音楽という食物

ジャズ系を中心に好きな音楽について

Chick Corea & Gary Burton / Hot House

2012-03-18 00:32:07 | ジャズ



少し飽きがきている感は否めないこのデュオ。

今回はスタンダードで固めたということで、そこは良いと思う。
過去の「Native Sense」に入っていたMonkの「Four In One」はアルバムの中でも際立っていた。少し期待してしまう。


二人は相変わらずの技術の高さではありますが、良くも悪くもルーズさを備えてきた。
そこは今なりの良さということで受け取っているのですが、この打楽器系のぶつかりについてはズレが変に目立ってしまう。そういう意味ではやっぱりカキーンと決まっている方がこの編成向きではあると思う。

そんなんで車やヘッドフォンで聴いていると、そのいちいち決まり切らないユニゾン(スタンダードでもキメキメなユニゾン作ってますね)に年齢を感じてしまったり。しかし流し聴きしているうちにいつもにはない良さが出てきます。

スウィング、でしょうか。クシャクシャにはしゃぐピアノと踊るビブラフォン。
スタンダードから引きだされた歌心がちゃんとあります。


冒頭の「Can't We Be Friends」はそのクシャクシャ感がたまりません。
変なピアノ。大好きです。

「Eleanor Rigby」は昔ビートルズトリビュートのオムニバスにソロバージョンを提供してましたね。やっつけで演ったものだと思っていたらレパートリーになってるんですかね。終盤のアレンジは相当気合入ってます。もうちょっと成熟して、ライブなんかで聴けたらすごいことになっていそう。

嬉しいのはまさかの「Strange Meadow Lark」。
Dave Brubeckのソロで好きなテイクがあります。
正直勝ってはいませんが、雰囲気を大切にした良いテイクだと思います。

今回は「Light Blue」というMonkの曲が入ってます。1曲でもあると本当に良いアクセントになります。

「My Ship」は個人的にChickNo1迷作「Expressions」の中で、比較的頑張っていたテイクのアレンジが踏襲しているようです。これは良いです。Burtonの無伴奏ソロが息を飲む美しさ。彼の無伴奏はもっと聴いてみたいと思いました。

ラストはString Quartetが入ってきます。ECMでこういう作品ありましたね。最後にストリングス入りという。
リハしたら想像以上に良かったから入れましたということ。いちいち勘ぐるのはやめましょう。勢いなのです、彼は。でないとこんなにいろんなプロジェクトを並行で進めてリリースもしたりしません。



というわけで、第一印象のイマイチさは何処へやら。気付けば再生回数はうなぎのぼりの本作。カッチリし過ぎていると案外飽きるのも早いんですよね。結局お気に入りです。





Chick Corea & Gary Burton / Hot House
●●●●● ●●●○○


1.Can't We Be Friends
2.Eleanor Rigby
3.Chega de Saudade
4.Time Remembered
5.Hot House
6.Strange Meadow Lark
7.Light Blue
8.Once I Loved
9.My Ship
10.Mozart Goes Dancing



Chick Corea-piano
Gary Burton-vibraphone
The Harlem String Quartet(10)



2012年作品






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3 コメント

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TBさせて頂きます。 (中年音楽狂)
2012-03-23 07:58:24
おはようございます。TBありがとうございました。

好きな曲、かぶってないですね(笑)。面白いなぁと思ったのは、"My Ship"に"The Mad Hatter"で聞いたようなフレーズが出てきたように感じたところだったりする私です。

記事にも書きましたが、ECM時代のよさは感じないものの、近年のこのコンビのアルバムでは一番好きですね。

ということでこちらからもTBさせて頂きます。
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楽しい感じ (ki-ma)
2012-03-23 19:53:20
音楽狂様
コメントありがとうございます。
今回は楽しくて好きです。
この年齢のモチベーションというのがこういう方向なのかなと感じます。
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TBさせていただきます (910)
2012-04-10 18:33:20
年齢を重ねて、まあ昔のようには、っていうところもあるとは思いますが、いい方向に歳をとってきたかなあ、なんてことを思ってしまいます。曲も時間の経つのを忘れて通して聴けましたし、これも40年の流れでしょうか。
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