聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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■10/28 衆議院厚生労働委員会(その2)

2005年10月28日 | 報告
(尾辻大臣答弁続き)今、挙げたげたようなきめ細かい配慮・措置を講じているところでございます。

木原/ありがとうございました。
大臣の説明は何度か、かなりの回数聞いております。また厚生労働省の皆様からも個別にお話を伺っていて、理解が速いわけですが、正直申し上げまして、初めて聞いた方は理解が難しいかなという感じがいたします。たとえば、入所施設に入りながら、一方で通所サービスを受けられる方、今回給付が個別になっておりますから、自分の減免措置が個別減免措置にあたるのか、社会福祉法人減免になるか、それすら判断が難しいだろうと思っています。そう言う意味で是非、厚生労働省として、わかりやすい説明を今後もこころがけていただきたいと思います。また、現場の方々から要請があれば、厚生労働省の皆様が自ら、率先して説明にいくくらいの気概をもっていただきたいと思います。今後どのようにこの措置を周知徹底していくのか、ご決意をお聞かせいただきたいと思います。

尾辻大臣/何度も申し上げましたけれども、できるだけきめ細かな軽減措置を作ろうと思いまして、そのようにいたしました。そうすると、どうしても複雑な面をもちます。その説明はまだ十分なされていない。
それが利用者の方々の不安につながっている面はあろうかと思います。私どもも、できるだけきめ細かく軽減措置を作りましたと申し上げていますが、今度は、ご説明のほうも、きめ細かくなさねばならないとを考えてとおります。それは大変重要なことと思っております。まずは、わかりやすいリーフレットの作成配布をいたしたいと思っております。リーフレットの内容を厚生労働省のホームページにも掲載させていただきます。都道府県の担当課長会議を通じた市町村や事業者への周知のお願いも、いっそうしならなければならないと思っております。さきほどお話がありましたように、お求めがあれば私ども厚生労働省の担当の者が出掛けていってご説明申し上げたいと存じております。

木原/ありがとうございました。ぜひ丁寧にご説明をいただければと思います。
1点確認したい。個別減免、社会法人減免という話がございましたが、法案には書いてないわけでございますが、時限の措置ということで、見直しがあると理解しています。これだけ負担に対して不安感がある中で、完全にやめてしまうことが前提の時限措置ではないんだろうと理解しています。法案には時限とは書いていないので、なかなかご答弁が難しいと思いますが、どのように3年後見直していかれるか、そのあたりご確認いただきたいと思います。

尾辻大臣/法律の中では所得保障などをどうするか、3年後にしっかり見直すと決めてございます。所得保障見直しとともに、当然こうしたことは関連するわけでございます。見直しということでございまして、それを今やめると決めているわけではありませんし、そのときの所得保障を含むすべての見直しの中で見直すなら見直すということになるわけでございます。その精神は当然引き継がれるものでございます。

木原/非常に重要な残された論点として、所得保障という問題があるわけでございます。その点とあわせてしっかりご議論いただきたいと思います。現状より結果として更に負担が増すことがないようなご配慮をいただければと申し上げたいと思います。定率負担について今、大臣からご答弁をいだだきましたが、定率負担を求めるにあたって、重要なことは、所得保証という話がございましたが、障害者の皆様がしっかり就労を通じて収入を獲得、所得を獲得していくことが重要なのかなと考えております。現状では養護学校卒業の半数以上の方々が授産施設あるいは福祉工場等に入られまして、そこから更に一般就労に行かれる方は年間1%程度だと伺っております。これは残念ながら、我が国の障害者福祉施策の失敗例のひとつではないかと思います。今回の法案では、就労支援事業あるいは就労移行支援事業が入っておりますが、どのような方がこのサービスの対象になるのか。またこれまでの支援費制度のもとでの就労移行のための事業とどこが変わってくるのか。わかりやすいご説明をいただければと思います。

中村局長/お答え申し上げます。障害者自立支援法では、今、委員から話がございましたように、就労を非常に重視しております。新しく作られる事業体系でも、就労移行支援、就労継続支援、中でも雇用型とか非雇用型とか、就労に着目した政策体系をまず作ろうというのが第1点です。第2点は、これまでも就労支援については、授産施設を中心に取り組んでいただいてまいりましたが、委員からご指摘ございましたように、必ずしもアウトプットはよくない状況でございました。これは障害者の方の能力や適性に応じた個別の支援が必ずしも十分ではなかったのではないか。現実の一般就労に結びつく職場の斡旋。就職したあとでの職場へのサポートに関して、福祉と雇用施策の連携が十分でなかったのではないかと考えているところです。具体的には就労移行事業は、一般企業への雇用または在宅就労が見込まれる障害者の方ですが、適性評価から職場開拓、就労後の職場定着に至るまで、段階を踏んで円滑にやると。漫然とやるのではなく、お一人お一人に目標期間を定めた個別支援計画を作成し、それについての責任者も事業所に配置する。また、事業所に対する報酬面でも、そういったことについて評価をしていくこと。ハローワークとの連携もする。また就労後の相談支援や助言を行う。こういったことを通じて一般就労につながるような支援を強化してまいりたいと考えております。

