生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

偏差値神話

2011-03-06 20:02:16 | 日記

久しぶりの日記です。
今日は神話を一つ。

医師不足解消に向けた動きも遅々としてはいますが、少しは動き出しているようです。しかし一方でそれに水を差す動きが見受けられることも事実です。

医師不足解決の一方策として、医科大学や医学部の新設が検討されていますが、日本医師会や医学部長会などが絶対反対の声を上げています。

反対の理由の一つが、「医学部の定員増は医学生のレベルを下げる」ということです。
何でそうなるの?という違和感を感じています。偏差値の低い者は、医学部に来るな・医者になるな ということなのでしょうか。偏差値が低いと医師として失格なのでしょうか。
建築家の安藤忠雄さんです。自ら頭が悪く進学を諦めたと言っています。その後独学で努力をされ、東大教授にもなった大建築家です。

要は単純に「偏差値」神話の話なのです。記憶力と受験テクニックだけの話です。こんなものと医師資格とどう関係があるのでしょうか。

また一部の医学部は確かに偏差値は極めて高いのですが、その他多数の医学部はそれほどびっくりするような偏差値ではありません。ただ、この実態はここでは議論しません。

そこでですが、では偏差値が高い医者と低い医者のどちらが優秀でどちらが患者のためになっているのか です。だれがどうやってこれを実証しているのでしょうか。実証なんてできるわけがありません。根拠なしに勝手に言っているだけのことなのです。ためにする議論です。だから私は決定的な違和感を感じるわけです。

需要者・患者側の目線で正確に議論してもらわなくては困ります。供給者や教育者の上から目線で且つ根拠のない主張でことの是非を議論するのは、そろそろやめにして欲しいのです。

私の経験から言わせてもらえば、偏差値70の医師も60未満の医師も医療の現場では同じです。むしろ、偏差値の低い医学部出身の医師のほうが患者への接客態度も好ましいし、勉強もよくやっていました。

また、偏差値が低いために苦労をしてきた医師のほうが、結構打たれ強い傾向があるように感じていました。
激務に耐えかねて とか、昇進競争から脱落した とか で大学病院や公立病院を去る医師が多いようですが、偏差値の低い苦労人医師は、結構頑張れるようです。エリートは打たれ弱いし、ちょっとしたきっかけで壊れてしまいます。医師の世界に限った話ではありません。

私としては、変に頭だけ良い医者は嫌いです。

ある偏差値の低い勤務医が話していました。
「私は頭が悪いです。医師になれたのは奇跡でした。だから今でも勉強は人一倍寸暇を惜しんでやっています。こんな馬鹿医者がこんなに給料を貰って恐縮しています。偉くなるつもりはありませんし、そもそも偉くもなれませんがこれで満足です。だから精一杯患者さんに尽くします。これが私の医師としての道です」

別に時間外勤務手当て不支給や滅私奉公を推奨しているわけではありませんので誤解のないように願います。

どぶ板を踏んでいる末端の現場医師は、偏差値もへちまも関係ないということです。医師の頭が良かろうが悪かろうが、患者は関係ありません。患者の為に尽くしてくれる医師こそが医師なのです。
上から目線やエリート意識では何にも解決できない どころか、我が国の行く末を誤らせてしまう危険性を言いたかっただけです。

自ら解決策を持たない割には、神話の如き根拠のない 為にする主張をする。科学者の矜持もあるはずです。少なくともこれだけはやめて欲しいものです。国民への裏切りになります。

 

 

 


2 コメント

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Unknown (hutoham)
2011-03-13 12:51:07
 相変わらずの酷い内容のため、コメントを控えていましたが、一言だけ。
 「上から目線」って何ですか?(前にも同じ表現されてましたね?)若者やお笑い芸人が言うのならともかく、分別のある大人が使う日本語とは思えません。
 こんな言葉を平気で使う人は、言葉や表現というものに対し、極めて鈍感な感性しかお持ちでないと断言します。医者の攻撃をするのは結構ですが、その前に国語の勉強をやり直すことをお勧めします。
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ご指摘に御礼 (生駒のアラ還)
2011-03-14 14:02:30
hutoham様
ご指摘いただきありがとうございます。
今更国語の勉強のやり直しの積もりはありません。ただ私が言いたいのは、こうした言葉は下品ではあるものの事実の一端を突いていると思うからこそ敢えて使っているということです。
それが理解できない もしくは頭から理解しようともしない層が現存していることも事実である以上、表現はともかく今後とも指摘してゆくつもりです。
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