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皮膚病(尋常性乾癬、アトピー)専門神戸寶元堂薬局ブログ

尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー治療専門の寶元堂薬局です。

梅雨の胃腸トラブルに!六君子湯と平胃散の違いとは?

2025-06-20 09:30:02 | 出張相談

梅雨の胃腸トラブルに!六君子湯と平胃散の違いとは?

~もたれ・下痢・食欲不振…“湿”が引き起こす消化器不調と漢方薬の使い分け~

ジメジメと湿気が多く、気圧の変化も激しい梅雨の時期。
「なんとなく食欲がない」「胃が重たい」「下痢しやすい」など、消化器のトラブルが多くなる季節です。

これらの不調は、漢方でいう「湿邪(しつじゃ)」の影響であることが多く、体内の水分代謝や消化機能の低下が背景にあります。今回は、そんな梅雨時の胃腸トラブルに役立つ漢方薬「六君子湯(りっくんしとう)」と「平胃散(へいいさん)」の違いと使い方をご紹介します。


■ 梅雨の体調不良、その原因は「湿邪」

漢方では、外部から侵入して体に影響を与えるものを「外邪(がいじゃ)」と呼び、梅雨に特に強まるのが「湿邪」です。

湿邪の特徴は:

  • 重たく、停滞しやすい

  • 水分代謝を妨げる

  • 胃腸(脾)を弱らせる

そのため、湿邪が体内に侵入すると、「胃腸のはたらき=脾胃の運化機能」が低下しやすくなります。これが、梅雨に特有の「もたれ」「下痢」「食欲不振」などを引き起こすのです。


■ 梅雨に多い胃腸症状

● 胃の重だるさ・張り

胃が水っぽくむくみ、消化が停滞。食後に重くなりやすい。

● 下痢・軟便

余分な水分で腸が冷やされ、消化吸収がうまくいかず便がゆるくなる。

● 食欲不振

胃腸の働きが落ちて、食欲が自然と湧かない。食べた後に膨満感を感じやすい。

こうした症状があると、栄養が吸収されにくくなり、倦怠感や気分の落ち込み、集中力の低下にもつながります。


■ こうした症状に効く漢方薬2選

◎ 六君子湯(りっくんしとう)

→ 胃腸の虚弱+食欲不振・胃もたれに

六君子湯は、体質的に胃腸が弱い人、疲れやすい人に向いた処方です。消化を助けるだけでなく、体力や気を補ってくれるのが大きな特徴です。

▼ 主な症状:

  • 食欲がない、胃がつかえる

  • 疲れやすい、顔色が悪い

  • 食後に眠くなる、軽いめまいがある

  • 舌の苔が白く湿っている

▼ 体質のイメージ:

  • 胃腸がもともと弱く、長く続く不調

  • 食べる量が少なく、元気が出ない

  • 神経性胃炎や加齢による胃の衰えにも適応

▼ 処方の特徴:

  • 「四君子湯(人参・白朮・茯苓・甘草)」で気を補い

  • 「半夏・陳皮」で胃内の水分・気の滞りをさばく

▶ 六君子湯は、**“弱った胃を補う”**イメージ。体力が低下している方の胃もたれ・消化不良に◎。


◎ 平胃散(へいいさん)

→ 飲食の不摂生や一時的な胃の停滞に

平胃散は、「飲みすぎ食べすぎ」「湿気の多い日の胃の不快感」など、一時的に“胃がもたれた”状態に向いています。

▼ 主な症状:

  • 胃の張りやゲップが出る

  • 食べた後に膨らんだような感じ

  • 胃がゴロゴロ鳴る、便がゆるい

  • 舌の苔が厚く、べたついている

▼ 体質のイメージ:

  • 食べ過ぎや脂っこいものが多い

  • 一時的な湿邪の侵入

  • 胃に“水”や“食べ物”がたまって重くなっている

▼ 処方の特徴:

  • 蒼朮・厚朴・陳皮・生姜などで“湿”を取り去る

  • 消化を促進して、胃の膨満感や停滞を解消

▶ 平胃散は、**“たまった湿をさばいて胃腸をスッキリさせる”**イメージ。梅雨時の急性トラブルに適しています。


■ 六君子湯と平胃散、どう使い分ける?

比較項目 六君子湯 平胃散
タイプ 胃腸虚弱・体力低下 湿・食滞による一時的な胃の不快感
主な目的 胃腸を補う(補気) 胃内の湿を除く(化湿)
適応体質 慢性的に胃が弱い人 一時的に胃が重い人
症状 食欲不振、胃もたれ、疲れ 胃の張り、ゲップ、軟便
使うシーン 長期的な体質改善 急性の不調や食べ過ぎ

✅ ポイント:

  • 胃腸そのものが弱っている人 → 六君子湯

  • 湿や食べ過ぎが原因の胃もたれ → 平胃散

体質・症状に応じて、正しく使い分けることが大切です。


■ 生活でできる湿対策の養生法

漢方薬とともに、日常生活でも“胃腸をいたわる”ことが重要です。

● 食事の工夫

  • 冷たいものを避け、温かいスープやお粥を中心に

  • 山芋・しょうが・はと麦など、脾胃を助ける食材を取り入れる

  • 甘いもの・脂っこいものを控えめに

● 湿を逃がす生活習慣

  • 室内の除湿・換気を心がける

  • 朝の軽いストレッチや散歩で気血を巡らせる

  • 湯船に浸かって体を内側から温める


■ まとめ:梅雨の不調は“胃腸から”整える

梅雨の「食欲不振」「胃もたれ」「下痢」などの不調は、単なる天候のせいだけではありません。体内にたまった“湿邪”が、消化機能を乱しているサインです。

六君子湯は“弱った胃腸を支える”、平胃散は“一時的な停滞をスッキリさせる”。
それぞれの特徴を理解し、自分の体調に合った漢方薬を選びましょう。

不調が続く場合は、体質や症状を専門家に相談して、より適した処方を選ぶことが大切です。梅雨の湿気に負けず、胃腸を整えて元気に乗り切りましょう。

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雨の日のだるさ・やる気のなさに…漢方的アプローチとは?

2025-06-19 09:18:52 | 出張相談

雨の日のだるさ・やる気のなさに…漢方的アプローチとは?

