養蚕農家カフェ桑の実 ブログ 鹿児島県唯一の養蚕農家(鹿児島県指宿市)

鹿児島県指宿市の里山にある「いぶすき紬と養蚕農家カフェ桑の実」
養蚕と織物、養蚕カフェの四季と日常を綴っています。

巻き替え作業後

2011年11月14日 | 工程
昨日から草木の染色作業に入ってます。本日も草木染め2種類 + タテ糸ののり付け作業の前準備

先ほど、染色作業が本日分は終え、今から明日の糊付け作業用の布のりを作ります。


今回、試作の紬作りと書いていますが、注文のあった紬の新たな地風を出すため、下記の変更による試作を
行いながらの作業です。

① 糸繰り器の改造、撚糸器の改造  ②タテ糸・ヨコ糸のデニール(太さ)変更 

③ ヨコ糸の合糸の変更(引き方違いの糸の組み合わせ)

④ 精練方法の変更  ⑤ 精練目減りの変更(セリシンの落とす度合いの変更)

⑥ 織機の綜こう変更 ⑦ 筬の変更 ⑧ 試作品をつくるために新たな道具制作などなど

地風を変更するにもこれだけの試作をしながら進めてます。


今回糸の繊度変更や糸の組み合わせを変えたため、織り上げてみないと地風がなんとも分かりません。

当工房の風合いで、私の計算上はバッチリなんですが・・・


画像は、巻き替え後のおおまかな作業になります。

枠に巻き替えからカセに巻き変え作業


この道具は、このように綾状に巻かれていきます


生糸のセリシンを減らす、精練作業。
今までは、アルカリ精練の藁灰・椿灰・石鹸精練をしてましたが、今回は、より糸を痛めないクエン酸精練で。
(アルカリ精練より、クエン酸精練のほうが、毛羽も少なく染色後の伸び率もいいデータが工業技術センターから出てます)


均一にセリシンが落ちるように、位置をずらしながら常に糸を動かします。
又、セリシンの滑り具合を手で感じながら、八分練りになるように作業します。


八分精練後の絹糸です。セリシンが抜けると絹本来の白になります。


明日は、再度草木染めしたのち乾燥させて、布のりでタテ糸の糊付け作業にはいります。


上原達也

いぶすき紬染織工芸のHPはこちらから