いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
過去の記事は随時掲載していきます。
以前読んで下さっていた方、ありがとうございます。

きっと、好きだった

2016-04-15 02:01:27 | 日記
「ねえ、今度あれ観に行きたい」

彼が観に行きたいと言った映画はあまり興味がないものだった。それよりは別の映画でどうしても観たいのがあった。どちらか1つに絞る必要もないので両方観に行くことにした。2回デートができると思うと、何だかとても嬉しかった。

帰り道でスタバに寄って、コーヒーを飲みながら今観た映画の話を夢中でしている彼の横顔を見ながらこの時が永遠に続けばいいのに、と願っていた。

部屋の掃除をしていてDVDを並べていると、懐かしい映画が出て来た。大昔に付き合っていた彼と一緒に観たんだっけ。その後サントラを買って、このDVDまで買ったくらい好きな映画だった。ストーリーを思い出しながらシーンを頭に浮かべていると、なぜか彼の笑顔がよみがえった。

「好きだよ」

好きな映画だった。もっと好きだったのは一緒に観てくれた彼かもしれない。

「また観に行こうね」

なぜオレ達は上手くいかなかったのだろう。

「今日はありがとう」

あれからなぜか、誰とも映画を観にいかなくなった。




君と結婚したい

2016-04-14 14:01:45 | 日記
20代イケメン既婚者と仕事でお会いする機会が多い。聞くと24、25くらいで結婚をしている人が多かった。大学時代はモテた、就職してもモテた。そんな男達にとって、何が結婚の決め手となったのか。

「会った時に、この子と結婚したいなって思いました」

仕事関係で知り合ったという人が多かった。恋愛とか出会いとかとは一切関係なく知り合って、好きとかSEXしたいとかではなく、結婚したいとなぜか思ったそう。結婚願望が人一倍あった訳でもない。

直感で結婚したいと感じた女性にアプローチして何回かデートをしてSEXをしたそうだ。
すぐにSEXしたいとは思わなかったと話してくれた。

「誰にも渡したくない、と言ったらいいでしょうか」

この話は奥さんは知ってるんですか、と聞くと、話していませんよと笑って答えてくれた。

「照れくさいですもん」

他人の人生というのはとても尊いもののように思える。自分にはないものがたくさんあるようにも思える。自分の人生を否定するわけではないが、憧れる部分がある。

お幸せに。




池袋

2016-04-12 22:25:14 | 日記
「新宿じゃなくても、いいかな」

20代の男性と待ち合わせた。ちょっとお高い感じがして心配だったが、実際にはそんな事はなかった。女性にモテそうな顔に高い身長、モードっぽいコーディネートの服装で現れた彼は普段はスーツで仕事をしているそうだ。忙しいからジムに行けないっていうのは嫌だから朝早くジムに行っていると話してくれた。

「言わなかったけど、ゴーゴーをやっているんだ」

特に何も考えずに待ち合わせは新宿でいいか尋ねると池袋にして欲しいと言われた。池袋で誰かと待ち合わせたのは3年くらい前だっただろうか。デビューしたばかりだった。あの時と同じ丸井前を指定したらOkをしてくれたので、そこで待ち合わせる事にした。

おしゃれなお店に案内してもらった。アイスコーヒーを飲みながら店内を見渡していると心なしか女性客が彼を見ているような気がした。途中トイレに行くと言って彼が席を立った時、確かに何人かの女性が歩いていく彼を目で追っていた。

2回目に会った時にSEXをした。ゴールドジムで鍛えている彼は均整の取れたマッチョだったし、人前で脱いでいるだけあってキレイな体だった。脇を剃っていたり、ちん毛を整えていたり、アナルもツルツルに剃ってあった。他人にいつ全裸を見せてもいい覚悟ができているように思えた。SEXは従順で、ずっとしゃぶり続けてくれたし、先走りを垂らしながら何でも言う事を聞いた。キスをしながら唾液を送り込むと、もっと欲しいと言って飲み干した。

