ありえない光景

北１４頭

みほです。今日は前半事務所でした。

南風がかなり強く南はワチャワチャ、北の海域も行ける範囲が限られている中

無線で入ってくるクジラ情報。

しかし波の高いほうへ移動したりいつものごとく消えたりと大変なことになっていたので

急きょあたしが北の東側がみえるアカハギという山へ行くことに。

すると親子クジラと１頭１頭のポッド発見！

すでに早朝から出港していた船がウォッチングをしていました。

始めは１頭１頭だったクジラも徐々に距離が近くなり２頭になったら急に息が荒くなって

東へどんどん進んでいきました。

このままいくと午前の部のウォッチング船がいけなーーーーい！(涙)と思っていたら

急にとまってテールスラップ、ペダンクルスラップのお暴れ！！





そのうちもう１頭も加わって３頭で大暴れ祭り開始していました。

すっげぇぇぇぇぇ(∩´∀｀)∩

って喜んでいましたが

もしもこの３頭が波の高いほうへ行ってもいいように

島の近くでクジラを探していたら

いきなり聞こえた大きくにぶい音。

双眼鏡から目を離し音のほうへ目を向けると

なんと漁船２隻が接触事故を起こしていました。



なんと船の上に船が乗っかっていたんです。

にぶい音がしたときに嫌な感じはしてたけど座礁かな？くらいにしか思ってなかったから

かなりびっくりして

とにかくすぐに協会へ無線で連絡しました。

この無線を聞いていたウォッチング中の船長さんが島の漁業組合の組合長に連絡をしてくれ

すぐに島から救助船がむかえるように手配をしてくれました。

協会スタッフが海上保安庁に連絡を入れてくれてそれからはあたしが直接海保の人と話もして。

幸いけが人もいなかったし二次災害もなかったのですが

こんな事故みたことがないし

自分が目撃者になったのにもびっくりやし。

今回自分で自分を少しほめたいのは

あたしは小心者なので

普段からもし山から海難事故を発見したらどすればいいかを

シミュレーションしてたんです。

それが今回役に立ちました。

もちろん動揺してしゃべろうとしても噛むし

船に浸水も傾きもみられなかったのですが状況が状況なだけに怖くて手も震えるし

何回も自分に「落ち着け～～～」っておまじないもしたけど

とりあえず通報から１時間くらいで救助船が座間味から現場へ到着したし

その数十分後に海保もきたし

本当によかったです。

たまたまクジラの撮影で事故現場の沖にいた島の人が様子をみに現場へかけつけてくれたのもあって

状況も早い段階で把握できたし。うんうん。



でもほんと、現場が男岩のすぐそばだったんです。


（右端が男岩)

風は南だったので島から離れる方向のはずだったのですが

潮はこのとき引き潮で北から南へ流れていました。

ちょうど事故船が男岩の北50mほどの場所。

少しずつ寄って行っているのがハラハラしていました。

このまま乗り上げたら座礁、下手して浸水して沈没です。

最悪のケースが起こらなかったのが不幸中の幸い。

あたしがアカハギに登っていたのも幸い。

もう二度とこんな思いしたくはないけど

安全についてかなり考えた一日でした。





みほ