凡人マスター

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万田坑

2008年01月08日 | お出かけ(国内)


もし、少しでも興味を持ってもらえたなら、
是非一度近くで見てもらいたい。
今日ご紹介するのは、国指定重要文化財・史跡になっている【万田坑
ここを訪れたのはごく最近ではありませんが、
未だに情景を思い浮かべることができます。



万田坑は、三井三池石炭が総力を挙げて整備したわが国最大規模の竪坑です。
1897(明治30)年から三川坑と統合され採炭を中止する1951(昭和26)まで、わが国の近代化を支え、大きな役割を果たしてきました。
1897年~1902年にかけて第一竪坑、1898年~1908年にかけて第二竪坑が作られました。
現存する第二竪坑は、人員の昇降などを主目的として作られたもので、
櫓や巻き上げ機室、附帯設備などが残っています。
竪坑:垂直に掘り下げた坑道。運搬路や通気に用いる。
横坑:ほぼ水平に掘った坑道


















現在は保存されているのは、
第二竪坑・ヤグラ、巻揚機室、倉庫及びポンプ室、安全燈室及び浴室、
事務所、山ノ神祭祀施設など。
そして遺存しているのは、
第一竪坑跡、汽罐場跡、坑内トロッコ軌条、職場、プラットホームなど。
採炭→選炭→運炭という流れを史跡から学ぶことができます。



近くには万田炭鉱館(無料)があり、より詳しく万田坑や当時の人々の暮らしを知ることができます。

近代遺産を訪れると、時が止まったような感覚に襲われます。
しかしそのひとつひとつを見ていくと確実に時間が流れていること、
確かにそこに人の生きざまがあったことを感じることができます。
事故で命を落とされた方も多数いるそうです。

黒いダイヤを追い求め、活気があった頃のことを想像してみる。
ここで誰かが腰を下ろし汗を拭っていたのかもしれない。
ここで誰かが立ち話していたのかもしれない。
ここで祖国のことを思って泣いていたのかもしれない。

風による木々のざわめきが、まるで足音のように聞こえた。
私たちが今こうして生活していられるのも、この時代の人々が
頑張ってくださったからと言っても過言ではないでしょう。

実はこの万田坑は、千里眼を持っていたと言われる御船千鶴子によって発見されたという説があります。千鶴子は石炭のありかを透視で見事に見つけだし、三井合名(三井財閥本社)がお礼として2万円(現在の金額で2000万円以上)を支払ったそう。
そして映画・小説「リング」の貞子の母親、山村静子のモデルになっているのも彼女だそうです。
詳しく知りたい方はコチラ→ 



万田坑へのアクセスや、見学を希望される方はコチラ→ 
または、荒尾市教育委員会へ。