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彼岸会の意義

2023年03月22日 | 季語・語句の意義

大白法 令和五年三月十六日 第1097号

 彼岸会の意義

 春分の日(3月21日)を中心に各寺院で

 塔婆を建立し、家族揃って参詣しましょう

 

 彼岸会は、春分と秋分の年二季に行われる法要です。

 その春分に当たる今月二十一日には、総本山において御法主日如上人猊下大導師のもと、春季彼岸会が奉修されます。また、この法要は全国の各寺院においても春分の日を中心に執り行われます。

 仏教では、私達が現在生活している世界のことを穢(え)土(ど)、または娑婆世界と呼び、煩悩や苦しみの充満した穢(けが)れた国土であると説きます。この娑婆世界を「此(し)岸(がん)」、これに対して悟りの境界、成仏の境界のことを「彼岸」に譬えるのです。そして、悩みや苦しみを取り除き、悟りの境界に至ることを「到彼岸」と言います。

 法華経以前に説かれた四十余年の諸経には、釈尊在世や正法・像法時代の菩薩たちが、無量劫という長い期間、何度も生死を繰り返しながら六波羅蜜等を修行して、悟りを得たことが説かれています。

 しかし大聖人様が、

  「生死の大海には爾前の経は或は筏或は小船なり。生死の此の岸より生死の彼の岸には付くと雖も、生死の大海を渡り極楽の彼岸にはと(届)づきがたし」

   (御書 三五〇㌻)

と仰せのように、末法の衆生は爾前経に説かれる歴劫修行では、成仏の彼岸に到ることは到底叶いません。

 私たちが成仏の境界に到るためには、大聖人様が、

 「日蓮がたま(魂)しひをす(墨)みにそめながしてかきて候ぞ(中略)あひかまへて御信心を出だし此の御本尊に祈念せしめ給へ」(同 六八五㌻)

と仰せのように、御本尊を信じ奉り、御祈念することによって、

 「六度の功徳を妙の一字にをさめ給ひて、末代悪世の我等衆生に一善も修せざれども六度万行を満足する功徳をあたへ給ふ」

   (同 六〇五㌻)

と示されるように、菩薩修行の中心である六度(六波羅蜜)をすべて修行する功徳として、即身成仏の大利益を戴くことができるのです。

 ですから彼岸会においては、私たち一人ひとりが唱題を根本とした折伏・育成等の実践によって戴いた功徳を、諸々の先祖に追善回向していくことが大切です。

 また、彼岸会では各々の先祖供養のために塔婆を建立して回向を行います。

大聖人様はこの塔婆供養の功徳についても、

 「丈六のそ(卒)と(塔)ば(婆)をたてゝ、其の面(おもて)に南無妙法蓮華経の七字を顕はしてをはしませば(中略)過去の父母も彼のそとばの功徳によりて、天の日月の如く浄土をて(照)らし、孝養の人並びに妻子は現世には寿(いのち)を百二十年持ちて、後生には父母とともに霊山浄土にまいり給はん事、水す(澄)めば月う(映)つり、つゞ(鼓)みをう(打)てばひ(響)ゞきのあるがごとしとをぼしめし候へ」

   (同 一四三四㌻)

と説かれています。

 したがって彼岸会には、これらの深い意義に基づき、寺院において御本尊様のもとに先祖代々をはじめ亡くなった方々の塔婆を建立し、真心から回向をすることが肝要です。

 その功徳は、自らの福徳となって我が身を潤すことにも繋がっていくのです。そしてこの機会に、未入信の家族・親戚にも、正しい信心を持ち塔婆供養することの大切さを伝えていきましょう。