いい女よりもいい男の数は少ない

男の恋愛ブログです。
過去の記事は随時掲載していきます。
以前読んで下さっていた方、ありがとうございます。

キンモクセイ

2018-09-24 05:37:59 | 日記
好きな人ができる度に香水を変えるようにしている。ずっと好きなままでいられたら、きっと変える必要はないのに。

香水ではないがルームフレグランスとしてキンモクセイの香りを部屋に置いていた時期があった。遊びに来た彼が、珍しいね、と手に取って匂いを嗅いでいた。彼とはパンケーキの有名店に一緒に行った。何かの途中で寄ったマクドナルドで話が弾んで結局彼とのデートはマクドナルドになった事もあった。歌舞伎町の路地を彼と歩いた。いつものジムに彼を連れて行った。こうしてずっと一緒に歩いていられたら、と送ってくれた夜道で願った事があった。好きだった。彼の事が。

キンモクセイの香りを久し振りに置いてみたら、ずっと忘れていた記憶が蘇ってきた。

君と一緒に

2018-09-23 22:42:12 | 日記
22時過ぎのベローチェでアイスコーヒーを1人で飲んでいるとLINEのメッセージが届いた。

「遅くなってすみません、急いで向かいます」

「いいよ、ゆっくり来て」

彼とはアプリで先日知り合って、初対面ながらゲームの話で盛り上がった。また会おうという事になってこの日彼と待ち合わせた。どんな顔だったっけ、とスマホで画像を確認する。アプリのプロフィール画像の彼はこちらを見て微笑んでいた。若くて鍛えていて、とてもカッコいいなと思いデータフォルダを閉じた。

不規則な勤務の彼は仕事の終わり時間も未定なようで、「大体」という事で決めた待ち合わせ時間が夜22時だった。サラリーマンであればこんな事は考えづらい。場合によっては「帰りが未定」という事もあるのかもしれないが、少なくとも日常的ではないだろう。彼は毎日が未定なのだ。

「もうすぐ着きます、まだいますか?」

「もちろんいるよ笑」

若い時はお金が欲しかった。何万もする服が欲しくて、香水も欲しかったし腕時計も欲しかった。カッコいい服を着て遊びに行きたかった。もしかしたら彼もそうなのかもしれないし、何か事情があるのかもしれない。本当に本業だけで忙しかったらトレーニングなどできないはずだ。マッチョであるという事は、トレーニングに関しては時間の融通が利くという事だ。もしかしたらマッチョでなくては「副業」が成り立たないのかもしれない。

彼が一生懸命鍛えた体を、見知らぬ誰かがお金で好きに弄んでいる事を思うと少し心が痛んだ。とても自分勝手な感情だと思う。彼が経済的に潤う事を応援したい。しかしそれは、彼がそれだけ体を好きに使われて色々な事をさせられるという意味でもある。

「お待たせしました笑」

「お疲れ様ー!」

汗だくの彼が笑顔でリュックから財布とタオルを取り出した。

「オレも何か買ってきますね!」

すぐ席を離れた彼からはボディシャンプーの匂いがした。そして、なぜか財布がリュックの奥底に入っていた。

疲れたと言ってオレンジジュースを飲んでいる彼の笑顔が眩しかった。無い時間を割いて、こうしてオレと会ってくれているのだ。余計な事を聞く必要もないだろう。彼が何をしていようと彼の本質とは関係がないように思えた。信じた、と言ってもいいかもしれない。

「楽しいね」

「楽しい!」

こうして一緒にいられて、よかった。






同志

2018-09-19 14:19:24 | 日記
Twitterやアプリを眺めていると鍛えて真っ黒に焼けたヤリ目的のバリタチの煽り投稿が目に付く。とにかく徹底的に当て掘りするからガタイいいウケのみ募集といった、いつの時代でもよく見かける文章だ。総じてSEXマシンのようなエロいマッチョタチが性処理相手のマッチョ従順ウケを探し求めている様子が目に浮かぶ。実際にその通りなのだろうが、その性獣のようなタチも当然普段は普通の生活をしているはずだ。スーツ姿で会社に出勤しているのかもしれないし、サービス業でお客様に笑顔で接しているのかもしれない。そんな彼らがジムで鍛えた体と自慢の性器をフルに使って激しいSEXをしていると思うとかつては興奮した。しかし更にその先の、「でも普通」という部分にこそ今は興奮する。

自分もずっとタチなので彼らが対象になる事はないが、同志として気持ちが分かる部分はある。毎日ヤリたくて今日も明日もウケを探しているようなタチが、どこか愛おしいのだ。かつての自分がそうだったから分かるが、心が空虚だからヤリ目的に走るのだ。会社で活躍していて、ジムで鍛えていて、カッコいいヤリたいとチヤホヤされているようなタチもどこか寂しいのだろう。色々な人とSEXしたい。だから恋愛とか面倒。でも誰かと出会ってずっと一緒にいたい。そんな風に行先を失ったタチが路頭に迷っているように思える。自分は満ち足りていない時はアイスやポテトチップスをやたら食べたくなるので分かりやすいが、欲求としてはそれと同じだろう。満ち足りていないから何かを補おうとする。それが買い物かもしれないし、SEXかもしれない。

「よかったら今度一緒に食事しましょう!」

「はい。タチから誘われるの初めてですw」

体画像だけのエロいバリタチも気軽に誘うと割と会ってくれたりする。