議員のなかにいかにそれが顕著であったかということです。民間企業なら、即刻クビというレベルの議員が雁首を並べて「議員でござる」と威張っているわけです。

今日の意見交換会での各議員の発言も、期待を裏切ることなく(皮肉です)お粗末なものでした。1周も2周も回周遅れです。

その典型を少しだけ紹介しておきます。

1.報酬削減に前向きの議員でさえも、
  「15%削減すれば、市役所職員の給与水準まで下がる」と。
  *市職員の給与自体が高い という批判を受けている時に、それと比較をする感性はどんなのでし  ょうか。
2.新人議員の「正直言って、議員の仕事振りから言って報酬は高すぎる」という発言に対して、中谷議  長は「永年議員をやっている者に失礼だ。あんたみたいな新米に言われたくない」でした。
  *新米もベテランも同列です。議長自らこうした発言をすること自体が由々しいことです。

こんな低レベルの話をしている議会が、「二元代表制」の一翼を担うといった生意気なことが言えるのでしょうか。レジも打てないコンビニパート店員の集まりの感じがしました。

山下市長と互角以上に戦える議員が、生駒市議会に何人いますか。
全ての出発点はここにあります。
知性・感性・品性・研究心・知識・使命感・誇り 等々の総合力です。これらを欠く議員は、欠格議員です。「けち付けてなんぼ」議員は去って欲しいものです。

一部議員には及第点を差し上げますが、守旧派議員の大半は落第の欠格議員です。
こんな議員に、最重要課題の市立病院案件に参画・チェックしてもらうことに躊躇いと不安を感じます。
足手まといにならないよう、少なくとも医療業界の勉強を十二分にされんことを希望します。当面は品性とか品格とかは言いませんので…。


日本医師会の定例記者会見の不見識さ

2010-10-08 13:57:41 | 日記

去る10月6日、「医師不足および偏在解消に向けての日医の見解を示す」と題して、日本医師会の定例記者会見がありました。
興味のある方は一度日医のホームページをご覧になって下さい。

改めて、日医の反省の無さと不見識に驚かされました。
曰く
1.医師数を増やすための医学部新設反対。拙速な対応は避けるべきだ。
  現状の医学部定員のままで十分。10年後には医師は充足する。
2.現状でも、決して医師不足ではない。
  地域間、診療科間での偏在にすぎない。

そこで私の独断と偏見に基づく反論です。

1.10年先の話をのんびりとやっている状況ではないと思います。足下の「医療崩壊」を日医がどう受け止めているのか、大いに疑問です。
多分他人事のような感覚なのでしょう。
また、今後の患者数の急増をどう把握・分析しているのでしょうか。大いに疑問です。
団塊の世代が高齢世代に突入しました。この世代の患者の急増は間違いありません。現状の延長線上で患者数を予測しているのであれば、とんでもない事態になることは必至です。
その時になっても、日医は今と同じ主張を繰り返していることでしょう。

2.日医は医師の偏在を強調していますが、従来通り「地域間・診療科」の2つに限定しています。
本当は「病院と開業医」間の偏在なのですが、日医としては禁句のようで、今になってもこの点については一切口にしません。

3.ただし病院と開業医の偏在の解決はそう簡単ではありませんが、偏在は偏在としても医師会として緊急にやるべきことがあります。以前にも話をしましたが、一次救急を開業医全体で担うことです。
本来当然のことなのですが現状はそうはなっていません。夜間・休日診療をやっていませんし、そもそも連絡さえもできない開業医が大半です。そのつけが二次救急を担う病院に行っているのです。病院が疲弊している原因の大きな一つです。

いずれにしても、過去の間違いを謙虚に反省することが全ての出発点です。今の日医にはこれが決定的に欠けています。致命的でもあります。よって、医療崩壊に対する具体策も出ようがありません。
今になっても無反省で具体策も出せない日医の不見識さには怒りよりも空しさを感じる次第です。
公益法人改革が日医の変革のきっかけになってくれれば良いとも思っています。

日本医師会の意向とは離れて、独自に地元医療の再生に立ち上がる地域の医師会が出現することを願うばかりです。