~気滞・湿邪による“無気力感”を整えるヒント~

梅雨や雨の日が続くと、「何もしたくない」「気分が沈む」「朝起きてもだるい」などの“無気力感”を感じることはありませんか?

天気のせいにしたくなるけれど、単なる気の持ちようではなく、実は身体の中のバランスが乱れているサインかもしれません。

漢方では、このような梅雨特有のだるさや無気力状態を、「湿邪(しつじゃ)」や「気滞(きたい)」といった概念でとらえます。
今回は、そんな“雨の日ブルー”に対する漢方的な考え方と、心と体を軽くするケア方法をご紹介します。


■ なぜ雨の日は「やる気が出ない」の?

「雨の日はなぜか気分が重くなる」「体が鉛のようにだるい」――そんな声が多くなるのが梅雨どき。漢方では、これを主に2つの視点から考えます。

① 湿邪(しつじゃ):体内に“湿”がたまる

梅雨や雨の日は、外の湿度が高くなるだけでなく、体の中にも“湿気”が入り込みやすくなります。
この「湿邪」は、重くて粘っこく、停滞しやすいという特徴があり、気血水の巡りを妨げて体に不調をもたらします。

主な症状:

  • 身体の重だるさ

  • 頭がぼんやりする

  • 胃腸がもたれる

  • むくみ、倦怠感

  • 眠っても疲れが取れない

特に「脾(ひ)」という消化吸収を担う臓腑が湿邪に弱く、脾がダメージを受けると気を十分に生み出せなくなり、無気力感へとつながります。

② 気滞(きたい):気の流れが滞る

もう一つの原因が、「気(き)の巡り」の停滞です。

湿邪がたまることで、気がスムーズに体内を巡らなくなり、イライラや落ち込み、集中力の低下、無気力など、心の不調として現れることがあります。

主な症状:

  • 気分がふさぐ・やる気が出ない

  • 胸がつかえるような感じ

  • 食欲がない・げっぷが多い

  • PMS(月経前症候群)の悪化

まさに「気持ちが滞る」という状態が、気滞のサインです。


■ 雨の日の無気力に効く!漢方的アプローチ

では、こうした気滞・湿邪が引き起こす「やる気のなさ」に、どのようにアプローチすればよいのでしょうか?
漢方では、体質と症状に応じて、“巡らせる”“発散させる”“湿をさばく”という方法でケアしていきます。


◎ 気を巡らせる「理気(りき)」の漢方薬

気の流れが滞っているときは、「理気薬(りきやく)」で巡りを整えることが大切です。

● 香蘇散(こうそさん)

→ 気滞を改善し、軽い抑うつやストレス性の不調に
適応:気分の落ち込み、冷え、軽い風邪、胃のつかえなど

● 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

→ 喉の詰まり感や息苦しさ、不安感に◎
適応:喉の違和感、緊張、胸苦しさ、神経性の不調

● 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

→ 情緒不安定やストレス性の不眠、動悸があるときに
適応:イライラ、不眠、ストレス、怒りっぽさ


◎ 湿邪をさばく「利湿(りしつ)」の漢方薬

体に湿がたまっていると感じるときには、水分代謝を助けて湿を外に出す処方を選びます。

● 五苓散(ごれいさん)

→ 体の余分な水を抜き、頭重感・むくみを改善
適応:雨の日の頭痛、めまい、むくみ、だるさ

● 平胃散(へいいさん)

→ 胃腸にたまった湿を取り除く
適応:胃もたれ、食欲不振、舌がねばつく、軟便


■ 食生活で“気”と“湿”を整える

漢方の基本は「食養生」。日常の食事でも、気を巡らせ湿をさばく工夫ができます。

● 気を巡らせる香りの食材

  • しそ、みょうが、三つ葉、柑橘類(皮ごと)、バジルなど
    → 料理に香りをプラスして、気の巡りUP!

● 湿をさばく利水食材

  • はと麦、とうもろこしのひげ茶、冬瓜、きゅうり、もやし
    → 蒸し暑い日におすすめ。体の水はけを助けます。

● 脾を補う温性の食品

  • かぼちゃ、にんじん、米、さつまいも、しょうが
    → 消化力を高めて湿に負けない体づくりを。


■ ライフスタイルでも“巡り”を意識して

心と体のバランスは、日常のちょっとした工夫でも整えることができます。

● 朝、軽くストレッチや深呼吸

→ 気の巡りを促進。やる気のスイッチON!

● 湿気対策に除湿・換気を

→ 空気がこもると体もこもります。通気のよい空間を。

● 香りを楽しむアロマやお香

→ 柑橘系・ミント系の香りは気を巡らせ、脳のリフレッシュにも。


■ 漢方で“やる気”と“軽やかさ”を取り戻す

雨の日のだるさややる気のなさ――それは心だけでなく、体の中の「気」や「水」の巡りが滞っているサインかもしれません。

漢方では、体全体のバランスを整えることで、無理なく自然に元気を取り戻す方法を提案しています。薬だけでなく、食事や生活の工夫も大切なケアのひとつ。

じめじめした梅雨の季節こそ、自分の心と体の声に耳を傾け、優しく整えてみませんか?

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「頭が重い」「めまいがする」梅雨時の不調と漢方薬

2025-06-18 07:23:20 | 出張相談

「頭が重い」「めまいがする」梅雨時の不調と漢方薬

~湿邪によるふらつき・頭重感に、半夏白朮天麻湯・苓桂朮甘湯などの処方をご紹介~

梅雨になると、「頭が重くてすっきりしない」「立ち上がるとふらっとする」「朝起きてもボーっとしている」――こんな不調を感じる方が増えてきます。

気象の変化や湿度の高さが続くこの季節、漢方ではこれらの症状を「湿邪(しつじゃ)」の影響と捉えます。

今回は、梅雨時の「頭重感」や「めまい」などの不調を漢方の視点で読み解き、改善に役立つ代表的な漢方薬をご紹介します。


■ 梅雨の体調不良、「湿」が原因かも?

