聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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■10/25 衆議院厚生労働委員会記録(その6)

2005年10月25日 | 【速報】10/25衆議院厚生労働委員会
福島: この法案の審議のスピードが速かったが、支援費制度が財政的に危機を発しているのでやむを得ない部分もあるが、当事者にしっかり説明することが国として必要。
続いて松永参考人にお聞きしたい。大変感銘深く聞いた。こういう取り組みを全国で進めていかなくてはいけない。 私は支援法の審議の中で、障害者に求める負担をいろいろ考えている。最終的に応能負担に近づいた形になっている。障害者の人も共に参加をして障害者を支えるサービスの制度を担っていく観点が必要。就労してわずかな工賃なのになぜ利用者負担なのかという意見がある。就労支援を今回の法案で見直してそれぞれの事業を安定させ、工賃も引き上げて、その中で負担できるところは負担していただく。就労支援の事業を幅広くしている参考人の意見を聞きたい。

松永: 私は就労の中で雇用契約を重視している。国民として大人になれば働く。雇用契約を結んでいないと労働災害も認められない。労働の正しい評価をするのも契約。 第一は雇用、福祉工場はプロ野球でいうと一軍、授産施設というのは二軍のようなもの。そこからメジャー、一般企業に送り育てていく事が私たちの仕事。授産施設は月額2万9000円を目標にしている。難しい中身としては通所の中でケアが必要な人は15%、この中でたいていは家庭のトラブル、ここをきちんとすれば働ける。私どもの施設で働いている人の内約18%がいわゆる自閉症。自閉症だから働けないというのは間違い。2万9000円は最低賃金の約50%で、雇用契約は可能。月額5~6万の雇用契約は可能。私の福祉工場で賃金手取り額は年間約60万円。昨年の昇給率は7.8%。できる人は一般企業にいったからさがった。彼らの昨年の公的な社会保険等負担額は288467円。安全衛生対策をしっかり教えることによって労災保険金額が4.9%減額になった。実績から所得保障の中から負担は可能であると思う。

福島:ありがとうございます。次に浅間参考人にお尋ねしたい。小規模作業所についてどういう事業をになうのか、法定内の事業所としてきちんと位置づけて経営基盤を強化する必要がある。実際親が負担している部分を安定して今後地域の資源とすることが大事。その点で心配の声があるが参考人のコメントは?

浅間:現在の小規模作業所は非常に複雑な仕事をしている。 ひとくくりにして同じ方向を向けるのはとても大変。なぜそうなったかは障害者がいろいろ求めてるからそうなった。私のところは就労継続支援をめざしていこうと思っているが、そんなことはできないといっている人もたくさんいる。障害をきちんと理解したうえで運営するのが必要だが、雇うお金がない。私のようなおばさんがいっぱいいる。中身の濃いものができない。利用者の立場を考えて運営するための支援の仕方があると思う。

福島:小規模作業所は生活支援や就労支援など多様な支援が考えられると先の国会でも政府の見解を示した。障害者が安心できるような具体的な対策を政府が示していく必要がある。専門的な人を雇えるような事業基盤が必要なので、国会の審議で深めたい。
次に広田参考人に聞きたいが、国会での議論で通院公費がなくなると自殺する人が増えるという人がいる。見直しがどんな影響があるか?

広田: 32条は社会防衛だが、普通の病気にしてほしい。22年間で20数名の自殺者を見てきた。 みな薬を服用していて自殺した。医者がきちんとインフォームドコンセントをしてないから本人が病気の自覚をしていないで自殺したとか、生きる目標を見失っていた人がいる。 3万人を超す人が死んでいるが、社会の中で孤立している人が自殺に結びついている。私の経験ではお金がなかったから薬を飲まなかったという理由で自殺した人はいない。 しかし多くの仲間が危惧しているのも事実。本人に対する所得保障をしてほしい。薬をのまなかったために自殺した人はいないが飲まなかったために悪化して自殺した人はいる。

