医師会から掲題委員会医師会代表推薦状が市長あてに送付されてきました。これによって委員会の再開が可能となりました。医師会代表委員に拒否権を与えているといった委員会自体の問題点は、過去にお話しましたので今日はおいておきます。
昨年10月から11月の4回に亘る委員会の議事録を読み直してみました。そこには、決して放ってはおけない重大な発言がありました(第1回目です)。県医師会代表委員の大澤氏の発言です。阪奈中央病院の小児科開設計画を後押しする立場での発言です。
「…20床を小児科の病床として確保するということで、今小児科医の確保、地域の医師会、県の医師会、それから医大のほう、医大の吉岡学長、小児科の教授でもありますけれども、吉岡学長のほうから確約を得て医大のほうから応援を出すということで、小児科医の確保はできているということで…」
この発言を読んでどう思われますか。私は極めて重大な発言だと思っています。仲間内の酒の席での発言ではありません。委員会という公の場での発言です。簡単に取り消せるような話ではありません。
1.「吉岡学長の確約」は事実なのでしょうか
2.それとも、大澤氏が勢い余って吉岡学長の名前を使って「嘘をでっち上げた」の でしょうか。
どちらにしても、しかるべき立場の者が公の場で口にする類の筋ではないことは明らかです。真実は、1か2しかないのです。3はないのです。
先ず、1についてです。
・既存の公立・市立病院の医師不足に県立医大は全く対応できず、そのために産科・小児科の縮小や閉鎖が相次ぐ事態のなかで、数年後の未確定の民間病院の医師ニーズに今から確約がどうしてできるのか。隠し玉でもあるというのか。
・しかも、その確約を吉岡学長の名前で行なって良いのか。独断ではないのか。
・それとも、県立医大のしかるべき組織の総意として確約をしたのなら納得できるが、本当なのか。
私としても確認のため(吉岡学長の名誉のためでもあります)、医大事務局に問い合わせをしてみました。回答は、”それ(学長独断)はありえないと思います。私は単なる事務屋でして…”でした。真相究明はこれ以上やるつもりはありません。しかし、表にでないところで、もし秘密裏に人事が進んでいる可能性(もしくは独断で)を考えると背筋が寒くなります。
以前に、奈良県立医大の医師派遣をめぐって贈収賄事件が起きました。ご存知の方も多いと思います。県立医大もまさか再発を許すようなことはしていないでしょう。しかい、今回の大澤氏の発言はこの事件を思い出させる類のものでした。自分がいかに重大な発言をしたのか、またその影響度合いを自覚しているのでしょうか。
2.についてです。
・阪奈中央病院を支援し、生駒市立病院計画を挫折させることが使命の医師会・その代表の大澤氏にとっては、吉岡学長の支援確約は切り札であったのでしょう。
・しかし、でっち上げの嘘はいずれバレます。(嘘でなければ、1が真実になってしまいますよ)その結果、背景にある医師会自体の欺瞞性も白日のもとに晒されることになるのです。
1であっても2であっても、ことの重大性は変わりません。結局は根が一緒なわけですから…。
近いうちに委員会が再開されるのでしょうが、委員の皆様におかれましては、ここで指摘したような魑魅魍魎まがいの大澤氏とバックの医師会の欺瞞性を念頭においたうえで、市民の納得できる前向きな議論を是非ともお願いします。
医師会の無反省と開き直りの横柄さには目に余るものがあります。日本医師会自身もその存続に関して苦境に立たされています。もしかして断末魔の叫びかもしれません。
市長から医師会に対し、生駒市病院事業推進委員会委員の推薦を依頼したにもかかわらず、医師会は2度に亘って推薦を拒んできました。屁理屈にも値しない屁理屈で拒否してきました。さらに最悪なのは、そんな屁理屈を信じて疑わない市議会議員が多数派を占めているという現実です。医師会といい市議会議員といい、どこまでお粗末なのか。ここまで厚顔無恥に開き直れる医師会と議員に、今では尊敬の念さえ覚えてしまう始末です。
医師会にお願いしたいことは以下の通りです。
・委員会において絶対的拒否権を与えられた医師会委員は、だからこそ謙虚であるべきこと(委員会開催前に御託を並べるのではなく、主張すべきは委員会の場で主張することです。謙虚で真摯な態度で前向きの意見なら、他の委員も耳を傾けるでしょうし、結果として答申にも盛り込まれるはずです)
・屁理屈や手続上の不満を述べるのではなく、市民のための素晴らしい病院を如何に作るのか、そのための知恵を医師会として真摯に提示して欲しいこと(医師会代表委員は、小児科医2名では不足という主張を繰り返してきたが、不足=ダメ というのではなく、それを解決するための具体策を提案して頂きたい)
・市立病院と既存医療機関との競合も一部予想されるが、恩恵を受ける方が多いと思われる。よって、一部分の利害対立を全体の利害対立に置き換えるような議論はやめて頂きたいこと(少なくとも、私の知っている数人の開業医は、市民病院開設には賛成でした)