漢方では、自然界の気候変化が体調に影響を及ぼすと考えます。その中でも、梅雨時に影響力を強めるのが「湿邪」。

湿邪の特徴は、

  • 重い・停滞する

  • 体にまとわりつく

  • 冷えと結びつきやすい
    など。体内の「水の巡り」が悪くなることで、頭部や胃腸に余分な水分がたまり、不調が現れるのです。

代表的な「湿」による症状:

  • 頭が重い・ぼんやりする

  • めまい・ふらつき

  • 胃がもたれる・吐き気

  • むくみやすい

  • 雨の日に体調が悪くなる

特に「頭の重さ」「めまい」は、体の上部に“余分な水”が停滞しているサイン。放っておくと集中力の低下や気分の落ち込みにもつながります。


■ なぜ「めまい」が起きるのか?漢方的な視点

漢方では、めまいや頭重感は「痰湿(たんしつ)」や「水毒(すいどく)」と呼ばれる、不要な水分が体にたまった状態によって引き起こされると考えます。

特に、胃腸(=「脾胃」)の機能が弱っていると、飲食物から作られる水分がうまく代謝されず、“湿”として残り、頭部にまで昇って「めまい」「頭重」「ふらつき」といった症状に。

また、気圧の変化やストレスにより、自律神経のバランスが乱れることも原因の一つ。これらを“気・水・血”の巡りから整えていくのが漢方の特徴です。


■ 漢方薬で巡りを整える:代表的な処方2選

◎ 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

→ 胃腸の弱り+頭部の水分停滞に効果的

この処方は、「脾胃(消化吸収の中心)」の働きを整えつつ、余分な水分をさばいて“めまい”や“頭重感”を改善する漢方薬です。

▼ 主な症状:

  • 雨の日にふらつく・立ちくらみする

  • 頭がモヤモヤして働かない

  • 胃腸が弱く、すぐに食欲不振や下痢になる

  • 乗り物酔いしやすい

▼ 期待できる効果:

  • 脾胃の水分代謝を整え、頭部の余分な水を排出

  • 胃腸を補って、再発を予防

  • めまいや頭重だけでなく、肩こりや吐き気の改善にも

※天麻(てんま)というめまいに特化した生薬が配合されている点が特徴です。


◎ 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

→ 自律神経の乱れ+体液のアンバランスに対応

この処方は、体の中の“水の偏在”に注目し、水が頭部に昇ったことで起きるめまいやふらつきに適しています。特に、ストレスや気圧の変化による「気の乱れ」にも対応できる処方です。

▼ 主な症状:

  • 立ち上がるとクラッとする

  • 乗り物酔いやすい

  • 動悸や息切れ、緊張時のふらつき

  • 不安感や冷えも伴う場合

▼ 期待できる効果:

  • 水分代謝の改善(苓=茯苓、朮=白朮による利水)

  • 気の巡りを整えて自律神経をサポート

  • 頭部のモヤモヤ感や軽い不眠にも

「水が上にあがってめまいがする」という状態に非常にマッチした処方で、梅雨時の“なんとなく不安定な体調”にぴったりです。


■ その他の関連処方

症状や体質によっては、以下の処方も検討されます:

  • 五苓散(ごれいさん):頭重・むくみ・二日酔いのような「水がたまる」タイプに

  • 真武湯(しんぶとう):冷えを伴う体力低下型のめまい・ふらつきに

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん):気分の落ち込みやストレスと関連した不調に


■ 梅雨を快適に過ごすための養生法

漢方薬とあわせて、日々の生活でも“湿”や“気の滞り”をためない工夫が大切です。

● 湿をためない食事

  • 利水・利尿作用のある食材:はと麦、冬瓜、とうもろこしのヒゲ、緑豆

  • 脾胃を補う食品:米、山芋、しょうが、にんじん

  • 冷たい飲食は控え、温かいスープ・お粥がおすすめ

● 体を動かす・巡らせる

  • 朝は軽いストレッチや散歩で気の巡りを促進

  • 雨でも換気・除湿を忘れずに

  • 湿気のこもらない服装で、体温を適度に調節する


■ まとめ:梅雨の「頭重・めまい」は、漢方で内側から整える

「なんとなく頭が重い」「ふわふわする」「やる気が出ない」――これらの不調は、気のせいでも加齢のせいでもありません。
漢方的には“湿邪”や“水毒”の影響による、れっきとした体のサインです。

そんな不調を無理に我慢せず、半夏白朮天麻湯や苓桂朮甘湯など、体にやさしく働きかける漢方薬で内側から整えてみましょう。
体調に合った処方を選ぶことで、梅雨の時期も心身ともにスッキリ過ごすことができます。

お悩みが長引く方や自分に合う処方がわからない方は、ぜひ漢方薬局や専門家にご相談ください。

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五苓散で“余分な水”をリセット!

2025-06-17 07:12:59 | 出張相談

五苓散で“余分な水”をリセット!

~梅雨のむくみ・頭痛・だるさに◎ 水の巡りを整える漢方~

梅雨になると、「なんだか体が重い」「顔や足がむくむ」「天気が悪いと頭痛がひどい」…こんな症状に悩まされていませんか?

これらの体調不良は、湿度の高い6月にありがちな「水分代謝の乱れ」からくるもの。漢方では、こうした状態を“水滞(すいたい)”や“水毒”と呼び、体に余分な水分が滞っているサインと考えます。

そんな梅雨時期に頼りになるのが、「五苓散(ごれいさん)」という漢方薬。今回は、五苓散の特徴や現代での使い方、梅雨時期におすすめの理由について詳しくご紹介します。


■ なぜ梅雨に「水のトラブル」が起きるのか?

湿度が高い梅雨は、私たちの体も同じように「湿気」の影響を受けます。漢方では、これを「湿邪(しつじゃ)」と呼び、体の中に湿が入り込むことでさまざまな不調を引き起こすと考えます。

とくに影響を受けやすいのが、体の“水はけ”を担っている脾(消化器)や腎・膀胱系(排水システム)。これらの働きが鈍ることで、体内に水が停滞し、以下のような症状を招きます:

  • 朝のむくみ(顔・まぶた・手足)

  • 頭痛・頭重感

  • めまい・ふらつき

  • 倦怠感・だるさ

  • トイレが近い、または出にくい

  • 吐き気・水様便

このような“水が滞っている”タイプの不調に、五苓散は非常に相性が良い処方なのです。


■ 五苓散とは?どんな漢方薬?

