聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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(2010年4月16日付で、名称を変更いたしました)

■10/28 衆議院厚生労働委員会(その1)

2005年10月28日 | 【速報】10/28衆議院厚生労働委員会
鴨下委員長/これより会議を開きます。内閣提出の参議院送付、障害者自立支援法案および山井和則君(民主党)ほか5名提出・「障害者の自立の支援および社会参加の促進ための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案」の両案を一括して議題とします。
 両案審査のため、本日政府参考人として、厚生労働省職業安定局高齢障害者雇用対策部長・ほりゅうたかし君、社会援護局長・中村しゅういち君、社会援護局障害福祉部長・中谷ひろき君の出席を求め、説明を聴取致したいと存じますが、ご異議ありませんか。ご異議なしと認めます。そのように決しました。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原誠二君。

木原(自民党)/自由民主党の木原です。本日は、トップバッターとして30分間時間を戴き、政府提出の障害者自立支援法案について質問させて頂きます。よろしくお願いいたします。
 本委員会の議論および先の通常国会、あるいは本国会の参議院での議論、またこの委員会でも参考人聴取を経て、様々な論点が議論され、論点を明らかにしてきました。それで、この法案の利点やベネフィットなども次第に明らかになっています、また本委員会でも、共通認識もできてきたのかと思います。具体的には、知的、身体、精神障害の三つの障害が一つの体系の中に入ってくる、特にこれまでとかく対策が遅れてきた精神障害については、その改善のための一つの道筋ができてきているのかなと思っています。また裁量的経費から義務的経費になることで国の責任も明らかになってきている。あるいはサービスの実施主体、計画の立案主体が、市町村に一元化される、こうした様々な、この法案の良い点についての共通認識ができているんだろうと思っています。
 他方、残念ながら障害者自立支援法については、不安の声も上がってきています。(野次:そうだ)障害者の皆さま、またその障害者を支えている家族の皆さま、また家族の皆さまを支え施設の現場で働いている現場の皆さま方から、不安の声が上がっている。私や本委員会の皆さんのところに、選挙期間中から沢山のメールが届き、個別の訪問も頂いていると思います。私も、清瀬・東村山・東久留米といった私の地元の幾つかの施設を回ったが、様々な不安の声が聞かれています。
 私としては、この委員会の責務として、この皆さんの不安を解消することが重要と考えています。そこで、本日の審議では、これまでの審議で議論されていることを含めて、確認的にしっかりと議論したいと考えています。
 尾辻厚生労働大臣にはこれまで丁寧に真摯に、ご答弁頂いていますが、引き続き真摯にご答弁頂ければと思います。
 最初に、尾辻大臣として、現在の障害者福祉の現状についての認識を伺いたい。残念ながら、率直に申し上げまして、現在の我が国の障害者福祉はまだまだ発展途上にあるのかなと思っています。障害者福祉のなかの現金給付が、対GDP比でどのくらいかということを、OECD諸国の中で比較すると、日本はかなり低い水準です。もちろん統計データの取り方などにはいろいろ問題があるかも知れませんが、しかし現状が「高い」とは言えないんだろうと思います。
 また、例えば知的障害者のホームヘルプをみると依然としてまだ4割、あるいは身体障害者のホームヘルプサービスは約2割の市町村では実施されていない、更に精神障害者のホームヘルプサービスを実施している市町村はまだ5割にとどまっているという現状です。そこで、大臣から、こうした障害福祉の現状について、これが十分だと認識しているのか不十分だと認識しておられるのか。もし不十分と認識しておられるなら、今後どのように改善して行かれるか伺いたい。また今回の自立支援法案が、どのように改善に寄与していくと考えておられるのか、まず総論的に伺いたい。

尾辻厚生労働大臣/現在の障害保健福祉施策の状況ですが、障害保健福祉関係予算の推移で、まずお答えしたいと存じます。
 平成15年度  6659億円 に対して
 平成16年度  6942億円 となっており、
  額では283億円、 比率では、4.2% 増やしております。更に、
 平成17年度  7525億円 であり、
  額では583億円、 比率では、8.5% 増やしております。
 着実に伸びてはいる。今回の法案では、今後も新たにサービスを利用する方が増えることが見込まれますので、精神障害者を含めて、障害者が必要なサービスを受けられますように、サービスの種類毎の必要な見込みを定めた障害者福祉計画の作成の義務付け、あるいは支給決定の透明化・明確化、利用者負担の見直しを行ない、併せて、在宅サービスについては国の負担を義務的なものとすることにしております。サービスに必要な財源を確保しながら、安定的なサービスを提供することができると考えています。今後とも制度運用に万全を期し、予算の確保に努めて参りたいと存じております。

