Takeda's Report

備忘録的に研究の個人的メモなどをおくようにしています.どんどん忘れやすくなっているので.

総合学術辞典フォーラム

2009年05月10日 | 会議参加記
総合学術辞典フォーラムなるものに参加してきました。

このフォーラムの主題は学術オントロジーの構築です。いわばそのPRのためのフォーラムといったものです。今回はオントロジー構築そのものの話はあまりなく、その周辺に関する諸問題に関する話でした。

プログラム
13:00~13:40「学は何処より来たりて何処へ向かうのか?」原島 博(元東大)
13:40~14:10「オントロジーに基づく学術辞典の設計」橋田 浩一(産総研)
14:10~14:40「百科事典・専門辞典を基点とする情報アクセス」高野 明彦(NII)
14:40~15:10「Web時代の学術情報流通の方向性を考える」武田 英明(NII)
15:10~15:40「大学の知を教育現場が使える形で発信する試み」三宅 なほみ(東大)
15:50~17:00 総合討論

というプログラムです。

面白かったのは原島先生の話でした。
原島先生は東大時代に接点はほとんどありませんでしたが、お話を伺うととても印象的でした。僕は「顔学」でしか知らなかったのですが、情報理論の大家だったんですね(うーん、いまさらながら恥ずかし)。
科学の方向性に関する話なんですが、実体験をもとに話をされて説得力がありました。
ポイントは科学のモード1、モード2というものです。
モード1は科学者自らの好奇心に基づいておこなう自己充足的な研究で、モード2は国、産業界などからの要請を受けておこなうプロジェクト型の研究です。で、モード3はあるのかと。
モード3とは開放型、ロングテール型なのか?
モード3とは発信型、ビジョン型なのか?

この間、私が参加したニコニコ動画分析研究会なんかはプロの研究者というよりは自然にやりたい人が集まった研究会でした。これはモード3なのかそれともモード1への先祖返りなのか。でも重要なところです(終了後、この件は原島先生とも話をしました)。



私の話はかなり混乱気味でした。(三宅先生には「これでもかこれでもかと出てきましたね」と笑われてしまいました :-) :-) )
私の発表資料です。
半分はまあ私の持論である情報流通モデルの話+学術情報流通の課題で、後半はNIIのサービス紹介とオントロジーの関連を語るというものでした。
立場もセマンティックWeb研究者と情報サービス提供者という二つの立場が混在していました。私としてはこれを統一したい、まあそれが今年の目標でもあります。
実際、オントロジーサービスをぜひ開発運用したいと思っています。

フォーラム自身もまだまだ未成熟で焦点がしぼりきれていない感があります。
これから認知科学会、情報処理学会全国大会でも続きをやるようですので、乞うご期待といったところでしょうか。