・救急や産科・小児科を中心とした地域医療「崩壊」の責任の一端は、医師会の無為無策にあるのだという謙虚な反省を先ず行って欲しいこと(他人事のように白々しく発言するのはやめてほしい。そこを議論のスタート台にしないと議論がかみ合ってこない。今までの推進委員会の議事録を見てもそんな感じです)
山下市長は、4月16日(金)を最終回答期限とし、これ以上の譲歩は一切しないとの決意を医師会に伝えました。市長の不退転の決意が読み取れます。
これを受けた4月16日の医師会側の態度が注目されます。
今日は、おとぎの国の医師を代表する方の反省と懺悔の生々しいお話です。興味のある方は、少々長いですが以下お読みください。
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おとぎの国には、我が医師会が聳え立っています。その医師会会員を代表して、ここに以下のとおり率直に過去の罪を認めますとともに国民の皆様に深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。なお、個々の医師の問題とは別の 団体としての話ですので、誤解のないようにお願いいたします。
●我々医師会は開業医のための事業者団体で、自分の利益のために活動をしてきました。当然だと思い込んでいました。
●勤務医は「第二身分」にすぎないため、医師会内部においては権限や地位を極力押さえてきました。
●そのため、勤務医の厳しい労働環境や燃え尽き症候群、さらには「立ち去り形サボタージュ」等々については見て見ぬ振りをしてきましたのも当然の帰結でした。また当然のこととして具体的な勤務医支援活動も行いませんでした。
●会員加入率が7割程度で、且つ開業医と利害対立もある勤務医が会員の半数を占ている現状にもかかわらず、医師会は名実共に全国の医師を代表する団体であると嘘をついてきました。
●医師不足が叫ばれてから長い年月が経過しましたが、厚労省の医療費圧縮計画に悪乗りする形で、医師数増加の要請には反対してきました。地域性による医師の偏在が問題で、医師の絶対数は充足されている という間違った主張をしてきました。これも、新規参入による過当競争によって我々開業医の利益が侵害される恐れあり と考えた結果で、単純明快な正義だと誤解しておりました。
●医師会は自らの利益を守る任意加入の事業者団体であるにもかかわらず、「公益法人」とか「公共的法人」とかをアピールしてきましたが、本当は単に厚労省所管の社団法人であるだけです。実態とかけ離れた過剰なアピールは誤解を招くことになってしまいました。ある地方議員さんも誤解されているようで、御免なさい。関係者には、早めに謝っておいたほうが身のためですよ。
●医師会は弁護士会と同等の見識を持つ団体だと信じて疑わない国民が多いようですが、とんだ誤解をさせてしまいました。医師会は任意加入ですが、弁護士会は強制加入です。共に倫理規定を作成していますが、似て非なるものです。医師会のそれには最も大切な「自律性」や「自浄性」が欠落しています。自浄性が無いために、「他律」をむしろ願っています。要は、自分で自分を律せないから、外部で律してください ということです。我ながら情けない次第ですがこんな体たらくです。弁護士会と較べてもらっては困ります。弁護士会に対し失礼に当たります。
●独占禁止法上でも反省することばかりです。
「自由競争」「自由開業」と口では謳いますが、本音ではそんなことは決してありません。建前と本音の使い分けは医師会の良き伝統になっています。
●新規開業を計画している医師が医師会加入を申し込んできたら、「標榜科目は既存医院と競合しないか、開業場所は既存医院と近すぎないか、定休日は木曜日以外はダメ……」のアドバイスや暗黙の強制は当然行ないます。良かれとしてやっていることなので、疚しいことは一切ありません と強弁してきましたが、全国各地で公取の手を煩わせることになっており、申し訳ありません。
●おとぎの国の関西N件/I市で市民病院開設計画が頓挫していますが、我々の本音と建前の使い分けや公益的性格のアピールが功を奏した結果で、地元医師会は喜んでいるようです。患者を奪うような素晴らしい市立病院の開設を、阻止ないし延期させることを狙っているようです。参考人招致、医師会トピックスや「推進委員会」で建前論を恥じも外聞も無く述べているようです。それでこそ医師会の”面目躍如、あっぱれ”と褒めてやりたい。
この件は、本当は前項以上に独禁法違反の言動ですが、自らの利益擁護姿勢と厚顔無恥の者のなせることなので、いずれ化けの皮が剥がれるまで暖かく見守ってやってください。
●「医師会の開き直りが怖い」という地方行政組織が多いようです。我々としては、別に圧力を掛けているつもりはないのに、地方行政組織が勝手にそう思っているのでしょう。確かに、検診やインフル対応等を中心に、医師会無かりせば医療行政が成り立たなくなっています。つまり長年の努力の積み重ねで、地方医療行政の生殺与奪の権を医師会が取り込んでしまったのです。行政やましてや国民の気持ちなぞは興味ありません。反省しつつも、医師会とはたいしたもんだと我ながら感心しています。
