大白法 令和4年12月16日 (第1091号)からの転載
諸宗教破折 142
邪教の苦悩から救い出す
ー諸宗教
過日の安倍元首相の銃撃事件。容疑者は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元信者で、親が教団に約一億円もの献金をして破産したことが、事件の発端であったという。
そして、別の元信者である女性によって開かれた記者会見では、教団によって受けた苦難の日々が赤裸々に打ち明けられた。
本来、人を救うべき宗教が、人を苦しめていたというこの事件。これは、けっして旧統一教会だけの話ではない。
これらの根底にある邪な教えによって人生が狂わされ、苦しむこととなる。跳梁跋扈する邪教を見過ごしてはならない。
搾取の教団
「全国霊感商法対策弁護士連絡会」によると、旧統一教会による被害は、三十五年間で被害件数三万四千五百三十七件、被害総額約千二百三十七億円であったという。
しかし、邪教団による搾取は他にもある。例を挙げれば「幸福の科学」では、教祖発行の出版物の販売数が布教の数であるとし、新作が発刊されるたびに信者は多部数を購入する。 それが毎月のように何冊も出版されるのだ。
また「天理教」では、信者に富は不幸の原因と言い、家財を教団に献上することを教える。
財産の搾取に箍(たが)が外れた教団により、破産に追い込まれたり、命の危機も。 その余波は、子供の日常を蝕む。受験を諦めたり、食べるものにすら窮(きゅう)し、当たり前の生活が失われたりもしているのだ。
宗教の呪縛
一般的にキリスト教では、人は生まれながらに原罪があると教える。
一方、キリスト教団を標榜する旧統一教会では、信者同士が結婚して生まれた子供には原罪がない、という独自の教義がある。「祝福二世」と呼ばれる子供は原罪のない”血統”を増やす使命を課せられ、 将来は教団の者と結婚を強要される。
同じキリスト教系教団の「エホバの証人」でも、教団外の者を悪魔とし、交友はおろか、教義に抵触する行事の参加も許されない。祝福とは名ばかりの、人生を縛られた子供は数多く、ネット上には彼らの苦難の声が吐露されている。
治療を受けられない子供
エホバの証人の信者が輸血を受けないことは有名であるが、子供も例外ではない。かつて、事故に遭い輸血を要する子供が、親の輸血反対によって命を落としたこともあった。子供の意思とは関係なく、最善の治療を受けられないのだ。
また、「手かざし」で病気を治せるとした真光教団の教義を信じた親が、子供に「手かざし」 するばかりで治療しない事案もある。治療を受けさせず死に至らしめる事例もあり、「手かざし」のまやかしに惑わされれば、愛する我が子を苦しめることとなる。
迷妄の法を恐れる
そもそも、旧統一教会やエホバの証人は、聖書を教団に都合よく解釈し、キリスト教からも異端視されている。
また、幸福の科学や、天理教、真光系教団は、自分らに都合よく教義を作り出す、道理なき信仰である。
いずれも、教祖の我慢偏執による妄説を打ち立てており、そこに救われる道理などない。
日蓮大聖人が、
「迷妄の法に著するが故に本心を失ふなり」
(御書 一八五八㌻)
と仰せのように、邪教団に傾倒すれば、 正常な判断はできなくなる。それが、自分だけでなく家庭をも苦しめる結果となることを恐れるべきである。
『立正安国論』には、
「何ぞ同じく信心の力を以て妄(みだ)りに邪義の詞(ことば)を宗(あが)めんや」
(同 二四九㌻)
とある。
親が子や孫を思い、 信仰を伝えたいという気持ちは尊い。だからこそ、苦しみの原因である謗法を捨て、唯一絶対の正法である三大秘法に帰依することが大事である。
今なお、苦しみにもがく人は多く、「自分や家族が地獄に落ちるのでは」と恐れ、抜けられずにいる人もいる。我々はそのような人々の声を聞き漏らさず、救いの手を差し伸ばし続けなければならない。