五苓散は、古代中国の医書『傷寒論(しょうかんろん)』にも登場する、歴史ある漢方薬です。

◉ 主な生薬構成(5つの生薬)

  1. 沢瀉(たくしゃ):余分な水分を尿として排出

  2. 茯苓(ぶくりょう):水分代謝を助け、消化器の働きをサポート

  3. 猪苓(ちょれい):利尿作用

  4. 白朮(びゃくじゅつ):脾を補い、水はけを整える

  5. 桂皮(けいひ):水の巡りを促進し、寒さを取り除く

この5つの生薬が協力し合い、体内の“余分な水”を排出し、スッキリした状態へと導いてくれます。


■ 現代の「五苓散」の使い方

◎ こんなときにおすすめ!

  • 梅雨時の頭痛やめまい:低気圧で頭が重くなる人に

  • 水太りタイプのむくみ:体がぼんやり重く、浮腫みやすい人に

  • 二日酔い:水分代謝が滞ったときの吐き気・頭痛に◎

  • 乗り物酔いしやすい人:体液バランスが乱れやすい体質に

  • 頻尿・尿のトラブル:水分がうまく処理できていない状態に

◎ 五苓散の特徴

  • 即効性が高い:体質改善というより、急性症状に対応しやすい

  • 体力の有無を問わず使える:比較的誰でも使いやすい処方

  • 利尿剤と違い、必要な水は残す:水を「抜くだけ」でなく「巡らせる」薬

現代では、頭痛やむくみ、二日酔いに五苓散を使う人も多く、ドラッグストアや薬局でも購入できることが増えています。


■ 梅雨の「気象病」「天気痛」にも効果的

最近では、低気圧によって起こる不調(気象病・天気痛)が注目されています。気圧が下がると、自律神経のバランスが乱れ、水分調整もうまくいかなくなります。

その結果、以下のような症状が現れます:

  • 頭が締めつけられるように痛い

  • 雨の日はめまいがする

  • 眠気が抜けず、日中もボーっとする

こうした症状は、「水の巡りの滞り」が背景にあることが多く、五苓散で水のバランスを整えることで改善するケースが多いのです。


■ 五苓散を使う際の注意点

五苓散は比較的安全な処方ですが、以下の点には注意しましょう。

● 脱水状態では使わない

→ 大量の発汗・下痢・嘔吐のあとなど、水分が失われた状態では控えましょう。

● 利尿効果があるため、夜間の服用は控えめに

→ 夜遅くに飲むと、夜中にトイレが近くなる場合があります。

● 症状が長期化する場合は医師・薬剤師に相談

→ 根本的な体質改善が必要な場合もあります。


■ 生活習慣でも“水の巡り”を意識して

五苓散の効果を高めるためにも、日常生活で以下のような工夫をするとより効果的です。

  • 温かい飲み物で胃腸を温める(冷たいものは控えめに)

  • むくみやすい日は軽い運動やストレッチで巡りUP

  • 食事に利尿作用のある食材を:はと麦、とうもろこしのヒゲ、きゅうり など

  • 湿気対策に除湿機や換気を活用


■ 五苓散で“水のめぐり”を整えて、梅雨を快適に

梅雨の時期にありがちな「むくみ」「頭痛」「だるさ」などの不調は、体に余分な水がたまることによって起こる「水の巡りの乱れ」が原因かもしれません。

そんなときに頼りになるのが、体の“水はけ”を整えてくれる漢方薬・五苓散。
自然由来の生薬で優しくアプローチでき、即効性も期待できるので、ぜひ日々のセルフケアに取り入れてみてください。

もし、体質に合うか不安な方は、漢方薬局や医療機関で体質相談をするのもおすすめです。あなたの体にぴったりのケアで、梅雨を軽やかに過ごしましょう。

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梅雨バテとは?漢方で見る6月の体調不良

2025-06-16 08:09:04 | 出張相談

梅雨バテとは?漢方で見る6月の体調不良

〜湿邪・気の停滞・脾の弱りを整えて快適な初夏へ〜

6月に入ると、ジメジメした日が続き、気温も湿度もぐんと上がってきます。そんな季節になると、「なんだか体が重だるい」「朝からやる気が出ない」「頭がボーッとする」「食欲がわかない」…といった体調不良を感じる方が増えてきます。

これらは、現代でよく言われる「梅雨バテ」の典型的な症状。西洋医学では原因がはっきりしにくいこともありますが、漢方ではこれを「湿邪(しつじゃ)」による体の乱れと捉えます。

この記事では、漢方的に読み解いた「梅雨バテ」の原因と対策についてわかりやすく解説していきます。


■ 梅雨バテの正体は「湿邪」にあり

漢方では、自然界にある6つの気(風・寒・暑・湿・燥・火)を「六邪(ろくじゃ)」と呼び、これらが体に悪さをすると病気や不調を引き起こすと考えます。中でも6月の主役となるのが「湿邪(しつじゃ)」です。

◎ 湿邪の特徴とは?

  • 重だるさ:体にまとわりつくような不快な重さ

  • 停滞しやすい:気や血、水分の流れを妨げる

  • 下半身にたまりやすい:足のむくみ、重だるさとして現れる

  • 消化器を弱らせる:脾(ひ)胃に負担をかけ、食欲低下や下痢を招く

つまり、湿邪により「体の水はけ」が悪くなることで、体内に余分な水分(=水湿)がたまり、さまざまな不調を引き起こすのです。


■ 「脾」のはたらきと梅雨バテの関係

漢方では、「脾(ひ)」=消化・吸収・運搬を担う臓腑です。現代でいう消化器系に近く、体に必要な栄養やエネルギーを作り出す根本となります。

この「脾」は、湿気が大の苦手。湿気が強い梅雨時には脾の働きが落ち、以下のような症状が出やすくなります:

  • 食欲不振、胃のもたれ、下痢

  • 体のだるさ、疲労感

  • 朝起きられない、やる気が出ない

  • 眠っても疲れが取れない

これらすべてが、漢方的に言えば「脾の弱り+湿邪の停滞」によって起こっていると考えられるのです。


■ 「気」の巡りが滞ると心も重たくなる

梅雨の気候は体だけでなく、気(エネルギー)の流れにも悪影響を与えます。湿邪が体内にこもると、気の巡りも悪くなり、以下のような症状につながります:

  • 頭重感・集中力の低下

  • イライラ・気分の落ち込み

  • やる気が出ない・無気力

梅雨時にメンタル面が不安定になるのも、こうした「気の滞り(気滞)」が関係しています。漢方では、心と体はつながっているという考えが根本にあるため、心の不調も体の湿と大きく関わっているのです。


