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受験が近づいてくると、受験生は無論のこと、その保護者の方にも受験生以上の精神的な負担がかかってきます。
特に中学受験生を持つ家庭では、学力アップと体調管理で、たいへんなことと推察されます。
そんな父母の方から、私のブログに算数に関する指導法アドバイスのメッセージが入りました。
それを紹介しながら、今日は家庭における算数の学習指導法を伝授したいと思います。
相手を特定できる内容ではありませんので、「メッセージの問題」を掲載して、受験生を抱える多くの家庭へのアドバイスとして活用させていだだきます。
また、メッセージには家庭の学習状況の記載もありましたが、割愛します。
【届いたメッセージ】
《算数の問題》
毎朝7時30分に家を出て同じ電車に乗っています。毎時3kmで駅に向かうと途中の信号で止まることもなく電車の発車時刻の5分前に着きます。ある日家を出るのが7時40分になってたので毎時5kmで駅に向かいました。すると途中の信号で2分間止まり電車の発車時刻に1分遅れて着きました。
(1)家から駅までの道のりは何mですか
(2)毎朝乗る電車の発車時刻は何時何分ですか。
分かりやすく理解させるにはどのように説明すればよいでしょうか?
どうかお力を貸して下さい。
宜しくお願い致します。
【メッセージに対する返答】
問題に答える前に、この問題のポイントが、「道のりが一定の時、速さと時間は反比例する。」という、重要な事柄を使いますので、この点をお子様は理解されていないことが考えられます。
速さに関する文章題を解く重要事項ですので、確認してみてください。
同じ道のりを時速3kmと時速5kmで行った場合の時間をそれぞれA時間とB時間とすると、その道のり=3×A=5×Bと表すことができます。
したがって、時間の比は、速さの比の逆比である5:3となります。
時間の比が5:3と出ていますので、5と3の差の2が6分に当たることが分かります。
よって、5×3:3×3=15:9=15分:9分がそれぞれかかった時間となります。
家から駅までの道のりは、時速3kmで15分、または時速5kmで9分で進む道のりで計算できます。
毎時3kmで行った場合で計算すると、家から駅までの道のりは、
3×1000×15/60=750(m)・・・(1)の答え
毎朝乗る電車の発車時刻は、7時30分に家を出て15分歩いて5分前に着いたという条件から、30+15+5=50(分)
よって、7時50分が(2)の答えとなります。
この問題を子どもに解説する場合、この問題の主題である「道のりが一定の時、速さと時間は反比例する。」という重要事項をしっかりと確認すること、出題条件を整理すること、それから問題を複雑化している条件を除去する工夫が必要です。
そしてこの三点は、すべての算数の問題を指導するポイントにもなっていますので、念頭に置いておきましょう。
(私が20年ほど前に考案した花丸カタツムリ、花丸よりも満点賞もの・レアもの)
受験生を抱える多くの家庭でも、入試が近づく今ころになると焦りも出てきますし、学習指導面に関しても、上記の家庭と同様のお悩みをお持ちの事と思います。
こうした状況は特殊例ではなく、受験生を持つ一般的な家庭における悩みと考えて差し支えありません。
悲観的にならず、かと言って楽観過ぎても問題で、前向きに考え一歩ずつ前進する努力は必要です。
ところで算数を学習する場合、特に入試問題を学習する場合、その入試問題には必ず出題意図があることを理解しておくことが重要です。
出題者は、決して寝ぼけ眼で問題を考えたわけではありません。
自分の学校に入学する生徒には、是非この程度の基礎事項を理解していて欲しい、またはこの程度の考える力をつけて入学して欲しいという願望を、出題者は入試問題に投影して作問しているはずです。
したがって、単に問題の答を出すだけではなく、その出題意図を理解することは、大切なことです。
家庭で学習のアドバイスをするときは、無論塾や学校でもそうですが、単に答を出すヒントを与えるだけではなく、その問題の出題意図を理解させ、それと関連した重要事項を確認することが必要です。
さて、すでに受験された方もいらっしゃるでしょうが、1月に入りこれから受験本番を迎えます。
受験に向けて家庭では、出願・入試・入学等の物理的準備、受験生の体調管理、そして学力の維持・増進という三点に大きな負担がかかることになります。
しかし、全ての準備はプロのアドバイスを受けながら緻密に計画的に行い、気持ちに余裕を持って子どもに接するようにしましょう。
また学習面に関して、かつてはこの時期には基礎事項の整理を中心に行うことが良しとされましたが、私は受験生の弱点・グレーゾーンを、最後まで積極的に攻める学習法を勧めます。
いずれにしろ、受験日に自信を持って自分の力を充分に発揮できるよう、家族全員が協力してサポートすることが大切です。
受験生の食事についてかつてのブログでまとめましたので、興味ある方は参考にご覧下さい。
マッキーの随想:脳を活性化できるか? 受験生の『 ブレインフーズ』
マッキーの男の料理・その31:ゆずのマーマレードand受験生料理など