福島:ありがとう。今度の見直しで気をつけなくてはいけないのは、精神障害者が阻害されていると受け取られるようなことは避けなくてはいけない。時間がないので最後に育成医療について、国として将来に向かって支援していかなくてはいけない。引き続き努力していきたいと申し上げたい。

郡 : 民主党の郡です。貴重な意見ありがとうございます。日本の福祉行政は皆の働きで進んできたのだなあと改めて認識し重く受け止めている。
まず浅間参考人に伺いたい。小規模作業所を運営している立場で、様々な不安や危機感が感じられる。全日本育成会では支援法の早期の成立を強く要望しているという要望書が出ているが、育成会の総意ではないのでは。要望書提出のいきさつを聞きたい。

浅間:どう答えたらいいのか、事実だけをいいます。ここに全日本育成会の速報28がある。育成会に様々な意見要望抗議が載せられている。この中育成会は組織として統一した見解を持っている組織ではない。地方の団体が自分の意見を持つのは当然、というようなことが書かれている。私は、拘束しないという意味ではないかと思うが、それでは全日本は誰のための団体なのかと疑問を感じている。事実だけを申し上げる。

郡:先ほどの意見でも、支援法に対して、せっかくつかんだしっぽが逃げていくようだといっていたが、どの点に一番不安を感じているのか。

浅間:人は自分が死んだ後を考えなくてはならない。普通の子供は自分で考えて生きていくが、障害児は誰かの手が必要。未成年の場合は親や学校。親は自分の力で生きてほしいと思っているが、後ろから支えていかなくてはならない。県や市がつけてくれたいろんな基金制度をいろいろ考えている。私は共済制度で年4万かけて、夫が死ねばずっと入ってくる。支援法が始まって年金からいろいろ引かれる。入所施設にはいれば25000円のゆとりがあるというが1ヶ月7~800円、映画もみれない、そういう保障しかされていない。今までしてきたことが足元から崩れていくようだ。贅沢をしようとは思わないが好きな時にテレビを見たり、たまにはファミレスに行きたい。所得保障もしてもらいたいし、扶養義務もはずしてもらいたい。親が一生懸命お金をためてもそれさえもっていかれそうな制度だと思う。

郡: 生きる権利も剥奪されるような不安がよくわかりました。
次に支援法では小規模作業所が新事業への道と切り開かれる。小規模作業所のこれからについて大変な不安を持っているということだが、具体的にどういうことか。小規模作業所は貧しい資源と貧しい人材で運営されている。これからの展望について浅輪参考人はどう考えておられるのか。

浅輪:小規模作業所は自宅から通える所という発想で作られた。 私はそういう概念で作ってきたが、自分にあったところがあると電車やバスで通ってくるが、本来の形ではない。地方格差がある中で、補助金が少ない中で質の高い人材を確保するには手当てをつけたりするなど事業主負担が発生している。 レベルの高い職員がいて、その見返りに通所の人によい対応ができる。日々楽しければいいという形の作業所が発生しているがそれでいいとは思わない。ある程度しっかりした資金で活動支援型が必要。私の娘は40直前で解雇されたが、一般の企業にはいけない。ソフトランディングのためのいろんな形の場が必要だが、運営するには法人格が必要と言われているが、なかなか取れるものじゃない。今の小規模作業所の人たちには自分の方向がみえなくなってしまう。今いる人たちを解雇しないで運営しなくちゃという義務感がある。人に合わせた活動をしていかなくちゃいけない。場所的にも古家で活動しているところがある。学校に部屋があいていても部外者だからいれないというところがある。環境的にもあまりよくなっていない。そういうところをよく見てもっと細かい指針をだしてほしい。

郡: ありがとうございます。代わって、娘さんがガイドヘルパーとディズニーランドに行って楽しかった話を聞いた。今回の法案では重度障害でなければガイドヘルプは個別給付ではなくなってしまう。負担も義務的経費ではなく裁量的経費に変わるがこの点について親としての立場で意見は?

浅輪:障害が軽いから支援費は薄くてもいいという考え方はやめてほしい。たとえば私の娘は移動がとても困難。その人に必要な援助をする視点をもってほしい。障害を持つ人や家族が自分の世界を広げることは人生に必要。

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