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三毒

2022年12月02日 | 教学ノート(三)

大白法 平成28年8月16日(第939号)

 「教学ノート」 

  ㉓ 三 毒

 三毒とは、

 貪欲(とんよく)(貪(むさぼ)る心)・瞋恚(しんに)(瞋(いか)る心)・愚癡(ぐち)(愚(おろ)かな心)の三種類の煩悩のことを言います。

衆生の善心を害する根本的な煩悩であることから、毒に譬えた語で、貪瞋癡(とんじんち)の三毒とも言います。

 『五百弟子受記品』には、

 「衆に三毒有り」(法華経 296㌻)

と説かれているように、私たち、一切の衆生が持っている煩悩です。

 日蓮大聖人様は『観心本尊抄』に、

 「瞋るは地獄、貪るは餓鬼、癡かは畜生」(御書 647㌻)

と仰せで、貪瞋癡の三毒は、地獄・餓鬼・畜生の三悪道の境界を表しています。

 貪欲とは、自分の欲しいものに執着して貪る心で、餓鬼の生命を言います。

 瞋恚とは、自分の心に違うものを瞋る心を言います。瞋りは苦を与えるため、それが業因となって地獄の報いを受けるのです。

 愚癡とは、道理に迷う愚かな心で、本能的に動く畜生の生命を言います。

 大聖人様は三毒について『始聞仏乗義』に、

 「此の苦果の依身は其の根本を探り見れば貪・瞋・癡の三毒より出でたるなり」(同 1208㌻)

と仰せのように、貪瞋癡の三毒は、私たちがこの身に受ける様々な苦しみの根元となるのです。

 また『曽谷殿御返事』には、

 「邪法をあい(愛)し、正法をにくむ、三毒がう(強)じゃう(盛)なり。(中略)

飢渇(けかち)は大貪(だいとん)よりをこり、やく(疫)びょう(病)はぐ(愚)ち(癡)よりをこり、合戦は瞋恚よりをこる」

 (同 1386㌻)

とあり、貪瞋癡の三毒は邪宗教によって悪循環し、増大していきます。そして、正法に違背し、邪宗教を信仰することで、三毒は単に個人の不幸、迷いの根元となるだけではなく、貪りから飢饉、瞋恚から戦争、愚癡から疫病が起こり、日本乃至全世界の人々と国土の不幸の根元となるのです。

 では、いかなる法によって貪瞋癡の三毒は対治することができるのでしょうか。『開目抄』に、

 「貪・瞋・癡等の三毒は仏の種となるべし」(同 530㌻)

とあるように、私たちは大聖人様が説かれた妙法蓮華経を正しく素直に受持・信行することによって、貪瞋癡の毒気は成仏の因となり、即身成仏の大利益を得ることができるのです。



🖊 ポイント

 御法主日如上人猊下は、

 「貪瞋癡の三毒に害せられ、苦悩にあえぐ、より多くの人達を正しい信心に導いていくことが、大聖人様の弟子檀那として今、最も肝要であり、これこそ御本仏大聖人のお心にかなう自行化他の信心であります」(大白法 801号)

と仰せです。

 私たちは多くの人々を救うために、自行化他の信心に励むことが大切です。特に折伏行の実践は、三毒が元で起こる飢饉や戦争などを断ち切ることができ、相手の幸福のみならず、世界の平和をも築けるのです。


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