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「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その3・体系化された知識

2011年06月14日 | 受験



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中学受験の準備を考えると、その中でも算数の学習はとても重要で、保護者の方もその学習法に頭を悩ますことが多いと思います。 

 

そこで、中学受験算数の学習法と保護者の立場に立った留意点について、今回のテーマとして取り上げ、今まで2回にわたりそのポイントを提示してきました。 

 

興味ある方は、以下のブログを参考にご覧になってから、今回のブログをお読みになると、理解が深まると思います。

 

 マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その1・学校の学習定着

 

マッキーの受験アドバイス:中学受験の算数・・・その2・文章題を解くための条件整理

 

 
(キンシバイ:オトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉小低木)
 

前二回のブログで指摘したとおり、算数の問題を解くためには、基礎学力を身に付け、出題された問題の条件を整理して、その問題の構造を理解することが必要です。

しかし、出題された問題の条件を整理した後、どのようなプロセスで解答を導き出し正解とするのか、今回のブログでは子どもの思考の過程を考慮に入れながら、算数の学習法について伝授しましょう。

出題された中学入試問題の算数をご覧になった保護者の方であれば、分かったと思いますが、それはおよそ以下の3つのタイプに分類することができます。

(1)・・・計算力・単位・求積公式・速さや割合の公式など、公立小学校で学習する範囲を十分理解し、公立学校の範囲を超えた特殊算の基本的な解法を学習すれば解けるタイプの問題。

(2)・・・(1)の問題を解くことができる基本的な学力を基盤に、問題条件を書き出して、その問題構造を見極める意欲と応用力を必要とするタイプの問題。

(3)・・・(2)までの問題を解く力を必要とし、限られた時間の中で、隠れている規則性や原理・法則を、書き並べたり図示しながら、広範囲の知識を活用して見つけ出し、論理的に解答する力を必要とするタイプの問題。

上記の(1)から(3)のタイプの入試問題が求める子どもの力を簡単に表現すれば、「(1)・・・まじめに学習すれば習得できる力」、「(2)・・・根気よく問題を解こうとする性格も含む力」、「(3)・・・理数的な分析力・思考力をともなう能力を必要とする力」、ということになります。

(私は、子どもに対して能力という言葉を使いたくないのですが、今回はあえて(3)には用います。)

子どもが志望する学校の算数の問題が、上で示した三つのタイプのどれに相当するのか、保護者の方は知っておく必要があります。

それによって、子どもが消化すべき算数の学習時間、学習範囲、そして努力の度合いが、自ずと決まってきます。

 

ただ指摘しておきたいのは、女子校と共学校のほとんどの学校と、男子校の中堅校以下の算数の入試問題は、(2)までの力があれば合格ラインの得点をゲットすることができるということ。

それらの学校で、(3)の力を必要とする問題が仮に出題されても、その問題ができないことが合否に影響することは少ないと考えるべきです。

したがって、そうした問題は、テスト中に時間が余ったらチャレンジしてみるといったスタンスで臨む問題と考えて、差し支えありません。

しかし、ハイレベルな男子校、特に進学校に分類される学校の多くは、合格を勝ち取るために(3)の力を必要とする問題を解くことが要求されていることも事実です。

いずれにしろ、志望校の算数が要求している学力をしっかりと理解して、準備を進める必要があります。

ただ留意すべき事として、算数の問題の難易度と、その問題を出題した学校の難易度が、必ずしも比例しているわけではない点であり、指導する保護者は、子どもが志望する学校の出題問題のレベル評価は必要となります。

 

 

では今回の本題に入りますが、算数の問題を解くときに、子どもの頭脳の中で働く思考プロセスに視点を当てて、算数の学習法を伝授します。

まず、計算や単位、それに簡単な面積や体積の問題などは、単に公式や筆算の技術を知っているか、知識を習得しているかが課題になります。

(例1)2685mm=(   )m (最近公立小学校5年生の小数の指導時間に出した問題)

このような問題は、子どもの頭脳の限定した部分だけを働かせて解いているわけで、計算・単位・求積公式を覚えていなければ、いくら頭脳を全開に働かせても、解答することはできません。

こうした問題に対する対策は、学校で学習した内容に習熟し、受験に対応するレベルまで難易度を上げて基礎事項の「訓練」「練習」をすることが必要ですが、ただそうした力は中学を受験するうえで、最低限の学力と言えます。


(例2)男子6人の平均身長は154cm、女子4人の平均身長は148cmであるとき、男女計10人の平均身長は何cmか。(最近塾の小5授業で取り扱った問題)

次に、この問題を解こうとするとき、この問題が「平均」の問題であることを、問題の文面から理解して、子どもは既存の知識から類推して解き始めます

まず、平均を出す式:平均=数量の合計(総和)÷個数という式を想い出します。

次に、(154+148)÷2という式では出ないことを、基本的な平均の考えからから想い出します。

ここまで考えた子どもは、平均の問題は「総和を求めること」というキーワードを、想い出すことでしょう。

その結果として、(154×6+148×4)÷(6+4)=151.6cmという式をたて、答を出すことになります。


このように入試問題の多くは、頭の中に蓄えた既存の知識を、あたかも整理されたタンスから物を引き出すように、取り出してきて解答します。

ですから、知識は活用できるように、体系的に整理されてストックされている必要があります。

あくまでも新しい物を発見するのではなく、与えられた条件から、既存の知識を活用して類推することにより、解く道筋を見つけ出すという思考的なプロセスを経ることになります。