お互いに若かったからか、やったら終わる関係が多かった。今なら何とでも繋ぎ止めれるのに、あの頃はしなかった。はい、次。いい男とSEXし続ける旅をしているようだ。やり目的というのは総じてそんなものだ。何だかよく分からないものを集めて喜んでいるのに似ている。その時が良ければそれでいいのかもしれないが、得るものは少ない。自分はこうして書き綴っているから細かな事が思い返せるが、書いていなかったらきっと池袋の彼の事も忘れてしまっていただろう。

せっかく会えたのだから、誰の事もずっと忘れないでいたいと思う。


東京生活

2016-04-12 14:43:53 | 日記
その男は地方からやって来た。大学を卒業して、就職したり転職したりして、それなりに生きてきた。そこそこ鍛えていたのでちょっと本格的にトレーニングを始めたら大阪ではそこそこモテた。

特に何かしたい訳ではなかったが、何か見つかりそうだったので東京にやって来た。見つけておいた5万円ちょっとのアパートに荷物を置き、アルバイトの面接に行った。とりあえず生活ができればそれでいい。料理はあまりしないので近所にセブンイレブンがあって助かった。

東京の生活は楽しかった。アプリではヤリ目的もOKだったので、体を載せてあるせいかメッセージはたくさん来た。ネットで調べて、夜ちょっと発展場に行ったりして毎日が過ぎた。

「もったいないよ。」

ゴールドジムに行ってみたいとは思っているが、やはり今は払えない。歩いてすぐのエニタイムに入会したのでできる限り行ける日は毎日のように通った。ゲイは皆ゴールドジムだと思っていたが、エニタイムの面々を見て割とここにもいるんだとびっくりした。アルバイトが終わるとエニタイムに行って、たまにちょこっと発展場に行く生活になっていった。

「凄いカッコいいんだから自分を大切にして」

エニタイムでたまに見かける男性をアプリで見つけて心が躍った。ずっとタイプだったからだ。恋人がいるから友達募集と書いてあったが連絡をすると、お茶なら、と返事が来た。東京に来てこの時が一番幸せだった。

もしかしたらSEXする事になるかもしれないと思い、大会に出場するかの如く必死にトレーニングをした。色々と想像するとムラムラしてきて深夜に発展場に自転車で行って、そこそこのガタイの男に徹底的に掘られた。鍛えまくってエニタイムの彼にできれば掘ってもらいたい。お茶する日までまだあと2日あるからもう少しバルクアップできるかもしれない。発展場の男に体位を変えて掘り込まれながら彼はそんな事を考えていた。

「また会おうね」

当日は早めに店に着いた。5分前になって彼が現れた。ジムではわざとこの男と会わなさそうな時間に行くようにしていたので会っていない。実際に久しぶりに見るアプリの彼はジムでよく見た本人だったし、好きな顔だった。コーヒーを飲んで、ゲームの話をして、聞かれるままに過去の恋愛の話などをした。恋人と付き合っていなかったら好きになっていたかもしれないと言われた。

鍛えまくった体をタチに使ってもらう為に彼はジムに通っていた。オナニーするのはもったいないから、適当な相手を探して手っ取り早くヤるのが東京生活の醍醐味だった。全然知らないタチに触られ、良い体だと褒められて雑に使われ、一生懸命鍛えた体を台無しにされてイカされる事が好きだった。それはそれでいいが、そんな彼の心に一筋の光明が差すことになる。お茶をした男に、「大切にして」と言われて。

発展場で出会った恋は、いずれお互いが発展場に戻り終わると言われている。発展場に行ってる男が発展場に行っていない男に恋をすると、発展場には行かなくなる。大阪から来た彼は、なぜか発展場には行かなくなった。