木原/この法案により、裁量的経費から義務的経費になることには、大きな意義があるんだろうと思います。しかし、いずれにせよ予算要求があり、査定はあります。義務的経費であれば、補正予算は組みやすいかも知れないが、当初予算できちん予算を獲得していくことが重要です。義務的経費になればこそ、しっかりと当初要求で、要求するものは要求し、獲得できるものは獲得して頂くと言うことだと思っています。
 そこで、もう一度、自立支援法案を前提とする平成18年度の概算要求について確認したい。

中村社会援護局長/障害保健福祉全体の予算は、18年度概算要求で、
 対前年度9.5%  712億円増の 8237億円を計上しています。
 これは、障害者自立支援法案の成立を前提としております。義務的経費については、
  7.9%増の7314億円を要求しています。
このうち、障害福祉サービス予算については、
対前年度、10.5%増の4143億円の概算要求となっています。とりわけ、居宅分につきましては、大幅な伸びを見込み、
  19.3%の伸びを要求しています。
 裁量的経費については、173億円増の866億円、25%の増を要求しております。これは特に、地域生活支援事業とか、自立支援法案の施行関係経費を重点に要求しております。

木原/ありがとうございました。全体で10.3%増と言うことですが、根拠について、これが下からの積み上げになっているのか、あるいは対前年でどれだけという、上からの大まかな要求になっているのでしょうか。

中村局長/概算要求は、介護給付、訓練給付、居宅分、施設分がありますが、積算としては、16年度から17年度への予算の伸びなどを考えまして、居宅については19.3%増で要求しております。
 また、施設関係の経費は、13年から15年の人員の平均の伸び率を考え、直近の施設整備の実績を踏まえ、その伸び率を考えて計算しています。委員のお尋ねに対しては、マクロ的なものを基本にし、これに伸び率を加えて積算しています。

木原/マクロ的にという答弁でしたが、義務的経費になったと言うことですから、今後も市町村で作る障害福祉計画をしっかり積み上げて予算要求をして頂くと言うのが基本だろうと思います。そうでなければ、義務的経費にした意義が失われてしまうと思います。そこで、そうした取り組みはいつから、平成19年度あるいは20年度、いつ頃からになりますか。

中村局長/おっしゃる通り、この法案が成立しますと、市町村が地域のニーズを踏まえて障害福祉計画を立てることが、法律で義務付けられています。この障害福祉計画の策定は、平成18年10月から作ることになっています。これを踏まえながら、今後は直近の給付費を踏まえながら、今後は予算要求をすることになると思います。平成19年度の予算要求に全市町村の障害福祉計画の策定が間に合うかという実務的な問題はあるが、平成18年度以降、基本的に福祉計画を立てるというスタンスで行ないたいと考えています。
 20年度以降は、確実に自治体の障害者福祉計画を積み上げることになろうかと思います。

木原/地域の障害福祉計画に基づいてしっかり義務的経費として予算を立てると言うことだと思います。
 障害者福祉をしっかりしていくという決意を伺いましたが、定率負担、1割負担というものについて、非常に大きな不安感がありますので、質問します。
 私は、いろいろご批判もあろうかと思いますが、予算あるいは給付を伸ばしていく、制度をしっかり持続可能なものにしていく、という点では、あるいは負担できる障害者の方には、ご負担頂くということで、障害者自身も国民の一部として、全体の負担の一部をになって頂くということは意義のあることだと思います。しかし、言葉が一人歩きをしているという面もあり、不安があります。「応益負担」「定率負担」などと言われていますが、大臣はこれまで、「これは限りなく応能負担に近い応益負担だ」と説明してこられたりしています。あるいは我党の大村議員からは、「これは上限付きの低(定?)額制なんだ」というお話もありました。
 他方で、施設などに伺いますと、一番問題になるのは、24時間重度の介護が必要な重度身体障害者の方については、1割負担では、今後負担できるのか、そう言う点が問題になっています。何度もお答えになっている点ですが、大臣、分かりやすく、軽減措置なども含めてご説明ください。

尾辻大臣/この度の法案では、1割の定率負担と、所得に応じた月額の負担上限を組み合わせた利用者負担をお願いしています。が、障害のある方については、年金だけで生活しておられる方や、資産の少ない方がおられることを踏まえ、負担額を減免する各種の制度を設けています。
 具体的には、過大な負担とならないよう、月額負担の上限を設けます共に、介護保険等とのバランスを考え、所得の低い方には、より低い段階的な上限額を設定いたしております。
 また、グループホームや入所施設で暮らす方で負担能力が少ない方については、月額6万6千円以下の収入の方は月額負担は免除(0)とします。また、通所施設やホームヘルプサービスなどを利用して在宅で暮らす方の場合は、社会福祉法人減免により半額となるようにしております。また、入所施設の人は、食費などの負担を除いて、手元に2万5000円が残るように負担を軽減しています。
 通所サービスを利用される方は、食費について材料費のみの負担としています。
 こうした場合でもまだ生活保護の対象になる方は、生活保護の対象にならないところまで負担を軽減することにしています。(答弁続く)

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