■ 梅雨バテにおすすめの漢方薬

梅雨バテの症状や体質に応じて、漢方薬で体を整えることができます。以下は代表的な処方です:

● 五苓散(ごれいさん)

→ 余分な水分を体外に出し、水の巡りを整える
適応:むくみ、めまい、頭痛、二日酔い、水太りなど

● 平胃散(へいいさん)

→ 脾胃にたまった湿をさばいて、消化を助ける
適応:胃の重だるさ、食欲不振、舌がねばつくなど

● 六君子湯(りっくんしとう)

→ 脾の働きを補い、体の気を充実させる
適応:胃腸虚弱、食欲不振、倦怠感、疲れやすさなど

● 香蘇散(こうそさん)

→ 気の巡りを整えて、気分の落ち込みをケア
適応:気滞によるイライラ、軽いうつ症状、ストレスなど

これらの漢方薬は症状の一時的な緩和だけでなく、「体質改善」にもつながります。自己判断せず、薬剤師や漢方専門家に相談することで、自分にぴったりの処方を見つけることが大切です。


■ 食生活と生活習慣でできる湿邪対策

漢方薬に頼るだけでなく、日々の生活でも湿邪をためない工夫が大切です。以下のようなポイントを意識しましょう:

  • 生ものや冷たい飲食を控える:脾を冷やさないことがポイント

  • 温かい汁物を取り入れる:味噌汁やスープで脾胃を温める

  • 香りの良い食材を活用:しそ、みょうが、生姜、陳皮(みかんの皮)などは気の巡りを助けます

  • 軽い運動やストレッチを取り入れる:気血水の巡りを促進

  • 湿気をため込まない生活環境を整える:除湿機の活用、こまめな換気も◎


■ 湿邪に負けない身体づくりを

「梅雨バテ」は一時的な不調に見えて、実は体からの重要なサインです。湿邪の影響を受けやすいこの時期こそ、体の声に耳を傾け、自分の体質に合ったケアを取り入れてみてください。

漢方では、ただ症状を抑えるのではなく、「なぜその不調が起きているのか」を体全体から読み取り、根本的な体質改善を目指します。
6月を健やかに乗り切るために、自然の力を味方にしてみてはいかがでしょうか?

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不眠と漢方 ― 自然の力で眠りを整える方法とは?

2025-06-15 08:58:48 | 出張相談

不眠と漢方 ― 自然の力で眠りを整える方法とは?

「布団に入ってもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「眠ったはずなのに朝起きても疲れが取れない」
そんな不眠の悩みを抱えていませんか?現代社会ではストレスや生活習慣の乱れなどから、不眠に悩む人が増えています。睡眠薬に頼る前に、まずは漢方という自然なアプローチを試してみるのも一つの方法です。

この記事では、東洋医学の視点から不眠の原因と、それに合った漢方薬の選び方を解説します。


■ 不眠とは ― 漢方から見た「眠れない理由」

現代医学では、不眠は「寝つきが悪い」「途中で起きる」「早朝に目覚める」「眠りが浅い」など、さまざまなタイプに分類されます。漢方ではそれらの症状を「心身のバランスの乱れ」として捉え、全体の体質や生活習慣、心の状態を含めて原因を探ります。

◎ 漢方でよく見られる不眠のタイプ

① 心(しん)の乱れタイプ

「心」は精神活動を司るとされる臓腑で、興奮や不安が強いと「心火(しんか)」が高ぶり、不眠になります。動悸や焦燥感、夢を多く見るといった症状を伴うことが多いです。

② 肝(かん)の不調タイプ

「肝」は感情のコントロールや血の貯蔵を担っています。ストレスや怒りで「肝気」が乱れると、眠りが浅く、夢を見やすくなります。

③ 陰虚(いんきょ)タイプ

陰とは体を潤す・冷ます働きのこと。陰が不足すると、体内に熱がこもり、寝つきが悪くなったり、寝汗をかいたりします。更年期や体力低下、慢性疲労の方に多い傾向です。

④ 脾胃虚弱タイプ

脾(ひ)・胃(い)は消化吸収を担う臓器。疲れやすく、食後に眠くなるのに、夜は眠れないという方に多いです。脾の弱りから「心」への栄養が不足し、結果として不眠になることもあります。


■ 不眠に使われる代表的な漢方薬

不眠の原因が人それぞれであるように、漢方薬も体質に応じて使い分けられます。以下は、不眠に用いられる代表的な処方です。

● 酸棗仁湯(さんそうにんとう)

【適応】心身の疲れ・虚弱・動悸・多夢・寝つきの悪さ
特徴:心と肝を落ち着かせ、眠りを安定させる。体力が低下している人や年配の方にも使いやすい。

● 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

【適応】神経の高ぶり・不安感・驚きやすい・寝つけない
特徴:心身を鎮静し、心の不安定さからくる不眠を改善。虚弱な男性や更年期の女性にも適応。

● 加味逍遙散(かみしょうようさん)

【適応】イライラ・生理不順・不眠・情緒不安定
特徴:ストレスによる「肝気のうっ滞」を解消。PMSや更年期障害に伴う不眠に向く。

● 天王補心丹(てんのうほしんたん)

【適応】陰虚・心火旺盛による不眠・口の渇き・動悸・不安
特徴:心と腎の陰を補って、心火を鎮める処方。更年期や慢性疲労の人に多い「陰虚火旺」タイプに。

● 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

【適応】怒りっぽい・イライラ・緊張・動悸・不眠
特徴:「肝」の高ぶりを鎮め、情緒不安や不眠を改善。気が上に昇っているタイプに。


■ 不眠と生活習慣 ― 漢方的アプローチのポイント

漢方薬を使うだけでなく、生活の見直しも大切です。以下のようなポイントを意識すると、睡眠の質が向上しやすくなります。

  • 夜は陽のエネルギーを落ち着かせ、静かに過ごす
     → スマホやPCの使用を控え、ゆっくり入浴してリラックスを。

  • 夕食は軽めに、寝る2〜3時間前までに済ませる
     → 脾胃に負担をかけないことが、良質な眠りにつながります。

  • 朝日を浴びて体内時計を整える
     → 陰陽のリズムを整えることが、夜の睡眠にも影響します。

  • 過度な刺激物(カフェイン・アルコール)は控える
     → 「心」を乱し、眠りの質を低下させる原因になります。


■ まとめ:自分の体質に合った不眠ケアを

不眠は単なる「眠れない」だけではなく、心身のバランスの乱れから起こる「体からのサイン」です。
漢方ではそのサインを丁寧に読み取り、根本から改善していくことを目指します。

