生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

医療業界の歪な構造(2)

2010-06-06 21:12:39 | 日記

 ご見識のある方からコメントを頂きご指導頂きました。せっかくですので、今日は「歪な構造第2弾」として記事にします。
 
 通常、マーケットというものは、需要が発生し拡大してゆくなかで、供給サイドの業者が参入しお互いが競争し合って行く中で、マーケット自体が成長し成熟してゆく という好循環が結果するものだと思います。需要サイドのニーズに対応できない業者は淘汰されます。ビジネスの世界ですからそれは当然の話です。
 しかし医療業界というものは、どうも普通の業界とは異質の業界に思えてなりません。その根本要因は、先だっても書いたように医師の「供給不足」にあります。特に勤務医不足にあることは、疑義のないところです。

 普通の業界であれば、供給不足のマーケットには誰彼となく率先して参入してくるはずです。しかし、医療業界ではそうなりません。何故なら、良かれ悪しかれ医師免許が無くては参入の門戸が100%完璧に閉ざされているからです。しかしこれは、一朝一夕に解決できる話ではありません。医学部定員の増加計画も時間がかかりますし、増加率もわずかです。

 ですが医師の偏在特に、「勤務医と開業医の偏在是正」は、関係者の決断で不可能な話ではありません。

 勤務医の「立去り型サボタージュ」や「燃え尽き症候群」が言われ、一方ではドロップアウトした勤務医を受け入れる「自由開業制」があり、大きなうねりに巻き込まれた勤務医が翻弄されている絵模様が見えます。さらに翻弄されているのが、需要サイドの患者です。

 医師会や行政が、他人事ではなく自らのこととして英断できるのか。1%の淡い期待をもって今後の行動を注視しようと思っています。