讃州菴

讃岐善通寺周辺のちょっと昔を探検してみよう。
善通寺・旧陸軍十一師団・琴平参宮電鉄など。

『勝地讃岐と其産業陣営』(香川新報社、昭和8年)序

2017-03-19 | はしがき・序
書物、本の始まりには、本文(本編)の前に、はしがき・まえがき・序と称する一文がある事が多い。
著者のその書物への意気込み、本文のへの思いが一杯詰まっている。



このブログで多く引用している『勝地讃岐と其産業陣営』(香川新報社、昭和8年)の序文を紹介する。
旧漢字は、現漢字に改めているので、ご了承下さい。



 産業は国の力である、国の力を如実に有効に働かせて行くものは経済である、古往近来苟も経済を閑却して国の栄えた例しなく、産業を無視して経済の立行く例しは無い、即ち産業は体である、経済は用である、体用照応してこゝにはじめて国力栄え国威輝く之を人体に譬へて見れば、産業は血液である、経済は脈管である、その血能く調その脈能く通ず、そこに体力の強健を認め体質の康全を期し而して智能は愈よ伸びて行く、凡そ何れの国を問はず産業経済の発達しないものは必ず衰頽する、随つて何れの国も亦斉しく常に之を競ふてこゝに意を尽し、専ら産業の鼓吹に努めてゐる、殊に我国は遠く 天孫降臨の昔から 神勅を奉じて瑞穂国を治しめし産業を基本とし農工商を御宝草として五百津大御国を興建し給ふた尊き歴史の回顧を俟たず、現代暹々隆々として弥栄えます国運の瞭かに物語る実証ではあるまいか、我社事業部こゝに感ずる所あり、かねて香川県産業勇士の奮闘に築き上げたる一般産業界の誉光とその目覚ましき勇士の偉勲について査記する事すでに三歳、今これが略々結了に際して、更に切々たるものありその労を多とすると同時に、平和の戦士が輝やく報労の成果こそ傍人にも斉しく他山の石たるべきを深く想ふ、茲に多方面よりの希求もあり我事業部は奮起一番前記産業に加ふるに景勝を纏めて『勝地讃岐と其産業陣営』に編し、更めて世の利生たらしめんを期しこれに余が序を連ねし次第である、本書素より香川県を出れずも必ずしも局限を許さず、産業輝光の及ぶところ県の内外、国の東西延いて海外在住同胞の心裡脚光を照らす雋敏鋭明のプリズムとなればまた大いに幸とする。

 昭和八年 
      香川新報社々長 小田榮次





段落なく、読点(、)のみで文章を繋ぎ、最後に句点で締めているのは、原文のまま。


香川県の産業界の名士の創業してからの活躍を細かく描写し、これからも香川県経済を牽引して行くぞという意気込みが感じられる一冊である。







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