●医師は、「名称独占」「業務独占」です。医師の資格を持たないものが、医師を名乗ることはできませんし、医療行為もできません。要は「特権的地位」を与えられているわけで、尊敬を込めて”先生”と呼んでもらえるのです。誇らしい限りです。医師会の役員を全うすれば、死ぬ前には勲章も保障されています。勲章を目指してこそ、働き甲斐があるというものです。
で、その医師の団体は、一般市民より格段上の見識が求められているのに、我々はその期待を裏切る言動を取ってきました。申し訳ない限りです。でも、勲章も欲しいな。すみません、勲章のための仕事はNGでした。
●医療関係施設の開設認可には、医師会の了解が必要とされた時期が過去にはありました。医師会の栄光の時代です。その栄光時代が未だに忘れられずに居丈高に振舞う地方医師会がありますが、時代錯誤としか言いようがありません。間違いは間違いとただしてやってください。何せ我々は自律性に欠陥があるので、他人から指摘されないと気がつきませんものですからよろしくお願いします。ただし、指摘されたからといって心から反省するとは限りませんので、その点についてもご配慮を賜りたいと思います。
以上、恥を忍んでおとぎの国にある我々の団体の実態をお話しました。その他にも糾弾される筋の話は多々あると思います。忌憚のないご意見を賜りたいと存じます。
舌足らずで、本音のところがお伝えできたかは些か不安ですが、何はともあれ先ずは謙虚な反省から始めなくてはなりません と建前みたいなことを述べました。
「見ざる、言わざる、聞かざる」の3ザルをスローガンにしてきた、我々医師会のことですから、皆様の心へ深く浸透するような話になるわけがありません。解っています。今まで我々が取ってきた言動を見れば、仕方のないことでしょう。
でもこれだけは言っておきたいし、これだけは信じてください。急性白血病で明日をも知れぬ状況になった私の遺言として聞いて頂けないでしょうか。
「公益法人制度改革」のなかで今のままの医師会は公益法人には絶対成れません。これを機に医師会組織は崩壊するでしょう。だって、自律・自浄の無い医師会の存続はありえません。その後に再編はあるでしょう。この機会を捉えて、医療を医師会の側から、市民の側に取り戻してください。絶好のそして最後のチャンスです。
今更私のような者が とは思いますが、恥を忍んで希望し伏してお願いする次第です。
「市民の、市民による、市民のための」医療を心から念願しつつ筆をおくことにいたします。
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…という おとぎの国のお話でした。
でも 地球上のどこかの国にもあったような気がします。勉強になりました。
医師会や生駒市議会の批判ばかりしてきましたが、少々疲れました。今日はちょっと一休みです。
私の職場生活のなかで、最も嫌いな上司が語った私が最も好きな格言です。
「爪は長く、詰めは短く」 そして 「悲観的に備えよ」
人それぞれに受け止め方があると思いますが、結構気に入った言葉です。
何かの時に役に立つかも。
建前上は良い市民病院を作ることについては賛成と言いながら、その実医師会メンバーにとって不利になるような市立病院には反対 という本音は依然として変わってはいません。
今まで何度も医師会批判の記事を書きましたが、ほとほと疲れてきました。”泣く子と地頭には勝てぬ”なのでしょうか。”長いものには巻かれろ”で諦めるべきなのでしょうか。
生駒市の医療行政の首根っこを押さえ、”医師会なくして生駒市の医療行政は成り立たぬぞ” という無言の脅迫をする医師会とは、市としても覚悟を決めてそろそろ縁を切る時期に来ているのではないでしょうか。
医師会が窓口になって行なっている検診等の市の委託事業がありますが、こうした委託事業は市が医師会にお願いをしているような構図になっています。しかし、本来から言えばこうした事業は医療機関と市民・患者との間に位置するもので、行政は補助金等でそれをサポートする立場にしかないということです。”市が頼むからやってやってる”という根本的理解不足や勘違いが医師会にあると共に、市の方も勘違いしているように感じます。そもそも医療機関がリーダーシップをとって行うべき事業であるのに、医療機関や医師会に知識や経験が無く教育も受けていないため、行政に頼らざるを得なかったということが本当のようです。これは、見識ある医師の意見です。
市立病院開設に表面賛成・本音反対、開設阻止するためなら恥も外聞もなくあらゆる手立てを駆使し、委託事業を人質に無言の圧力を掛けてくる。
招来のことも考えれば、こんな医師会とはそろそろ縁を切る時期に来ています。
ただし、それには相当の覚悟が行政には求められますし、市民への影響を最小限にとどめる対策も必要です。また検診等は、民間の検診センターに依頼することになるでしょうが、少しの不便は市民にも納得してもらう必要があります。知恵をだしてゆけば解決できると思います。
いずれにしろ、従来の行政と医師会の位置関係を抜本的に変えなくては生駒市の医療行政に未来はありません。山下市長と特に市議会議員の皆様、ご一考願えますか。
でもここまで言ってはみたものの、私の本心は「医師会の猛反省と翻意」です。ここでの主張が現実にならないよう願うものです。