生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

議案「生駒市立病院の基本設計の調査委託について」の疑問

2011-06-22 22:41:55 | 日記

明日の生駒市議会本会議で、掲題議案が審議されるそうです。

先ずは、市民福祉委員会提出議案第1号を読んでみてください。
http://www.ikoma-shigikai.jp/regula_bill/documents/iinkaiteisyutu_gian_1_byouin_itaku.pdf

伊木委員長名にはなっていますが、伊木委員長の苦渋の判断の結果と思います。
経緯は悩ましいものであったかもしれませんが、それはそれとして私は大いに疑問を感じています。
以下説明します。

疑問の第1は、この調査を提案したのは樋口清士議員ですが、調査をする教授がこの樋口議員と親しい関係にあるということです。
先日の一般質問のヒントもこの教授から貰っていたようです。

疑問の第2は、調査事項として「一般的な病院設計の進め方」と記載されていることです。
生駒市民病院は、極めて特異な経緯を経て進められたにも拘わらず、それを”一般的”な話で報告されても困惑してしまいます。何が一般的ですか。一般的に進んでいるなら行政も何も苦労はありませんよね。

疑問の第3は、調査事項として「近年の同種・同規模の病院設計の考え方との差異等」や「参考事例」とあることです。
この点については、実施設計を請け負った石本設計が当然のこととして行う筋の話です。

疑問の第4は、この調査を委託された教授さんの経験と力量が、委員会で一切検討されなかったことです。
別にこの教授のレベルを批判するつもりはありませんが、気になるのは、専門が院内物流・SPDという点です。
急性期病院の設計への造詣の深さが不明な点について不安を抱くものです。

さらに第5の疑問です。
聞くところによれば、市長の主張した”指定管理者、設計会社、生駒市の意向を事前にヒアリングして欲しい。図面だけのチェックに終わらないようにして欲しい”という点については、この教授さんは無視ないしスルーされたようです。
事前に聴取すると、変な先入観が入ってしまい冷静な判断ができなくなる恐れがある ということなのでしょうか。
学者らしい判断でしょうがもしこれが本当なら、現場の医療経営にとっては糞にも役に立たないし、むしろ足を引っ張りかねない害にもなりかねません。
病院設計は、病院運営者(院長、看護部長、事務部長等)の意向を完璧に吸収した上で行うべきもので、これをスルーしてしまうと、机上の空論で「仏作って魂入らず」もしくは「魂を入れようにも仏が邪魔」ということにもなりかねません。

変に第三者の現場無視の主張が入り込むと現場は大混乱してしまいます。これは恐ろしいことです。

以上ぐだぐだ述べましたが、要は病院の現場というものはまさに「生き物」だということが言いたいのです。今を生きていると同時に、10年後20年後も「生き物」なのです。その時になっても完璧に生きている設計が必要なのです。

学者先生とか評論家は、動線が長いだの歪だの、個室が多すぎるだの、不要スペースが多すぎるだの 言います。
しかしそのご意見の大半は、過去の延長線上での只今現在の判断にすぎません。

今求められているのは、10年後20年後にも光輝いている生駒市立病院を設計することなのです。

調査を委託された教授さんには、将来に亘って責任を負う調査報告が求められます。過去の経験や表面的な調査でお茶を濁すような報告ではNGです。よろしくお願いします。
と同時に、その委託をした委員会並びに提起者の樋口議員の責任も重大です。
よろしくお願いします。

 


生駒市議会本会議のライブ中継

2011-06-10 22:37:06 | 日記

本日午前中の生駒市議会本会議をライブ中継で見ました。
現状では、本会議のみがライブ中継されていて、各委員会や議会運営委員会は未だ中継されていません。
議会改革の一環として早急な改善をお願いしたいものです。

今回の生駒市議会の焦点は、何と言っても生駒市立病院計画案件で、一般質問の数もかなりのものになっています。今日は二人の議員からこの案件についての代表質問がなされました。
少しコメントしておきたいと思います。

先ずは、S議員の小児科の人員体制についての質問ですが、お粗末すぎて失笑しました。
本人の資質の問題ではあるのですが、こんな議員を選んだ市民の問題も浮かび上がってきます。

S議員:しかるべき学会のようなところに問い合わせたところ、「小児科医は7名必要」との回答を得た。しかるに、生駒市立病院の計画では2名しか配置されていない。これで本当に大丈夫なのか。

この点については、今までくどいほど議論してきた話です。答弁する市長もマジギレしていました。
7名が確保できるのならそれにこしたことはありません。2名で十分でないことは解っています。だから総合診療医がサポートするし、他病院から応援を貰うし、オンコール体制も採る 等々の対応をするわけです。