かんたんなこと

2016-04-11 09:46:03 | 日記
とても簡単な事なのだ。

「みんなで一緒に花見に行きました」

「みんなで一緒にホームパーティをしました」

「みんなで一緒にイベントに行きました」

そういう人生であればよかったのだ。そして、こんな事を書くと、だったら行けばいいじゃん、と言われると思うが、そういう事ではない。高校ではクラスの人気者として君臨して彼女もいて、大学生でゲイに目覚めて皆から愛されて、男女からイケメンだと認められて、どこに行っても大勢に囲まれて、毎日が楽しくて、カッコいいねと言われて、そしてイベントに行ける人生であればよかったのだ。自分は成し得なかった人生だが、他人はいとも簡単にそんな人生を歩んでいるように見える。

実際に、花見もホームパーティもクラブのイベントも行った。本当に楽しかった。でも、何かが違ったのだ。凄い楽しかったし、初対面の人も皆優しかった。後日、その中の人からメッセージが来たこともあった。でも、その美しいはずの1コマ1コマは不思議と心に残らなかった。

ああだこうだと複雑に物事を考えるのは大抵がブサイクで、イケメンは大して何も考えていないだろう。誘われたから出掛けて、楽しかったからまたねー、でよい。会ってすぐSEXしたければすればいいし、タイミングがあったから恋愛をしたのだろう。ブサイクがごちゃごちゃ言っているのだ。イケメンは色々な予定がいっぱいで忙しいのだから物事を深く考える必要はない。それをこちらは「薄っぺらい」「頭が空っぽ」と思うのだが、それも含めて羨ましい。

いい男は2種類いる。サラブレッドのようないい男とブサイクから成り上がったいい男と。
バカなのが前者でひねくれてるのが後者。
見ていてよく続いているのが、この組み合わせのカップルだと思う。






インストラクター

2016-04-11 09:06:27 | 日記
「この子いいと思うよ」

友人からの紹介で社会人になったばかりの男性と知り合った。お茶をしましょうということになり、都内のカフェで待ち合わせた。時間になるとマッチョな男性がハーパンで現れた。第一印象は「脚が凄いな」ということだった。

少し前に別れたばかりだと話してくれた。お母さんと出掛けた話、学校の話、仕事の話を夢中で話してくれる彼の笑顔が好きだった。何回目かのデートの時、「付き合おうか」と言うと、「オレでいいの?」と聞かれた。

有名なインストラクターだという事は後から知った。スタジオレッスンの事はよく分からない。よく分からないから興味が無いというよりも、知らないままの方がいい気がした。だから調べてもいないし、聞きもしなかった。それを彼は心地いいと言ってくれた。そういうものなのかもしれない。彼が話してくれた時だけ彼の仕事内容を知る事が出来た。

オレの部屋でコーヒーを飲みながら話している時、少しうとうとしていたのでそのまま寝かせた。

「ごめん、ちょっと寝てていいかな」

「もちろん、いいよ」

彼はどんどん忙しくなり、自分も忙しかったのもあって次第に疎遠になっていった。まだ若かったのもある。今なら何とかしただろう。気付いたら別れていた。

凄いカッコよくて、一緒にいると楽しくて、キラキラしているのはあくまで仕事だからだ。2人で一緒にいる分には普通の男だ。声のトーンも違うし、仕事の話はほとんどしない。派手に遊んでいる訳でもない。そのコントラストが美しくもあり、哀しくもある。

レッスン中の彼をよく見かける。声を掛ける事はないが、いつか、また一緒にコーヒーが飲めたらいいなと思っている。


好きだ

2016-04-04 23:48:28 | 日記
自分が明日大阪に引っ越したら大阪の人と恋愛ができて、沖縄に引っ越したら沖縄の人と恋愛ができる。

「すべてを捨てて引っ越す事ができれば、自分は誰とでも付き合う事ができる」

30を過ぎると誰かを好きになる事自体が減る。言い換えると、良い恋愛ができるかどうかよりも、まずは誰かを好きになる事が尊いのだ。好き。その気持ちが胸いっぱいに広がって、「ああ、好きだ」と改めて実感するあの感じがしたのはいつだっただろうか。


