生駒のアラ還の独り言

医療業界のあることないことを独断と偏見で綴る

日本医師会の崩壊は近い?

2010-04-02 20:20:26 | 日記

 4月1日に日本医師会会長選挙が行われ、民主党寄りの新会長が選出されました。
これから日本医師会がどう変わってゆくのか注目したいところですが、私は余り期待していません。それは、市民や患者の目線から余りにもかけ離れた所に医師会が存在しているからです。所詮、目くそ鼻くそ程度の会長交代です。医師会の存続は危機を迎えているのでしょう。
 医師会の存続に係わる問題は以下のとおり山積しています。これら対して市民目線で真摯に向き合わない限り、日本医師会の崩壊ひいては都道府県医師会や郡市医師会も同じ憂目に遭遇することは間違いありません。
1.開業医と”第二身分”と呼ばれている勤務医の関係をどうするのか(場合によっては対立関係にもなる両者を混在させた組織が医師の代表組織と言えるのかの答)
2.今般の公益法人改革のなかで、日本医師会を本当の意味で「公益社団法人」にできるのか
3.医師会は現下の医療崩壊の責任を本当に自覚し反省しているのか。自覚したうえで、崩壊の再生を我が手で主導して行う覚悟があるのか。また、その具体策はどうなのかを提言・実行できるのか
4.医師会は、司法の手を借りなくても「自律」できる自覚と実力があるのか

 今日は、上記2の公益法人の話を手短にします。
 日本医師会は、「一般社団法人」ではなくて「公益社団法人」を目指しているようですが、今のままでは到底”公益”とは認定されないようです。要は、現在の医師会という組織は、公益法人とされてはいるもののそれは形の上だけのもので、実態的には公益目的でもなんでもない(一部は公益的事業も含まれています)法人ということなのです。だから、医師会自身も公益性非該当の実態を認識しているが故に、今回の公益法人制度改正に当って右往左往しているのです。聞くところによると、極力現状の形を残したまま公益社団法人に移行できないか、姑息なやり方を練っているようですが…。医師会というものを余り神聖化しないほうが良いと思います。

 ここ生駒市においても、医師会を”公益法人”とか”公共的団体”という表現を使って、いかにも民間医療法人よりも一段も二段も格上と主張する輩や議員が居ますが、上記の通りその主張の根拠は何も無いのです。単に、厚生労働省所管の社団法人で、”社団法人認可後は国はチェックはしないのでで後は勝手によろしくやってください”程度の社団法人にしかすぎないということです。
しかし、新公益法人制度ではそうは行きません。もし生駒市医師会が「公益社団法人」を目指すなら、損得勘定抜きの事業割合を50%以上にしなくてはなりません。また会議規定や役員選出方法も根底からやり変えなければなりません。私の観測では、従来の医師会の考え方では多分「公益」認定はされず、「一般」社団法人にしか成れないのでは と思います。そうなると、広義の公益法人である「医療法人」よりもむしろ格下になります。(ただ私は、格が上とか下とかではなく、ミッションをきちんと果たすか、市民・患者のニーズに応えているかどうか が本筋の話と思っておりますので誤解のないようお願いします。実質です)
 要は、これが医師会の実態なのです。実質を見ず形式だけの社団法人を金科玉条のごとく崇め奉り、きちんとした定義もわきまえないまま「公益」とか「公共的」という言葉を使ってそれを妄信もしくは悪用する一部(いや失礼。多数でした)の市議会議員。
 生駒市立病院開設案件が待ったなしの時に、法的にも実態的にも格下の医師会を、議会や議員はどう位置づけるのでしょうか。いままで通り、拒否権を与えるに値する団体として崇め奉り「腫れ物に触る」ように扱うのでしょうか。
 さあ、どう思いますか、どう考えますか、そして どうしますか。市民の皆さん、なかでも市議会議員のみなさん。