地下鉄の出口に植えられている、ジンチョウゲのつぼみがほころびかけていました。春の花の先駆けとして、あの芳香を街角に漂わせて、春を告げるのも後わずかです。
日に日に、春の日差しが強くなってきました
今日は、2月29日。ちょっと特別な日なので、日暦についての考え方を整理してみましょう。
日暦自体は、中学入試問題の中では、そんなに比重は大きくないけれど、重要な考え方を含んでいるので、しっかりマスターしましょう。
「ヤン太、今日は何日か知っているかな。」
「知っているさ。2月29日でしょう。今年はうるう年だから。」
「ではどういった年が、うるう年になるのかな。ドン太はどう?」
「えーと、☆西暦で数えて4で割れる年。オリンピックのある年でしょ。」
「そうだね。では、どうして4年に1回うるう年が必要なのか、君たちに教えてあげよう。」
「地球は、太陽の周りを1年で1回公転しているんだけれども、正確に言うと365日と4分の1日(すなわち6時間)かかって、公転しているんだ。4分の1×4=1となるから、4年に1回うるう年で調整しているんだよ。」
「なるほど、そういうことだったのか。」ヤン太は、納得しました。
「でも、もっと詳しく言うと、
☆下二けたが00の年(もちろん4で割れる年)は、原則うるう年にはならない。
☆しかしその中でも、400の倍数の年は、うるう年になるんだよ。
それは、さっき話した《4分の1》をもっと厳密に言うと、その時間は、《5時間48分46秒》と言う半端な時間なので、そうした誤差を調整するためにこの様に決められたんだよ。」
ドン太は、少し首をかしげて言いました。
「ちょっと複雑で、よく分からないよ。もう少し具体的に教えてください。」
「それじゃあドン太は、4の倍数の見分け方を知っているかな。」
「もちろん知っているよ。4の倍数の見分け方は、下2桁が4の倍数か00になっている数ですよね。」
(注)中学においては、0も4の倍数と考えるので、小学生的教え方。
「その通り。100は4の倍数だから、4の倍数を見分けるのに、百以上の位の数は、考える必要がないからだね。たとえば今年は2008年で、下2桁が08だから、4の倍数となり、うるう年となる。しかし2100年は、下2桁が00だから、4の倍数になるけれども、上のルールに従うと、平年とするんだよ。」
「しかし、西暦2000年は、下2桁が00だから、平年となるはずなんだけれども、400の倍数でもあるから、この年は、うるう年だったんだ。このルールからすると、西暦2000年は、400年に1回しかない、とても稀な年だったんだね。」
ドン太もヤン太も、うるう年について、ようやく納得したようでした。
ところで、ここで皆さんに、日暦に関する中学入試問題の、重要ポイントを伝授しておきましょう。
★まず第1点は、「西暦と元号との換算方法」です。
問題に、西暦と元号が混じっている場合、または表記が複数の異なる元号である場合は、西暦に直して考えるのが原則です。
明治表記は、1867年+明治□年で、西暦に変換できます。
大正は、1911年+大正□年。
昭和は、1925年+昭和□年、
平成は、1988年+平成□年と計算して、換算することができます。
注意したいのは、覚えた西暦の翌年がその元号の元年となることです。たとえば、1867年は、大政奉還があった年で、翌1868年が明治元年です。
〔問題〕明治40年生まれの人は、今年〔2008年〕誕生日を迎えると、何歳になるでしょう。
答えは、1867+40=1907 2008-1907=101(歳)です。
★第2点目は、「日数計算」です。
日数計算のキーワードは、☆「目か後か」です。
今日から数えると、明日は2日目(日間)であり、また1日後でもあります。自分が、~日目で数えたのか、~日後で数えたのかを、はっきりさせておくことが重要です。
一般的に日数計算は、初めの日も、終わりの日も含む~日目(~日間)で計算すると、ミスが少なくなります。
4年生くらいの生徒に、こんな質問をしてみましょう。
「10から20まで、整数はいくつあるかな。」
すると生徒は、「簡単だよ。20-10=10となるから、10個ですね。」
「君たち、指を使って数えてみなさい。」
馬鹿にされているような顔をして、10・11・12~と指を折って数え始める。
「あれ、11個だ。」
「君たちの計算の、20-10では、10を引いてしまっているから、11から数えたことになってしまう。20-(10-1)=11(個)とすべきだったんだ。」
続けて、私は少し意地悪な問題を生徒に出します。
「では、1から10まで、整数はいくつあるかな。」
「11個だな…。あれ~。まてよ。」 しばらく沈黙。 「10個だ!」 「当然だろ!」
〔問題〕3月20日は春分の日で、祝日です。では、この日から数えて、次の祝日である4月29日の昭和の日まで、何日ありますか。
答えは、3月中に、31-(20-1)=12日 従って、12+29=41日となります。
(各月が、大の月か、小の月か、出し方を覚えておきます。)
この日数計算は、数の取り扱いの問題として、基本的な考え方を含んでいる問題です。私の経験上、この問題をミス無くこなす生徒は、力のある生徒です。
この問題に関しては、
「1違っていたら惜しいと思うな。それは、まったく分かっていない証拠なのだから。」
★最後に、「曜日計算」です。
まず、この問題は、前の問題の「日数計算」を間違えていると、正解が出ません。日数計算ができてのものだねです。
この曜日計算のキーワードは、☆「あまりが1で、その曜日」です。
曜日計算の基になる考え方は、周期算です。
曜日は、7日周期の周期算として計算します。
たとえば、ある日から数えて10日目の曜日は、10÷7=1あまり3となり、あまりの3という数で曜日を判定します。ある日が金曜日なら、☆あまりが1でその曜日の金曜。したがってあまりが3ならば、指で数えて、日曜日と出します。
〔問題〕うるう年の今日は、2月20日の水曜日です。では、3月20日の春分の日は、何曜日でしょうか。
答えは、まず日数計算をします。
29-(20-1)=10 10+20=30日目
30÷7=4あまり2 よって、水、木と数えて、木曜日です。
以上が、日暦に関する基本的問題の考え方です。
このような問題は、勉強時間というより、家族の日常会話の中で、お互い問題を出し合って、楽しみながら覚えたら如何でしょうか。
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