さまざまな条件に対応して、類推という思考過程を働かせるための、既存の知識とは、算数の学習の場合、何を意味するのでしょう。

それは、学校で学習する基礎的な知識であり、広範囲な特殊算の解法知識であり、鍛錬に裏打ちされた広範囲な経験的知識であり、時には高校数学の分野にも入り込んだ遥かな地平を見つめる知識欲でもあります。

子どもが効率的にそして体系的にそうした知識を習得する援助をするために、算数を指導する者は、算数の全体像を、その分類と関連性に基づいて、フローチャートに図示できなければなりません。

実は子供たちも、頭の中に整理された知識を元に、フローチャートの流れに沿って類推という思考操作を行います。

例えば算数の問題を解く場合、以下のような過程を経て子どもは式を立てます。
・・・「この問題は速さの文章題」で・・・「旅人算と呼ばれる問題」で・・・「池の周りの出合いと追い越しの問題」で・・・「注意深く条件を模式的に書いて解かなければならないな!」・・・「待てよ、比を使うと比較的簡単に解ける問題だな!」
・・・・子どもはこのような類推を経て解答を導き出します。

算数の習熟度の低い子どもは、同じこの問題を解こうと類推を始めますが、・・・・
「この問題は速さの文章題」で・・・「太郎君は、池の周りをぐるぐる回って疲れるだろうな」・・・「花子さんは、太郎君と反対方向に歩き始めたのは、喧嘩をしたせいかな」・・・「2人が出会ったら、仲直りして握手するかな」・・・「ん~、難しい問題だ!」・・・・・何が難しい問題か、私にも分かりません!
類推という思考過程が、あらぬ方向へ行って、問題解決がいつまでたってもできません。

 

思考は言語を介して行われるので、問題を解くためのキーワードを、指導者も子どもも知っていることが重要です。

指導者の中には、割合や速さの公式の言葉さえ、大事にしない方もいますが、素人ではないのですから、言葉をもっと大切に扱うべきでしょう。

子どもに算数を指導する場合、過度の解説でかえって焦点がぼけてしまうこともあり、その問題のポイントを言い当てたキーワードを前面に押し出して教えることも重要な指導法です。

すなわちその問題のキーワードと連動させながら、子どもに体系的に関連知識を定着させる指導法です。

 


「では、このような思考過程をスムースに経て、解答を導き出す力を、どうやって付けたらいいのか」という保護者からの質問が、次に私に飛んでくることでしょう。

日頃の学習で、このような力を付けるために、私は二つのポイントに留意して学習することを勧めます。

一つ目は、このテーマの前回のブログで指摘したように、「与えられた条件をノートに整理してから式をたてる」ようにすることです。

なぜなら子どもは、問題の構造の類似性から類推して、解法を導き出すからです。


以前私が教えた生徒で、最近は見ない分厚い大学ノートを使って学習していた子どもがいました。

表紙にナンバーを書いて、カバンに書き終えた数冊のノートを持参していました。

ある日、算数の問題を出題すると、「先生、それと同じような問題をやったことがある!」と言って、数冊の分厚い大学ノートを机の上に取り出しました。

そして、そのうちの一冊から、確かに同じパターンの問題を、辞書を引くように素早く探し当てたのでした。

その生徒は、その後中学入試で開成に合格しましたが、日頃の学習において、学習したことを体系的に、経験的に知識として定着させることの大切さの証左として、この生徒の事例を挙げることができます。


二つ目は、「学習している内容が、全体や他の部分とどのように関連しているのか、常に意識して学習に取り組む」ことです。

その学習法は、条件を整理したうえで、一通りの解答法に満足せずに、複数の解法を考えてみることです。

ただ単に答を出せばよいといった考えの生徒には、真似のできない学習ですが、上位校をねらう生徒には、必要な学習法です。

例えば速さの文章題を、割合の比例・反比例と関連させて解いたり、簡単にダイヤグラムを使って条件を整理したり、他の文章題、たとえば仕事算の考えを使ってみたりと、もっとマクロな視点で問題を分析する学習です。

上位校の算数の問題は、解答に到るさまざまなルートから、最善の解答法を導く力も要求され、日頃の学習で複数の解答法を考える習慣が必要です。

算数の学習の醍醐味は、単に答を出すことではなく、答を導き出す思考過程を楽しむ(時に苦しむ)ことにあります。

算数の力を付ける過程は、まず基礎学力を付ける、次に根気よく条件を整理しあきらめずに解答する力を付ける、最後に自分の頭脳に汗をかかせ、「大胆に」そして「しなやかに」思考する能力を養成することの、大きくは三段階に分類することができると、私は経験的に考えています。

中学受験を視野においている場合、子どもが体系的な知識を臨機応変に活用し、あきらめずに解答する力と意欲を養成する必要があります。

そうした力と意欲を子どもが身につけるためには、「子どもの日頃の学習の仕方」に配慮し、学習項目をしっかりと鳥瞰できる「指導する側の日々の研鑽」を必要とします。

 

 

 

 

 


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