市民の意見30の会・東京 声明
20152月6日 市 民の意見30の会・東京
殺すな!の声を全世界へ / 武力で平和は作れない
・私たちは、「イスラム国」による湯川遥菜さん、後藤健二さん殺害を強く非難する。
・日本政府は「積極的平和主義」による中東政策を改め、非軍事・平和外交に転換せよ。
私たちは、「イスラム国」の人質とされていた湯川遥菜さん、後藤健二さん殺害の報道に接し、言いようのない深 い悲しみにくれています。
中東に出向いたお二人の目的は知る由もありませんが、日本人二人を拘束し、人質とし、自分たちの目的が 達せられないからという理由をもって無残に殺害するという「イスラム国」の非道なやり方に、私たちは強い憤りを覚えます。 お二人の無念さはいかばかりであったでしょう。
残されたご家族の悲しみ・心痛に思いを馳せると、私たちは 無力さに打ちひしがれそうになります。
しかし、お二人はだれのせいで、なぜ命を奪われたのか、命を救う道はなかったのでしょうか?
私たちは、日本の市民の一人として、日本政府の対応、安倍首相の言動に怒りと批判の矛先を向けない訳にはいきません。
日本政府は湯川さんが行方不明になったことを昨年8月から、後藤健二さんが消息不明になったことも昨年11 月から知っていましたが、結果として、お二人を救出するために何の手段も尽くしませんでした。
それどころか、安倍首相は、1月、中東諸国を歴訪し、1月17日、エジプトで「イスラム国」と戦う国々に2億ドルの「支援」を行なうと表明し、イスラエルでは、「積極的平和主義」による中東地域への関与を表明しました。
安倍首相は、後藤健二さんの殺害後も「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために国際社会と連 携してまいります。」と宣言しました。
後藤さん、湯川さんの人質公表から殺害への引き金をひいたのは安倍首相の対中東2億ドル支援表明であったこ とは明らかではないでしょうか?
しかも「人道・医療支援」と言いながらも、国際社会と「連携」して「罪を償わせる」との言動は、人質にさ れた日本国民を見殺しにしても、日本は中東での対テロ戦争を継続する英米仏などの有志連合を後方支援するということになります。
かつて福田元首相は「人命は地球より重し」として、「超法規的措置」によってハイジャック犯の要求を受け入れ、日本国内の政治犯を釈放し、人命を救いました。日本の中東での「平和国家」「平和外交」は、今回の日本市民2人の見殺し、中東対テロ 支援外交により、一歩悪い方向に踏み出しました。 テロも戦争も、武力・軍事力によって紛争を解決するという点では同根です。目的のためには手段を選ばなくな り、報復の連鎖が繰り返されるばかりです。 武力で平和は築けません。
後藤健二さんは世界の紛争地で暴力の犠牲になるのは子供たちや女性だとメッセージ を発しつづけてきました。
彼の死を無駄にしないために私たちも声をあげなければなりません。 日本政府は力による外交をやめ、非軍事・平和外交を進めよ。
湯川遥菜さん、後藤健二さんのご冥福を心より祈念いたします。
市民の意見30の会・東京