「この子いいと思うよ」
友人からの紹介で社会人になったばかりの男性と知り合った。お茶をしましょうということになり、都内のカフェで待ち合わせた。時間になるとマッチョな男性がハーパンで現れた。第一印象は「脚が凄いな」ということだった。
少し前に別れたばかりだと話してくれた。お母さんと出掛けた話、学校の話、仕事の話を夢中で話してくれる彼の笑顔が好きだった。何回目かのデートの時、「付き合おうか」と言うと、「オレでいいの?」と聞かれた。
有名なインストラクターだという事は後から知った。スタジオレッスンの事はよく分からない。よく分からないから興味が無いというよりも、知らないままの方がいい気がした。だから調べてもいないし、聞きもしなかった。それを彼は心地いいと言ってくれた。そういうものなのかもしれない。彼が話してくれた時だけ彼の仕事内容を知る事が出来た。
オレの部屋でコーヒーを飲みながら話している時、少しうとうとしていたのでそのまま寝かせた。
「ごめん、ちょっと寝てていいかな」
「もちろん、いいよ」
彼はどんどん忙しくなり、自分も忙しかったのもあって次第に疎遠になっていった。まだ若かったのもある。今なら何とかしただろう。気付いたら別れていた。
凄いカッコよくて、一緒にいると楽しくて、キラキラしているのはあくまで仕事だからだ。2人で一緒にいる分には普通の男だ。声のトーンも違うし、仕事の話はほとんどしない。派手に遊んでいる訳でもない。そのコントラストが美しくもあり、哀しくもある。
レッスン中の彼をよく見かける。声を掛ける事はないが、いつか、また一緒にコーヒーが飲めたらいいなと思っている。
友人からの紹介で社会人になったばかりの男性と知り合った。お茶をしましょうということになり、都内のカフェで待ち合わせた。時間になるとマッチョな男性がハーパンで現れた。第一印象は「脚が凄いな」ということだった。
少し前に別れたばかりだと話してくれた。お母さんと出掛けた話、学校の話、仕事の話を夢中で話してくれる彼の笑顔が好きだった。何回目かのデートの時、「付き合おうか」と言うと、「オレでいいの?」と聞かれた。
有名なインストラクターだという事は後から知った。スタジオレッスンの事はよく分からない。よく分からないから興味が無いというよりも、知らないままの方がいい気がした。だから調べてもいないし、聞きもしなかった。それを彼は心地いいと言ってくれた。そういうものなのかもしれない。彼が話してくれた時だけ彼の仕事内容を知る事が出来た。
オレの部屋でコーヒーを飲みながら話している時、少しうとうとしていたのでそのまま寝かせた。
「ごめん、ちょっと寝てていいかな」
「もちろん、いいよ」
彼はどんどん忙しくなり、自分も忙しかったのもあって次第に疎遠になっていった。まだ若かったのもある。今なら何とかしただろう。気付いたら別れていた。
凄いカッコよくて、一緒にいると楽しくて、キラキラしているのはあくまで仕事だからだ。2人で一緒にいる分には普通の男だ。声のトーンも違うし、仕事の話はほとんどしない。派手に遊んでいる訳でもない。そのコントラストが美しくもあり、哀しくもある。
レッスン中の彼をよく見かける。声を掛ける事はないが、いつか、また一緒にコーヒーが飲めたらいいなと思っている。