市販薬や睡眠導入剤に頼る前に、自分の体質を知り、無理のない自然な方法で眠りを整えてみませんか?気になる症状がある方は、ぜひ専門家に相談し、自分に合った処方を見つけてください。

 


冷えに悩む女性にそっと寄り添う処方

2025-06-14 06:51:16 | 出張相談

 

冷えに悩む女性にそっと寄り添う処方

「温経湯(うんけいとう)」とは?漢方的にみるその働き

「手足が冷えて眠れない」
「生理が不順で、気分も落ち込みがち」
「年齢とともに体の乾燥が気になる」

こうした症状に悩まされる女性は、季節を問わず多いものです。現代医学では原因がはっきりしにくいこれらの症状も、漢方では“冷え”と“血(けつ)”のめぐりの悪さ”が関係していると考えます。

今回ご紹介する「温経湯(うんけいとう)」は、冷えによって気血のめぐりが悪くなり、乾燥や生理不順、不妊、不眠などの不調があらわれる女性にとても相性のよい漢方薬です。


◆ 温経湯ってどんな漢方?

温経湯は、中国・明代の医書『金匱要略』に記載された、由緒ある婦人科系の処方です。名前の通り、**経(けい)=経絡・経血を「温める」**ことを目的としており、冷えによって停滞した“気・血・水”の流れをゆるやかに整えていきます。

主な生薬は以下の通りです:

生薬名 主なはたらき
呉茱萸(ごしゅゆ) 体の深部を温め、冷えを取り除く
当帰(とうき) 血を補い、血行を促進
川芎(せんきゅう) 血の流れを活性化し、頭痛・冷えに有効
麦門冬(ばくもんどう) 潤いを補い、のぼせや咳を鎮める
半夏(はんげ) 胃腸を整え、痰や水分の滞りを改善
人参(にんじん) 気を補い、体力の底上げに働く
生姜(しょうきょう) 体を温め、消化を助ける

全体として、「温めながら潤す」「巡らせながら落ち着かせる」やさしい処方構成が特徴です。


◆ どんなタイプの人に合うの?

温経湯は、特に以下のような体質や不調に適しています。

◎ 冷えがあり、婦人科系の不調がある方

  • 手足が冷えやすい

  • 生理不順や生理痛がある

  • 不妊、閉経前後の不調が気になる

→ 「血」が不足し、冷えによって巡りが悪くなっているタイプ。温経湯は、体の中心からじんわりと温め、血行とホルモンバランスを整える手助けをします。

◎ 肌や粘膜の乾燥が気になる方

  • 唇が乾燥する

  • 皮膚がカサつく

  • 喉の乾燥感、空咳がある

→ 麦門冬・阿膠・甘草といった潤い成分が入っており、血だけでなく「津液(しんえき=体液)」も補ってくれる処方です。

◎ 冷えと「のぼせ」が同時にある方

  • 足は冷たいのに、顔だけ火照る

  • 寝つきが悪く、夢をよく見る

  • 更年期のホットフラッシュがある

→ 下半身が冷えているのに上半身に熱がこもる「冷えのぼせ」タイプにも有効です。温経湯は全身のバランスを整えることに重点を置いており、特にこのタイプにはよく処方されます。


◆ 漢方でいう「衝任虚寒(しょうにんきょかん)」とは?

温経湯の適応とされる「衝任虚寒(しょうにんきょかん)」とは、女性の生殖機能を司る「衝脈」と「任脈」が冷えて虚している状態を指します。

この状態になると:

  • 子宮の働きが低下し、不妊や月経不順が起こる

  • 気血が滞り、肌や髪に潤いが行き渡らなくなる

  • 神経の緊張や不安感、不眠なども出やすい

つまり温経湯は、**冷えによって女性特有のバランスが崩れたときの“総合的なケア薬”**なのです。


◆ 現代での応用例

温経湯は、以下のような症状や状況で処方されることが多くあります:

  • 月経不順・月経困難症

  • 不妊症(体質改善目的)

  • 更年期障害(のぼせ・冷え・不眠)

  • 胃腸が冷えて弱い体質

  • 慢性的な冷えと肌の乾燥

  • 冷えによる不眠やイライラ

また、「婦人薬」として知られていますが、男性でも体が冷えて血の巡りが悪く、乾燥が気になるタイプであれば処方されることもあります。


◆ 飲むときの注意点とアドバイス

温経湯は体を内側から温めてくれる処方ですが、以下の点に注意して使うとより効果的です。

  • 長期でじんわり効く処方のため、すぐに結果を求めず2〜3ヶ月は継続する

  • 辛いものや冷たいものを控えることで、効果が高まりやすい

  • 体質に合わない場合は、お腹が張る・のぼせるなどの副反応が出ることもあるため、服用前に体質チェックや相談が大切


◆ まとめ:冷えと乾燥に悩む女性の味方

「温める」+「潤す」+「巡らせる」
この3つのバランスを絶妙に取ってくれる温経湯は、冷えによって引き起こされる女性の不調に寄り添う、非常にやさしい処方です。

「病院では異常なしと言われたけれど、なんだか不調が続く…」というときこそ、漢方の出番です。

体質に合わせたご提案もできますので、気になる方はぜひ当薬局にご相談ください。あなたの体に寄り添う、最適なケアをご提案いたします。

 

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抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)とは?

2025-06-13 18:59:30 | 出張相談

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)とは?

気温と湿度が上昇し、気圧の変化も大きくなる梅雨から初夏。この季節は、体も心も不安定になりやすい時期です。

「夜になるとイライラして眠れない」
「子どもが感情的で落ち着かない」
「胃が重く、吐き気や不安がある」
そんな症状にお困りの方に、今の時期おすすめしたい漢方薬が抑肝散加陳皮半夏です。


◆ 抑肝散加陳皮半夏ってどんな漢方?