木原/まさにアウトプット、成果を出していくんだというご決意を伺ったのかなと思います。ぜひ、しっかり取り組んでほしいと思います。一方で、雇用政策でもしっかり取り組んでいただきたいと思います。障害者の自立を促す委託訓練事業があると聞いておりますが、対象者数は6000人と聞いております。実際にはその半分程度しか対応できていないという現実もあります。福祉と雇用の連携強化は今後の障害者就労支援の中で非常に重要だと思いますが、雇用面からどのような施策を講じていかれるおつもりか、ご確認させていただきたいと思います。

ホリュウ高齢障害者雇用対策部長/お答え申し上げます。障害者雇用施策の強化について先般の通常国会で障害者雇用促進法を改正いたしました。精神障害者の雇用算定率、精神障害者の雇用強化、障害者の在宅就労支援制度の創設、障害者福祉施策との連携強化等を行うことにしたところです。障害者の地域における自立を推進するためには雇用施策と福祉施策の連携をいっそう強化することが必要です。国及び地方公共団体の責務として福祉施策との有機的な連携をはかりつつ、施策の推進を図らなければならないと規定をしたところです。規定の見直しに加え、具体的な連携事業として、ハローワークが福祉施設等と連携して、就職を希望する個々の障害者に応じた支援計画にもとづいて一貫して就職支援を行う仕組み作り。福祉施設のノウハウを生かして、より効果的な職場適用援助を行うことを目的としたジョブ・コーチング制度の創設。生活も含め一貫した相談を実施する相談支援センターの増設。ということを行い、障害のある方に対して、雇用施策と福祉施策の両面から一貫した支援を行うこととしております。今後とも障害者施策と障害者福祉施策の有機的な連携により障害者の雇用がいっそうすすめるよう努めていきたいと考えております。

木原/時間が少なくなってきましたが、移行への措置についてひとことだけ大臣にお伺いしたいと思います。企業のトップにいかに重要性を認識していただくかということだと思います。その点ぜひ大臣に各企業トップと話をしていただいて、取り組んでいただきたいと思いますが、どうでしょうか?

尾辻大臣/お話の通りでございます。企業のトップの考え方、姿勢が強く影響することは実感しているところでございます。絶えずそうした方々に話しているし、お願いもしているところです。今後ともそうしてまいります。

木原/もう1点だけ確認させていただきたいと思います。小規模作業所についてです。今回の障害者自立支援法案に関して小規模作業所の従事者から不安感が私の地元でもございます。その点に関して大臣あるいは厚生労働省から、今後も様々な個別給付、就労支援給付等が法定内でできるとご答弁いただきましたが、規模の要件等で、なかなか法定の施設に入ってこれない小規模作業所が今後も残るだろうと思います。法定内に入ってこれない小規模作業所に対して厚生労働省として、引き続きしっかり支援をしていただけるのか。現状110万円程度補助金が出ていますが、これがまさか打ち切られることはないんだろうということをご確認させていただきたい。

中村局長/予算は18年度概算要求で小規模作業所に対する国の運営費補助は今年度と同額を要求しているということで、補助金打ち切りとはなっておりません。また障害者自立支援法案の体系の中で、法定内施設へ移行される、特に個別給付として移行する施設、地域生活支援事業の中の地域活動支援センターという形で、市町村の指定を受けるタイプ、法定外に残る等さまざまなタイプ等、様々あろうかと思います。いずれにしても18年度については、去年と同じ概算要求をしているところですし、これから法律が施行された場合、小規模作業所の方々がどういう形で転換されていくのか、その辺も見ながら、法定外施設に対する運営費補助等についても引き続き考えさせていただきたいと思います。

木原/時間なので終わりにしますが、私は今回の法案は障害者福祉の中で非常に重要な法案だと思います。ぜひ関係者の理解を得る努力を続けていただきながら、しっかり前にすすんでいただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
(拍手)

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