いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
過去の記事は随時掲載していきます。
以前読んで下さっていた方、ありがとうございます。

警察官

2017-10-28 12:30:05 | 日記
初めて一人暮らしをした家に、その男性を招待した。新宿駅東口交番前で待ち合わせたのは25歳の時だった。彼も25歳。学年は1つ違ったが誕生日の関係で同い年だった。

「コーヒーを飲みに行こうか」

「いいよ」

お互いにやり目的のアカウントで体の画像だけでこうして待ち合わせておきながら、会ったその場で普通のデートに切り替えた。今はもうないアパレルの店を見ながら歩き、もうなくなってしまったカフェでケーキセットを注文した。オレ全然分からないから同じのでいいよ、と彼が言うので笑いながら2つ同じセットを注文した。何でそんなにガタイがいいの、と質問すると意外な答えが返ってきた。警察官だったからかな、と。

その直後にオレが初めて一人暮らしをすることが決まって、色々とアドバイスをしてくれた。

「麺類くらいは自炊して、コンビニじゃなくてスーパーで買いなよ。」

そんな彼に部屋を見てもらおうと招待すると、予定を空けて泊りに来てくれることになった。次の日は帰る事になっていたが中抜けしてまた戻ってきてくれ、3日間ずっと一緒にいることになった。黒くてマッチョな若い身体が何度も射精するのを弄んだ3日間だったように思う。

よく彼はオレの顔を触れてきた。凄いプルンプルンの肌だとか好きな顔だとか言って指で頬を突っついたり両手で挟んだりして気に入ってくれていたようだった。だからというわけではないが、スキンケア自体はその当時からしっかりとしてきて、そんなに老けてはいないと思っている。あの頃のままというのは無理だが、誰かに好きだと言ってもらえるくらいの肌は保ってきた自信はあった。

それから10年以上が経ち、ジムで時々彼と出会う。向こうには向こうの人生があり、オレはオレで違う人生を歩んできた。彼の笑顔は変わらないが、老けたなとは思う。体型も緩んできているし、でもお互い様なのかなと思うと他人の事ばかり言ってもいられない。この前までは年下の相手と付き合っているようだったが、今はどうなっているのだろうか。

ロッカーで彼に声を掛けられた。久し振り、と話が弾んだ。ロッカールームという事もあって深い話はできなかったが、近況報告をし合って大体の現状を知ることができてよかった。そして、その時ちょっとだけ気になったがすぐに忘れてしまっていたある事を一人帰り道に思い出した。なぜか、彼がずっとオレの頬を見ていた事を。

低空飛行

2017-10-20 23:21:38 | 日記
過去に出会った男というのは、もう上手くはいかない気がする。あの時はそうだったかもしれないけど今なら、と考えるかもしれないが、そう人は変わらない気がするのだ。自分も相手も。だから、20代の時に出会った物凄いいい男達と再び出会えても素通りする事が多い。

20代の時、西新宿のカフェで待ち合わせた現役の選手がいた。なぜオレと会ったのだろうと思える程のいい男だった。真っ黒で爽やかで本当にカッコいいと思った。しかし、あまり話が盛り上がる事もなくそのお茶は終わった。

20代の時、渋谷のエクセルシオールで待ち合わせた男性がいた。マッチョでスーツ姿が似合っていた。同じジムだという事が分かって話は盛り上がったが、タイプじゃないからと早く切り上げられてしまった。

20代の時、自分はこういう事を繰り返していた。やり目的であれば80点くらいの男がいくらでも見つかるが、普通の出会いでは65点も難しかった。いい男と付き合いたければ全てが必要なのだ。顔と体と雰囲気と話し方と、あれもこれもが合格していなければならない。幸せになりたければ、全部揃えるか、全部諦めるかどちらかだろう。

そのどちらでもない状態がオレだ。何も揃えることもできず、諦めきれてもいない。自分に価値があるとも思えないが、それなりの幸せは欲しい。そんな30代を幸せだとは思わない。20代の時ほど輝きたいという情熱もないが、何か小さいところで他の30代よりはマシだという自尊心だけはある。これでいいのかもしれない。いつものジムでスタッフと話して、他の会員も知り合いが多くなってきて嬉しい。仕事はといえば無かったら困るけど増えても困る。キャリアアップなんか最初からどうでもいい。夜遅くまでコーヒーを飲みながらネットを見て、さっさと寝る。そんな低空飛行の人生がなぜか幸せのような気がする。