この漢方薬は、「抑肝散(よくかんさん)」という古方に、**陳皮(ちんぴ)半夏(はんげ)**という2つの生薬を加えた処方です。

▷ 抑肝散の主な作用

  • 神経の高ぶりを抑える(鎮静作用)

  • 自律神経のバランスを整える

  • 怒りっぽさ・イライラ・不眠・歯ぎしりに対応

▷ 陳皮の作用

  • 気を巡らせ、胃腸の調子を整える

  • 胃の膨満感、吐き気、胸苦しさを和らげる

▷ 半夏の作用

  • 胃の水分代謝を助け、吐き気を抑える

  • 心身の「痰湿(たんしつ)」を取り除く

この3つが組み合わさることで、「神経の過敏さ」と「消化器の不調」の両面に働きかけ、心と体を穏やかに整えるのがこの処方の大きな特長です。


◆ なぜ今の時期に必要なの?

梅雨から初夏にかけて、私たちの体は「湿気」「気温差」「気圧変化」という3つのストレスにさらされます。これらが複合的に影響すると、自律神経の乱れ胃腸の弱りが起こりやすくなるのです。

▽ 自律神経が乱れやすい季節

  • 雨や曇りで日照不足 → メラトニンの分泌異常で睡眠の質が下がる

  • 気圧の急な変化 → 頭痛・めまい・不安感が増す

  • 湿気による「気の停滞」 → イライラ、落ち着かない、緊張感が抜けない

現代人はもともと交感神経が優位になりがちですが、この時期はさらに精神が不安定になりやすく、「眠れない」「怒りっぽい」「不安で動悸がする」などの不調が現れます。

→ こうした症状に「抑肝散」が働きます。

▽ 胃腸が弱る季節

  • 湿気の多さ → 胃腸に「湿」がたまり、消化機能が低下

  • 冷たい飲食物の摂取増加 → 胃が冷え、機能低下

  • ストレスとの相乗効果で、胃がキリキリしたり、吐き気を感じたり

特にこの時期は「気滞痰湿(きたいたんしつ)」と呼ばれる状態になりやすく、気分の落ち込みや神経過敏に加えて、胃のムカムカ・吐き気・喉の詰まり感なども出やすくなります。

→ この胃腸の不調に「陳皮+半夏」が作用します。


◆ こんな方におすすめです

抑肝散加陳皮半夏は、以下のような心身のバランスを崩しやすい方に向いています。

□ 子ども・高齢者で情緒不安定な方

→ 怒りっぽい、イライラする、夜泣きや歯ぎしりがある

□ 睡眠が浅く、夢をよく見る方

→ 交感神経が過敏で、脳が休まらず目覚めが悪い

□ 胃が重く、気分が悪いことがある

→ 緊張や気候変化で、胃の機能が乱れやすい

□ 不安感や神経性の動悸・ふるえがある

→ ストレスや天候の変化で自律神経が揺さぶられている


◆ 飲み方の注意とご相談を

抑肝散加陳皮半夏は、比較的穏やかな処方ではありますが、体質や年齢、症状の強さによって用量や選び方に注意が必要です。
特に、以下に当てはまる方は服用前に薬剤師・登録販売者にご相談ください。

  • 妊娠中・授乳中の方

  • 他の精神安定薬を服用中の方

  • 極端に胃腸が冷えている方

  • 胃が弱く、食後すぐに下痢になるタイプ


◆ まとめ:季節の変わり目は「心身同時のケア」を

梅雨から夏への季節の移り変わりは、思っている以上に体も心もストレスを感じています。

抑肝散加陳皮半夏は、イライラ・不安・不眠などの「神経系の不調」と、胃もたれ・吐き気などの「消化器の不調」を同時にケアしてくれる、非常に頼もしい漢方薬です。

「最近ちょっと不安定だな…」と感じたら、まずは一度ご自身の状態を見直してみてください。必要であれば、私たち漢方薬局にお気軽にご相談ください。
体と心、両方をやさしく整えるお手伝いをいたします。

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カビ・湿気対策!漢方的に考える「住まいの湿邪除け」

2025-06-12 07:51:07 | 出張相談

カビ・湿気対策!漢方的に考える「住まいの湿邪除け」

梅雨の時期になると、ジメジメとした空気が続き、家の中にカビが発生しやすくなりますよね。衣類が湿っぽい、窓のサッシに黒いカビが…そんな経験をした方も多いのではないでしょうか?

実は漢方では、このような「湿気」も“邪気”のひとつとして考えられており、**湿邪(しつじゃ)**と呼ばれます。湿邪は体に不調をもたらすだけでなく、住まいの空気や環境にも悪影響を与え、間接的に私たちの心身のバランスを崩す原因となります。

この記事では、漢方的な視点から「住まいの湿邪対策」について解説し、今すぐ実践できる除湿の工夫や、空間ケアに役立つ香りの活用法をご紹介します。


◆ 漢方で考える「湿邪」と住環境の関係

漢方では自然界の気候変化を「風・寒・暑・湿・燥・火(熱)」という六気で表し、これらが過剰になると“邪気”として体に悪影響を及ぼすと考えられています。

中でも「湿」は、重く停滞しやすく、体の中では胃腸の働きを妨げたり、気(エネルギー)の巡りを悪くしたりします。しかしこの湿邪は、住まいの空気中にも存在し、カビ・悪臭・空気のよどみといった形であらわれます。

家の中の湿邪が溜まると:

  • カビが発生しやすくなる

  • 空気が重く感じられる

  • 呼吸が浅くなったり、だるさを感じる

  • 精神的にもすっきりしない

つまり、住まいの「湿」を整えることが、自分の心と体の健康を守ることにもつながるのです。


◆ 梅雨の湿気・カビ対策:漢方的除湿の工夫

では、実際にどのように住まいの湿邪を除けることができるのでしょうか?漢方的な視点も交えながら、具体的な方法を見ていきましょう。

① 窓を開けて「気」を通す

漢方では、「気(き)」は滞ると不調の原因になります。湿度が高い日はつい窓を閉めがちですが、朝や湿度が下がるタイミングを見計らって窓を開け、風を通すことが大切です。空気の循環が起こると、湿気やよどんだ気が外に排出され、空間がリセットされます。

② 除湿剤や炭を活用

押し入れや靴箱、脱衣所などの湿気がこもりやすい場所には、竹炭や備長炭を置くのがおすすめです。炭には吸湿作用だけでなく、気を浄化する働きもあり、漢方的にも“陰を調える”アイテムとされています。

