少し飽きがきている感は否めないこのデュオ。
今回はスタンダードで固めたということで、そこは良いと思う。
過去の「Native Sense」に入っていたMonkの「Four In One」はアルバムの中でも際立っていた。少し期待してしまう。
二人は相変わらずの技術の高さではありますが、良くも悪くもルーズさを備えてきた。
そこは今なりの良さということで受け取っているのですが、この打楽器系のぶつかりについてはズレが変に目立ってしまう。そういう意味ではやっぱりカキーンと決まっている方がこの編成向きではあると思う。
そんなんで車やヘッドフォンで聴いていると、そのいちいち決まり切らないユニゾン(スタンダードでもキメキメなユニゾン作ってますね)に年齢を感じてしまったり。しかし流し聴きしているうちにいつもにはない良さが出てきます。
スウィング、でしょうか。クシャクシャにはしゃぐピアノと踊るビブラフォン。
スタンダードから引きだされた歌心がちゃんとあります。
冒頭の「Can't We Be Friends」はそのクシャクシャ感がたまりません。
変なピアノ。大好きです。
「Eleanor Rigby」は昔ビートルズトリビュートのオムニバスにソロバージョンを提供してましたね。やっつけで演ったものだと思っていたらレパートリーになってるんですかね。終盤のアレンジは相当気合入ってます。もうちょっと成熟して、ライブなんかで聴けたらすごいことになっていそう。
嬉しいのはまさかの「Strange Meadow Lark」。
Dave Brubeckのソロで好きなテイクがあります。
正直勝ってはいませんが、雰囲気を大切にした良いテイクだと思います。
今回は「Light Blue」というMonkの曲が入ってます。1曲でもあると本当に良いアクセントになります。
「My Ship」は個人的にChickNo1迷作「Expressions」の中で、比較的頑張っていたテイクのアレンジが踏襲しているようです。これは良いです。Burtonの無伴奏ソロが息を飲む美しさ。彼の無伴奏はもっと聴いてみたいと思いました。
ラストはString Quartetが入ってきます。ECMでこういう作品ありましたね。最後にストリングス入りという。
リハしたら想像以上に良かったから入れましたということ。いちいち勘ぐるのはやめましょう。勢いなのです、彼は。でないとこんなにいろんなプロジェクトを並行で進めてリリースもしたりしません。
というわけで、第一印象のイマイチさは何処へやら。気付けば再生回数はうなぎのぼりの本作。カッチリし過ぎていると案外飽きるのも早いんですよね。結局お気に入りです。
Chick Corea & Gary Burton / Hot House
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1.Can't We Be Friends
2.Eleanor Rigby
3.Chega de Saudade
4.Time Remembered
5.Hot House
6.Strange Meadow Lark
7.Light Blue
8.Once I Loved
9.My Ship
10.Mozart Goes Dancing
Chick Corea-piano
Gary Burton-vibraphone
The Harlem String Quartet(10)
2012年作品
好きな曲、かぶってないですね(笑)。面白いなぁと思ったのは、"My Ship"に"The Mad Hatter"で聞いたようなフレーズが出てきたように感じたところだったりする私です。
記事にも書きましたが、ECM時代のよさは感じないものの、近年のこのコンビのアルバムでは一番好きですね。
ということでこちらからもTBさせて頂きます。
コメントありがとうございます。
今回は楽しくて好きです。
この年齢のモチベーションというのがこういう方向なのかなと感じます。