あの太陽のように

2016-04-04 22:23:35 | 日記
自分の目線はどうしても下の方にある。23でデビューした時とそんなに変わっていないんじゃないかとさえ思う。自分は下で、他人は上。自分はいつも池のほとりにいて、空で輝く太陽を見上げ恋焦がれる。自分もいつかあの太陽のように輝きたい。その想いは今もきっと変わらないままだ。

その「目線」のせいか、ゴーゴーとトレーナーという立場の相手に敏感に反応する。大昔に手に取ったフライヤーで微笑んでいた完璧なゴーゴー、ジムに行けば圧倒的にカッコ良かったトレーナー達。自分にとって神のような存在であった彼らがいとも簡単に手に入った。

手に入ったかどうかは別として、実際にヤリ目的の時にはいくらでもヤレた。マッチョなウケしか募集していないのだから相応の職業の人に当然偏る。消防士や選手、体操部やらレスリング部やら、やるだけであれば意のままに集める事が出来た。真面目な出会い系で上手くいかず、体育会系とHするなどDVDの中だけのファンタジーだった自分にとって衝撃だった。

20代 デカマラ バリタチ 都内場所有り 

当時、この書き込みだけで毎日やれた。20代のパーソナルトレーナーとは一緒にトレーニングをした後部屋でSEXした。20代のゴーゴーはイベントの翌日にSEXした。20代のビルダーは全裸でポージングさせた後犯して、20代の格闘家は2丁目で飲んだ帰り道で露出させた。

自分はあの時何かを手に入れた気がして最高に心が充足されたのを覚えているが、実際には何も得てはいなかった。たかが体だけがいい男達だ。マッチョな体が目の前で射精して感動しても、それもいつかは慣れる。ケツが良かっただの、チ○ポがデカかっただの、どうでもよくなるのだ。だったら、手をつないでくれる男がいい。

やるだけで会ったのに「ちょっとコンビニ付き合って下さい」そう言ってアイスを買ってくれた男がいた。
帰る時、「また来てくれてもいいっすよ」と言ってくれた男がいた。
射精する時に一生懸命指を絡めてくれた男がいた。

なぜ、自分は彼らを選ばなかったのだろう。


何もない人生

2016-04-04 21:49:33 | 日記
ジムでよく話しかけてくる男性がいた。別に嫌な気はしなかったのでその後もジムで会えば軽く挨拶を交わす間柄になった。

彼はよく色々な人とジムで話していた。笑顔が爽やかだし人気者のように見えた。自分から積極的に話し掛けていくスタイルはただただ凄いなと感心した。彼のFBやインスタを見ると、イベントや旅行、ちょっとした食事などあらゆる場面で誰かと一緒にいる彼の画像で溢れていた。

初めてジム外で待ち合わせて一緒にコーヒーを飲んだ。彼がやって来た時、香水が強いなと思ったものの、すぐに忘れて話に没頭した。

彼と話していて気になったことがある。単発の話が多いのだ。「誰とどこに行った」はいいが、その後どうなった、という話が全くないのだ。アプリで出会った、この前のイベントに行った、大阪に行った。で、その人とはどうなったの?と聞くと、出会った相手とはHしてそれからは会ってない、イベントに行った人は友達だけどそんなに普段連絡は取り合っていない、大阪の人は向こうで初めて待ち合わせて会った人。突き詰めるとそんなのばっかだ。人間関係が継続していないのだ。SNS的というか、キャッチーな画像は次々と用意できるが、画像など今更取らなくてもいいような長く親しい付き合いの相手が全くいない事が分かった。

人当たりが良くて、いつも誰かとキラキラしているようなイベント事をSNSに上げていて、色々な人と色々な予定を入れているから忙しくて、実は空っぽな男。普通に生きていたらFBにオシャレな画像が溢れるような生活にはならないはず。何もない生活が怖いのだろう。何もない人生だと思われるのが。普通に生きている事は何もない人生ではないのだが。

仕事が終わったらジム、休みの日はFBにアップするような事がなければジムに行って発展場か出会い系でヤリモク。リア充風ゲイの大半は着飾っていても中身はこんな感じだろうか。