③ 床拭き&拭き掃除に「香りの薬草水」をプラス

雑巾がけをする際に、お湯にヨモギ・薄荷・陳皮などの薬草を煮出した液を混ぜると、殺菌・消臭効果に加えて、空間の湿気と邪気も整えることができます。アロマオイルを数滴垂らしても◎。


◆ 空間ケアにおすすめの“香りの生薬”とアロマ

漢方では、芳香性のある生薬が「気の巡りを良くし、湿邪を払い、心を明るくする」とされています。香りは脳に直接働きかけるため、空間ケアに取り入れると効果的です。

▷ 芳香性のある生薬・食材例

生薬・食材名 特徴・効果
陳皮(ちんぴ) 乾燥したみかんの皮。気を巡らせ、湿を除く。香りも爽やか。
薄荷(はっか) 清涼感があり、気を巡らせ頭をすっきりさせる。
桂皮(けいひ) シナモン。温めながら湿を動かし、空気を整える。
白檀(びゃくだん) 精神安定作用があり、空間を落ち着かせる。

これらはお香やハーブパックとして使用可能です。香炉やディフューザーを使って部屋に香らせるだけで、空気の流れと気分が整います。


◆ 漢方的「空間の養生」で梅雨を快適に

梅雨時の住まいを健やかに保つためには、単に湿度を下げるだけでなく、「空間全体の気の流れ」を意識することが大切です。漢方の世界では、気・血・水のバランスだけでなく、住まう環境もまた、体と心の延長線上にあると考えます。

だからこそ、住まいを整えることは、自分自身の体と心を整えることにもつながるのです。


◆ 最後に:湿邪は“追い出せる”もの

湿気は目に見えず、いつの間にか心身や空間に入り込んできます。ですが、湿邪は意識と工夫次第で防ぐことも、追い出すこともできます。

もし、体がだるい、心が重いと感じるときは、まずは住まいの空気を見直してみてください。
そして、体の内側からの湿邪対策が必要と感じたら、ぜひ当薬局にご相談ください。体質や生活環境に合わせた漢方のご提案をさせていただきます。

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梅雨バテって何?原因と対策を知ろう

2025-06-11 11:46:52 | 出張相談

梅雨バテって何?原因と対策を知ろう

ジメジメと湿気が続く梅雨の時期。なんだか朝から体が重い、やる気が出ない、頭がボーッとする…そんな不調を感じていませんか?
それはもしかすると、「梅雨バテ」かもしれません。

梅雨バテは、暑さによる「夏バテ」とはまた少し違う、湿気による不調です。体の内外に湿気が溜まることで、私たちの体調は想像以上に大きく影響を受けています。今回は、漢方的な視点も交えながら、梅雨バテの原因と対策をご紹介します。


◆ 梅雨バテの原因は「湿邪(しつじゃ)」にあり

漢方では、季節ごとに現れやすい「邪気(じゃき)」という自然環境の影響を重視します。梅雨の時期に増えるのが「湿邪」です。
湿邪には次のような特徴があります:

  • 重く、下に溜まりやすい

  • 気や血の巡りを妨げる

  • 胃腸(=脾)を傷めやすい

これが体に入ると、だるさ・むくみ・頭痛・食欲不振・下痢など、様々な不調が起こります。特に、もともと胃腸が弱い方、冷えやすい方、ストレスが多い方は、湿邪の影響を受けやすい傾向があります。


◆ こんな症状が出ていたら要注意!

あなたの不調、梅雨バテかもしれません。以下のチェックリストで確認してみましょう。

  • 朝起きても疲れが取れない

  • 頭が重く、集中力が低下する

  • 足や顔がむくみやすい

  • 食欲がわかない、胃もたれする

  • お腹がゆるくなる、便がベタベタする

  • なんとなく気分が落ち込む

これらの症状がいくつも当てはまる場合、体に湿気が溜まっているサインかもしれません。


◆ 梅雨バテ対策①:生活習慣の工夫

□ 室内の湿気をこまめに除去

除湿機やエアコンの除湿モードを活用しましょう。カビ対策にもつながります。

□ 体を冷やさない

梅雨時は意外と体が冷えています。冷たい飲み物・食べ物を控え、腹巻きや靴下などで下半身を温めるのもおすすめです。

□ 朝の散歩で「気」を巡らせる

曇りでも日光を浴びることで、体内時計が整い、自律神経のバランスも改善されやすくなります。


◆ 梅雨バテ対策②:食事で「湿」を追い出す

湿気による不調には、**利水作用(=余分な水を排出する働き)**のある食材を意識して取り入れましょう。

▷ おすすめの食材

  • とうもろこし:ひげも利尿作用あり

  • はと麦:体の余分な水分を排出し、肌荒れにも◎

  • 冬瓜(とうがん):体を冷やしすぎずに水分代謝を整える

  • 小豆:むくみ予防、胃腸に優しい

  • 生姜・ねぎ:巡りをよくし、湿邪を追い払う

これらを使ったスープや煮物は、体を温めつつ水分代謝を助けてくれます。


◆ 梅雨バテ対策③:漢方の力を借りる

食事や生活の工夫だけでは改善が難しいときは、漢方薬の出番です。体質に合わせて選ぶことで、根本からの改善が期待できます。

▷ 五苓散(ごれいさん)

余分な水分を体外に排出し、むくみ・頭重感・吐き気などを改善。湿気による水の滞りが主な症状に。

▷ 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

めまいや頭痛が強く、胃腸が弱っている方に。脾を助けながら湿をさばく処方。

▷ 平胃散(へいいさん)

食欲不振や胃もたれ、下痢傾向のある方に。消化力を助け、湿邪を排出します。

漢方薬は、体質やそのときの状態に応じて選ぶことが大切です。自己判断せず、薬局や専門家に相談するのがおすすめです。


◆ 梅雨を心地よく過ごすために

梅雨の時期は、体も心も重たくなりがちです。しかし、湿邪の存在を知り、少しの工夫で生活を整えることで、ぐっと快適に過ごせるようになります。

「梅雨バテかな?」と思ったら、まずは自分の体の声に耳を傾け、食事・睡眠・漢方などを上手に取り入れてみてください。
不調が続く場合は、ぜひ当薬局までご相談ください。一人ひとりの体質に合わせて、丁寧にアドバイスさせていただきます。

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