このS議員は、生駒市立病院の姿が全く理解できていません。理解しようともしていません。思考停止状態です。この5年間何をしていたのでしょうか。

次にH議員ですが、建築関係には相当詳しいようで質問も結構詳細に亘っていました。
論旨もそれなりに明快で納得できる点も多かったように感じました。

しかし私に言わせれば、言っていることはそれなりに評価できる部分あるものの、根本のところで全く説得力がありません。
議会や議員として、当然今までにやるべきことをやらずにおいて、今頃になって事新たに臆面もなく質問している訳です。
経緯をご存知の方は、なるほど と思われるでしょうが、以下少し説明しておきます。

1.質問する相手が違っています。
  H議員の質問は、病院を運営する指定管理者に対してなされるものです。委員会を開催し、その場で指定 
  管理者に直接聞くべき話です。

2.それをしなかった 乃至は 敢えてさせなかったのは、H議員をはじめとした反対議員でした。
  市長の諮問機関として、病院事業計画や基本協定書を審議する病院事業推進委員会が設置されましたが
  、市長の意向を無視して指定管理者(当時は候補)をこの委員会から外したのは、H議員をはじめとする反
  対議員でした。

3.本来であれば、この委員会で病院ハード面について深く議論すべきでした。現場を管理運営する指定管理
  者にハードのコンセプトや使い勝手等々を確認できたはずです。
  仏に魂を入れてくれる一番大事な指定管理者を議会が外したわけです。今更何をか言わんや です。

4.この推進委員会も近い時期に再開されるはずです。
  その際には、前回のようなことがないように、議会として全会一致で必ず指定管理者を推進委員に任命し
  てください。
  そして、再開された委員会で、H議員の意見を指定管理者にぶつけてください。
  H議員もプロのようですから、プロとプロの間で議論を深めて頂ければ結構かと思います。

5.「運営マニュアル」がなければ、基本設計は出来ない との質問についてはどうかな と思いました。
  H議員の言う運営マニュアルとはどういうものか判然としませんが、私は「〇〇病院管理運営マニュアル」と
  称していました。マニュアルは所詮マニュアルで、そ大元にあるのは、まさに推進委員会で答申した「生
  駒市立病院事業計画」です。
  理念やコンセプト等、経営の根幹を文字で表現したものです。この事業計画に基づいて基本設計を行いま
  す。
  看護師等スタッフの動線の問題は、マニュアルの話ではありません。コンセプトの話です。
  センター方式が良いのか、サブセンター方式が良いのか、一概に良否を判断できるテーマではありません。
  それはコンセプトに基づいた院長や看護部長の判断です。つまり指定管理者(候補)の判断ということで
  す。
  つまり、センター方式が決まれば、必要ならばそれに即したマニュアルが作成されるということになります。
   マニュアルには反映されないかもしれません。各病院によって異なります。

  まあ、この点に関しては諸説ありますのでこのくらいにしておきます。

以上お話したように、話を詰めるべき相手(指定管理者)を外しておいて、しかるべき議論もせず放っておいて
、今頃になって先祖返りのような議論をする。

こんな議員の議論に大いなる疑問と不信を抱いた一日でした。


  


日本医師会主催シンポジュームの異常さ

2011-06-06 20:20:32 | 日記

久しぶりに日本医師会のホームページを覗いてみました。

この2月に日本医師会主催の「医療政策シンポジューム」が開催されたようです。
詳しくはこちらをご覧ください。
  http://med.or.jp/nichikara/22issympo/

一応の社会経験を積んできた私にとっては、とんでもない内容でした。

1.読売新聞の田中部長の医師会批判ともとれる講演です。

2.講演後の司会者(日本医師会の副会長)からの批判コメントです。

3.講演後のパネルディスカッションの場での、二木立(日本福祉大学 副学長)の読売新聞への徹底的攻撃 
  です。

以下は私の感想です。

1.私は読売新聞は嫌いですので購読していませんが、田中部長の主張の9割がたは正当なものでした。
  なのに、二木立の口汚い批判に徹底抗戦をしなかったのはお粗末でした。
2.二木立さんという人物は、私もお会いしたことがありますが、悪人ではないのですが口だけは悪い。
  第三者的評論家と自負しているだけで現場は殆ど知りません。
3.医師会主催とはいえ、講演者に対しての司会者の批判コメントは絶対にやりません。
4.こんな無様な動画を、臆面も無く公開している日本医師会の無神経さや傲慢さを再認識しました。

皆さんの受止め方次第ですが、私としては異常な違和感をもって受け止めています。

まあ、医師会という組織は日本相撲協会と並んで興味の絶えないところです。